運送サービス会社ラクスルと物流最大手のヤマトホールディングスは7月7日、資本提携を行い、荷主と運送会社をインターネットで結ぶサービスを行うと発表。デジタルテクノロジーを活用し、企業間物流の構造変革実現を目指す。

 

ラクスルとヤマトホールディングスの提携

ラクスルは「仕組みを変えれば、世界はもっとよくなる」をカンパニービジョンとして、印刷業界でインターネットを用いた新しい仕組みをつくり、顧客企業、印刷会社双方の経営効率化を目的に事業を展開。2015年12月からは、中小運送事業者トラックの非稼働時間と、荷主企業の物流ニーズをタイムリーにマッチングするシェアリングエコノミー型ネット運送・配送サービス「ハコベル」を開始している。

ヤマトホールディングスは、様々な業界の企業間物流において付加価値の高いソリューション提供を目指し、「バリュー・ネットワーキング」構想を推進している。また、4月にはデジタルイノベーション推進室を設置するなど、デジタルテクノロジーの活用を本格化させるとともに、自社の経営資源のみならず、積極的にオープンイノベーションを通じた外部企業との連携を推進している。

 

従来のサプライチェーンをデジタルテクノロジーの進歩で変革する狙い

日本のサプライチェーンには、荷主・納品先企業と物流事業者間における、出荷納品時の煩雑作業や待機時間の発生、ドライバーや車両不足により、社会的な機会損失が恒常的に発生している。

今回の資本提携は、テクノロジーを活用して業界課題を解決してきたノウハウを持つラクスルと、物流事業者として様々な業界に顧客企業をもつヤマトホールディングスが手を組むことによって、荷主・納品先企業と物流事業者の双方が抱える課題を同時に解決できる、オープン型の物流プラットフォームを構築する狙いだ。