2026年時点最新【2025年EC流通総額ランキング】国内15・海外27のECモール・カート・アプリの流通総額から見る市場トレンド

 

毎年2月~7月にかけて、世界中のEC業界の各主力プレイヤーが前年の流通総額や売上高を公開している。また、アリババグループやAmazonに代表される主要モールだけでなく、新たにリリースされてから急拡大を続けるTikTok Shopなど正確な流通総額は公表していないモールも市場に追加され、モール全体の動向を把握することはますます困難になりつつある。そんな環境下ではあるものの、eccLabでは、世界の大手ECモール・カート・アプリなどの2025年の流通総額の数値データを推測も含めて紹介していく。今回も国内外の各主力プレイヤーの値を中心に紹介していき、それぞれの市場のトレンドを見ていく。今回は昨年と比較して、これまで推測可能であった1サービスについてを対象から外し、3サービスを追加した。

 

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2025年版 EC流通総額ランキング:国内14・海外26掲載

2025年時点最新【2024年EC流通総額ランキング】国内14・海外26のECモール・カート・アプリの流通総額から見る市場トレンド
2025年時点最新【2024年EC流通総額ランキング】国内14・海外26のECモール・カート・アプリの流通総額から見る市場トレンド 毎年2月~7月にかけて、世界中のEC業界の各主力プレイヤーが前年の流通総額や売上高を公開している。また、アリババグループやAmazonに代表さ...

 

 

目次
▼国内15サービスの流通総額ランキング
▼海外27サービスの流通総額ランキング
▼国内15・海外27サービスの全流通総額ランキング
▼世界のマーケットプレイス(C2C)15サービスの流通総額ランキング
▼世界のECモール19サービスの流通総額ランキング
▼世界のカート・PKG8サービスの流通総額ランキング

 

 

国内15のECモール・カート・アプリの流通総額ランキング

 

まずは、国内の15の主力モール・カートサービス及びパッケージ、フリマアプリなどの2025年(1月~12月)の流通総額を見ていく。

国内14のECモール・カート・アプリの2024年流通総額ランキング

※ダウンロードファイルに高解像度の上記グラフ画像も含まれます。

 

2025年国内15のEC流通総額ランキングから見るトレンド

2025年における国内各社の流通総額は、調査対象サービスの多くがプラス成長となり、前年まで続いていた国内市場の停滞に持ち直しの動きが見られた。前年は4割近くのサービスがマイナス成長となっていたが、2025年にマイナス成長となったのはcreemaとminneの2サービスにとどまり、調査対象サービス全体の流通総額も引き続き増加した。また、2桁成長を実現したのはAmazon、ecbeing、MakeShop、BASE、イージーマイショップの5サービスとなった。昨年に引き続き2桁成長となったAmazonやBASEに加え、MakeShopなども高い成長率を記録しており、国内電子商取引市場は再び成長基調を強めつつあるといえるだろう。一方、昨年まで2桁成長を続けていたQoo10はプラス成長を維持したものの、成長率は7.5%に落ち着いた。

国内の流通総額上位のモールについて見ると、Amazonが前年比10.6%増と2桁成長を維持し、流通総額は初めて9兆円を突破した。一方、2024年に2014年以来初のマイナス成長となった楽天市場は、2025年には前年比3.9%増とプラス成長へ回復した。しかしAmazonとの差は前年の約2.1兆円から約2.7兆円へとさらに拡大しており、国内最大手としてAmazonの存在感は一段と強まっている。また、Yahoo!ショッピングも前年比5.7%増と堅調に成長したものの、Amazon、楽天市場の上位2モールとの差は依然として大きい。加えて、ecbeingやメルカリが規模を拡大しており、流通総額で見ると下位サービスとの差も徐々に縮まりつつある。

C2Cサービスでは、前年に引き続きメルカリが首位を維持した一方、Yahoo!オークションもメルカリを上回る成長率を記録し、ついに1兆円の壁を突破した。両サービスの差は1,000億円を下回るまで縮小している。

 

