eコマースの始まり

 

eコマースの始まりについては諸説ありますが、一般的には最初に公正な取引が行われたのは1994年、米国のNet Marketというサイトだったと言われています。

その年のうちにamazonがサービスを開始し、日本でも遅れること3年の、1997年に楽天がサービスを始めます。

大手のモールは、非常に早い時期から市場の可能性を感じてサービスを立ち上げてきていることが分かります。

またzapposも1999年に事業を開始するなど、専業系モールも続々と立ち上がっていきました。

しかし、当時は、インターネットで売るものは、実店舗の売りを食っているだけではないか、と言うようなeコマースに懐疑的な意見も多くあり、それほど積極的にeコマースに進出するリテーラーは多くはありませんでした。

 

 

eコマースの拡大

 

インターネットの普及により順調に市場を拡大させていったeコマース業界でしたが、2000年末にネットバブルが崩壊し、eコマース専業のショップが次々と倒産していきます。

eコマースが開始されて僅か5~6年で最初の壁が早くもやって来ることになりました。

この頃になり、ようやく、インターネットだけでなく実店舗と連携させてサービスを提供していかなければ、eコマースは成り立たないという、“クリック&モルタル”という考え方が生まれてきました。

とは言え、モール系は順調に発展を続け、2007年には楽天が取引高5,000億円、2008年にはamazonが取引高1兆円に達します。

楽天のオープン当初の出店店舗数がわずか13店舗、初月の流通総額が32万円だったことを考えると、10年間で急速に市場が発展したことが分かるでしょう。

 

 

eコマースの多角化

 

2011年にはFacebookがeコマースを開始、楽天がソーシャルとの連携を始めるなど、現在eコマースは多角期を迎えています。

昨年は、資金0円でショップが開設できるZERO STOREBASEStores.jpといったeコマースサービスが市場を賑わせました。

“サイトに商品を置けば簡単に売れる”という時代は終わりを告げ、ソーシャルとの連携やスマートフォンの活用など、さまざまなことを意識してeコマースを展開していかなければならなくなってきているのです。

こうして考えると、eコマースがはじまってまだ19年。黎明期から発展期を経て、現在は多角期となっているわけですが、まだまだ他の業界に比べたら圧倒的に若く勢いのある業界であると言えるでしょう。

ちなみに現在の楽天は店舗数が38000、取引高は年間1兆5千億円となっており、国内だけでも、相当な規模の市場となってきています。

これからどんな歴史が積み上がって行くのか、非常に興味深いですね。