昨年、オランダの消費者はオンラインで333億ユーロ(約4.7兆円)を消費した。これは2021年と比較して9%の伸びである。実際のところ、購入回数は5%減少したが、1回あたりの平均金額は15%増加した。
2021年当時、オランダ人はオンラインショップで306億ユーロを消費し、オンライン購入件数は3億6,600万件にのぼった。昨年は、この金額が3億4,700万に減少。2021年と同様に国民の97%がオンラインで購入している。
サービス部門が好調に推移
これは、オランダのeコマース協会Thuiswinkel.orgが発表した最新の報告書「Thuiswinkel Market Monitor」から明らかだ。2022年のオンライン購入額と支出額は、サービス部門では増加(それぞれ49%と54%)したが、製品部門では減少(それぞれ10%と7%の減少)した。
「サービスのオンライン購入は、2022年に49%増加」
「サービス部門の増加は、主にアトラクションやイベントのチケットの購入によるものが多く、旅行関連の購入が多いことが要因だ。また、オランダの消費者は2022年に2021年よりもオンラインで保険を購入する頻度が高まり、価格も高くなった」とThuiswinkel.orgのディレクター、Marlene ten Ham氏は述べている。
オンラインでの製品購入の減少
年間を通して、オンライン購入や製品への支出が減少している。「商品部門の縮小は、食品・嗜好品(2021年比3%増)を除くすべてのカテゴリーに当てはまる。オンライン購入世帯数の増加やオンライン購入1回あたりの購入金額の増加により、同カテゴリーは安定した成長を続けている。オランダではオンライン食料品ショッピングが依然として人気であり、これがこのカテゴリーのオンライン購入額と支出額に反映されている」と彼は続けた。
「2022年には、全購入の12%がオンラインで完了」
また、昨年は全購買額の12%がオンラインで完結していたことが報告され、1年前(当時のシェアは13%)よりわずかに減少している。一方、支出総額に占めるオンラインの割合は31%から32%に増加した。報告書によると、これはサービスに対する支出の増加によって説明できる。オランダの消費者は、オンラインで購入したサービスにより多くの支出をしている。
クロスボーダー消費は20%増加
本報告書の他の調査結果と同様に、越境購入の金額は2021年に比べて5%減少した。しかし、これらの購入の総支出は20%増加。これは主に、米国、オーストリア、英国、ドイツで購入されたパッケージ旅行(164%増)および航空券と宿泊施設(74%増)の支出が増加したことに起因している。
スマートフォンによる購入の増加
昨年、スマートフォンを使って購入したオンラインショッピングの金額は、29%から33%へと増加した。「過去5年間のスマートフォン利用の増加から、より明確な姿が見えてくる。2017年には、オンライン購入のうち、スマートフォンで購入されたのはわずか13%だった。5年後、スマートフォンの利用は2.5倍に増加している」。
2021年と同様に、昨年のオンラインショッピングの70%がiDeal(オンライン決済の際にオランダの銀行口座から直接支払いができる決済方法)で支払われている。96%ものオンラインショッピング利用者が、過去1年間に少なくとも1回はこの支払い方法を利用した。他方、クレジットカードを利用する消費者は、28%から31%に増加した。同時に、Riverty(ウェブショップ向けにインターネット支払いソリューションを提供する米国のフィンテック企業)は実際に利用者数の減少(23%から19%)を示している。
※当記事は英国メディア「Ecommerce News Europe」の3/21公開の記事を翻訳・補足したものです。