それでは、国内の主力プレーヤーの流通総額をそれぞれ見ていこう。公表されているサービスも多いが、残念ながら公表されていないサービスもある。ここでは公表データだけでなく、eccLabによる推測値も掲載し、流通総額が多い順に紹介していく。

 

Amazon 流通総額:9兆368億円(推測)

Amazon.comが公開している年次報告書の80ページによると、2025年の日本国内における総売上高は306億8800万ドルで、2025年の平均為替レートを148.71円(三菱UFJリサーチ&コンサルティング調べ)とした場合(以降、米ドルに対しては全てこの値を使用)、日本円にして4兆5,636億円となった。前年2024年は274億100万ドルだったため、売上高は米ドルベースで前年比12.0%増となっている。

Amazonの売上高については、日本国内でAmazonが売主となるものと、第三者が売主になるもの(マーケットプレイス)の手数料10%程度が合計された値となっており、その割合は未公表だ。eccLabでは2025年のマーケットプレイス割合を55%と推定。このことから、2025年の流通総額は9兆368億円、前年比10.6%増と推測する。

 

楽天市場 流通総額:6兆3452億円(トラベル等含む) 

楽天投資家向け発表によると、国内EC事業の2025年の流通総額は前年比3.9%増6兆3452億円となった。この値は楽天市場だけでなく、トラベルなどの宿泊流通、ブックス、ブックスネットワーク、Kobo(国内)、ゴルフ、ファッション、ドリームビジネス、ビューティ、Rakuten24などの日用品直販、Car、ラクマ、Rebates、楽天マート、楽天チケット、クロスボーダートレーディングなどの値を含んだものとなっている。

 

Yahoo!ショッピング 流通総額:1兆8,376億円(LINEショッピング等含む)

Yahoo!JAPANを経営するLINEヤフー株式会社決算説明会資料によると、2025年のYahoo!ショッピング関連事業の国内流通総額は前年比5.7%増1兆8,376億円となった。この流通総額には、Yahoo!ショッピング以外にも、「ZOZOTOWN」、「LOHACO」、「チャーム」、「LINEショッピング」、「LINE FRIENDS」、「LINEギフト」、「MySmartStore」、「Yahoo!マートby ASKUL」、「LIVEBUY」が含まれている。2024年8月13日から開始された「Yahoo!クイックマート」が2025年のQ2以降ショッピング事業の対象サービスに含まれ、また2025年のQ3では「MySmartStore」、「Yahoo!マートby ASKUL」、「LIVEBUY」が国内ショッピング事業対象サービスから除外されている。なお、eccLabの集計は2025年1月~12月の値となるため、LINEヤフー株式会社が発表している2025年度通期の値とは異なる。また、「LINEショッピング」は2024年8月20日から「LINEブランドカタログ」にサービス名称が変更されている

 

ecbeing 流通総額:1兆4,437億円(推測) 

ecbeingの公式サイトの記事によると、2023年の流通総額が1兆2,405億円となっており、2024年および2025年の流通総額については確認できなかった。そのためecclabでは、親会社であるソフトクリエイトホールディングスの決算短信資料p.4に記載されているECソリューション事業の売上高を参考に推計した。具体的には、2023年4月~2024年3月期と2025年4月~2026年3月期の同事業の売上高を比較し、その伸び率を2023年の流通総額に掛け合わせることで、2025年のecbeingの流通総額を1兆4,437億円と算出した。2024年の国内の流通総額が1兆2405億円のため、前年比16.4%増となった。

 

メルカリ 流通総額:1兆1667億円

フリマアプリ、メルカリ決算説明会資料によると、国内の2025年のメルカリの流通総額は1兆1667億円となった。2024年の国内の流通総額が1兆992億円のため、前年比6.1%増と昨年の約6.1%の成長率と比較すると同程度に成長を続けている。なお、eccLabの集計は2025年1月~12月の値となるため、メルカリ公式発表の2025年度通期の値とは異なっている。

 

ヤフオク! 流通総額:1兆681億円(ZOZOUSED、Yahoo!フリマ等含む)

LINEヤフー株式会社決算説明会資料によると、2025年のヤフオク!の国内流通総額は1兆681億円と前年比8.5%増だった。この流通総額にはヤフオク!以外にもYahoo!フリマ、ZOZOUSEDが含まれている。また、国内リユース事業の取扱高は、Yahoo!フリマの堅調な推移などを背景に前年を上回る結果となった。なお、eccLabの集計は2025年1月~12月の値となるため、LINEヤフー株式会社の公式発表の2025年度通期の値とは異なる。

 

ZOZOTOWN 流通総額:6,562億円

ZOZOTOWNを運営する株式会社ZOZO決算報告資料によると、2025年のZOZOTOWNの流通総額は6,562億円であった。2024年の流通総額が6,084億円のため、前年比7.9%増となる。また、この金額には受託販売、USED販売、BtoB事業、買取・製造販売、LINEヤフーコマース、その他が含まれている。なお、eccLabの集計は2025年1月~12月の値となるため、ZOZOTOWN公式発表の2025年度通期の値とは異なっている。

 

MakeShop 流通総額:3,804億円

MakeShop発表によると2025年のMakeShopの流通額は過去最高の3,804億円で、2024年の流通総額は3,428億円のため、前年比11.0%増となった。この金額は国内のECサイト構築SaaS業界において14年連続流通総額No.1となっている。この背景について、物価上昇下においても価格より付加価値を重視する「価値消費」の拡大や、定期購入による継続利用の増加による「消費のサブスク化」が進んだことが挙げられる。また、ID決済の普及や決済画面の改善など、購買体験の向上を支援する取り組みも流通額の成長に寄与した。

 

Qoo10 流通総額:3,000億円(推測)

Qoo10は、ここ数年で大きく運営母体が変わっていることもあり、流通総額は断片的な情報を組み合わせて推測するしかない状況が続いている。eccLabでは今回もQoo10の流通総額の推測を行う。2023年は「2023年も流通総額は2桁成長を実現している」という記事の記述や、「2022年から注力しているファッションECサイト「MOVE」も2023年は大きく成長し、流通総額は前年比4~5倍に伸びている」という記述を元に2,536億円と考察した。2024年は、「前年比で2桁以上の成長率となっている」との記事の記述があることから、前年比10.0%増の2,790億円と予測した。2025年は、「「Qoo10」の2025年度における国内流通総額は3000億円以上に達したと見られる」との記事の記述から、前年比7.5%増3,000億円と予測した。

 

カラーミーショップ 流通総額:2,099億円

GMOペパボ株式会社決算資料によると、2025年のカラーミーショップの流通額は2,099億円となった。2024年の流通額は2,000億円であったため、前年比5.0%増となった。

 

futureshop 流通総額:2,096億円

株式会社コマースOneホールディングスの決算報告によると、2025年のfutureshopの流通総額は、2,096億円となる。2024年の流通総額は2,043億円となるため、前年比2.6%増となる。なお、eccLabの集計は2025年1月~12月の値となるため、株式会社コマースOneホールディングスが発表している2025年度通期の値とは異なる。

 

BASE 流通総額:1,699億円

インスタントECを提供するBASE決算説明会資料によると、2025年のBASEの流通総額は1,699億円で、2024年の流通総額が1,542億円で前年比10.2%増となっていた。この背景として、年末商戦に合わせた販促支援により、2025年Q4のGMVが前年同四半期比で増加したことが挙げられる。また月間売店数や1ショップ当たり月間平均GMVも前年を上回る成長を続けている。

 

Creema 流通総額:148.8億円

ハンドメイドサイトCreema(クリーマ)を運営する株式会社クリーマ決算説明会資料によると、2025年のCreemaの流通総額は148.8億円で、2024年の流通総額が154.5億円のため前年比3.7%減となった。また、Creemaは2月期のため2025年の3月~2026年の2月の分を計上している。

 

イージーマイショップ 流通総額:128億円(推測)

イージーマイショップを運営する株式会社システムリサーチのプレスリリースの記事によると、2025年度(2025年4月から2026年3月)の流通総額は128億円である。昨年の流通総額が110億円(同サイトの記事より)であることから、前年比16.4%増となった。

 

minne 流通総額:104.3億円

ハンドメイドサイトminne(ミンネ)を運営するGMOペパボ株式会社決算説明会資料のp60によると、2025年のminneの流通総額は104.3億円。2024年の流通総額が115.5億円のため、前年比9.7%減となった。流通総額は前期比で減少していたが、「minne PLUS」では高度な分析やハッシュタグ設定を増やせる機能を追加し、新プランの導入による支援強化も行っている。

 

推測困難なその他のサービス

ここ数年伸長著しいLINEギフトだが、当記事内では、Yahoo!ショッピングの流通総額内に含む形で記載している。しかし、LINEギフト単体での流通総額については、LINEヤフーは、2028年度まで年率30%以上の成長を目指し、今後1〜2年以内に取扱高1,000億円以上を目標に掲げ、「令和お中元特集」では前年同期間比約156%の流通額を記録するなど、季節ギフトを中心に利用拡大が続いているものの、2025年通年での値は見当たらない。

また、2023年は掲載していたEC-CUBEについては、2100億円の流通総額が公表された後の動向を把握できる情報が無く、2025年の流通総額について推測困難とした。Commerble EC PaaSについても同様に2025年の動向が不明であり本記事では推測困難とした。

加えて、これまで値を掲載していたau PAY マーケット、楽天ラクマ、Eストアーショップサーブ、STORES、リピスト、おちゃのこネットについては、公開されている情報が全く無く、推測することも難しい状況のため、値の掲載を2025年については取りやめた。

 

 

海外27のECモール・カートの流通総額ランキング

 

続いては、海外の27の主力モール・カートサービスなどの2025年(1月~12月)の流通総額を見ていく。こちらも公表データだけでなく、eコマースコンバージョンラボ編集部による推測値も掲載し、流通総額が多い順に紹介していく。

 

Pinduoduo(拼多多/ピンドゥドゥ)流通総額:115兆9938億円(推測)

中国の上海に本拠地を置く共同購入システムのeコマースプラットフォームPinduoduoの流通総額は非公開となっているため、eccLabでは最新資料から推測を行う。Global Top Onlineの資料に「PDD Holding’s online platform leads the way with a GMV of roughly 780 billion U.S. dollars」といった記載があったことから前年比23.2%増、2025年の流通総額は7800億ドル(5兆6527億元)、2025年の平均為替レートを20.52円(三菱UFJリサーチ&コンサルティング調べ)とした場合(以降、中国元に対しては全てこの値を使用)、日本円換算で115兆9938億円と推測する。

 

Amazonグローバル 流通総額:95兆7,771億円(推測)

Amazon.comが公開している年次報告書の35ページによると、2025年のグローバルにおける売上高は7,169億2,400万ドルで前年比12.4%増となった。この値はEC事業以外も含む。EC事業のみで見ると(年次報告書48ページ)、2,962億6,600万ドルで前年比8.8%増となっている。

2025年の平均為替レートを148.71円(三菱UFJリサーチ&コンサルティング調べ)とした場合(以降、米国ドルに対しては全てこの値を使用)、日本円にして44兆577億円となる。この値も第三者が売主になるものが手数料10%程度しか計上されていないため、eccLabでは海外のマーケットプレイス割合は国内よりも多いことから60%と推定。このことから、グローバルでの2025年の流通総額は95兆7,771億円前年比8.8%増と推測する。

また、2025年の売上高を地域別に見ると、アメリカが4,896億5,700万ドル、ドイツが459億ドル、イギリスが432億1,200万ドル、日本が306億8800万ドル、その他の地域が1,074億6,700万ドルとなっており、昨年と同様、日本は世界で4番目の売上高を誇る規模になっている。また、本国米国の売上高は68.3%を占めている。

 

抖音(TikTok Shop中国版) 流通総額:90兆2,880億円

抖音は、2016年9月に正式にリリースされたサービスで、TikTokと同じく、中国のByteDance社が運営を行っている。公式に記載はなかったが、記事によると「Douyinの電子商取引のGMV(流通総額)は2025年に4兆4000億元に達し」と記載があり、日本円で90兆2,880億円となった。前年比は25.7%増となり、年初に掲げたGMV成長目標20%をはるかに上回った。

 

Taobao(淘宝网/タオバオ) 流通総額:86兆8,612億円(推測)

Alibabaグループは事業全体や売上高メインの情報公開となり、Taobao単体の流通総額が掲載されていないため、これまでの数値と最新資料を合わせた推測を行う。中国のニュースサイトによると「涛天(タオティエン)の電子商取引のGMV(流通総額)は2025年には約8兆3000億元に達し」との記載があることや、2026年公開の記事taobaoとTmallを合わせたGMVが8.3兆から9.5兆元との内容が記載されている。また、前年のecclabでの推測比率は2025年も大きく変化しないと予測し、ecclabではアリババ年間流通総額のうちTaobao占める流通総額の内訳はわずかにTmallを上回る51%程度と推測。ここから逆算し、Taobaoの2025年の流通総額はおよそ4兆2,330億人民元、日本円換算で86兆8,612億円と推測する。前年比は2.2%増となった。

 

Tmall(天猫) 流通総額:83兆4,548億円(推測)

Taobaoと同じ根拠から、アリババ年間流通総額のうち中国大手ショッピングモールTmall(天猫)占める流通総額の内訳は49%程度と推測。ここから逆算し、Tmallの2025年の流通総額は4兆670億人民元、日本円換算で83兆4,548億円と推測する。前年比は2.2%増となった。

 

JD.com(京東商城/ジンドン) 流通総額:82兆6,381億円(推測)

中国大手ショッピングモール京東商城(JD.com)京東全球購(JD Worldwide)などを運営するJD.comは、2021年の発表から流通総額の記載が無くなったため、資料を合わせた推測を行う。記事によると、2025年のJD.comのGMVは5,557億ドルと記載されており、この数値をそのまま推測値として使用すると、JD.comの2025年度の流通総額は5,557億ドルとなり、日本円換算で82兆6,381億円と推測する。2024年の流通総額は93兆2,400億円と推測していたため、前年比は10.5%減となった。

 

Shopify 流通総額:56兆2,780億円

北米大手ショッピングカートサービスShopifyが発表した年次報告書によると、Shopifyの2025年の年間流通総額は3,784億ドルとなり、日本円にすると56兆2780億円前年比29.5%増となっている。また、総収益は2024年と比較して30%増加して116億ドルとなっており、GMV成長率は2022年以降4年連続で上昇している。Shopify社長のハーレー・フィンケルスタイン氏は、2025年をAIコマースの新時代に向けた基盤を整えながら持続的な成長を推進した年と位置づけ、2026年には起業家や事業者の成長をさらに支援していく方針を示している。

 

Adobe Commerce(旧Magento) 流通総額:25兆7,268億円(推測)

米国ショッピングカートサービスMagentoの2025年の年間流通総額は、記事によると1,730億ドルで、昨年の流通総額が1550億ドルであることから、前年比は11.6%増となった。また、日本円にすると25兆7,268億円と推測した。Magentoは2008年にサービスを開始したのち2010年にeBayによって、2018年にはAdobeに買収されたことで提供元が2度変更になっている。

 

Shopee 流通総額:18兆9,457億円

シンガポールに本拠地を置くSeaが運営する、東南アジア地域を中心に普及しているC2CモールのShopeeの2025年の流通総額は、Seaの決算発表によると1274億ドルであった。これは日本円に換算すると18兆9,457億円で、2024年の流通総額が1005億ドルのため、前年比26.8%増となる。

 

eBay 流通総額:11兆8,373億円

米国eBay Inc. が発表した投資家向けリリースによると、eBayの2025年の流通総額は796億ドルで、日本円にして11兆8,373億円であった。2024年の流通総額が747億ドルのため、前年比6.56%増となっている。この背景として、リコマース領域での戦略実行を進めるとともに、AIを活用した出品支援や商品探索機能の拡充、ライブコマース「eBay Live」の展開などを通じて、顧客体験の向上と取引の活性化を図ったことが挙げられる。

 

AliExpress 流通総額:11兆3,763億円(推測)

アリババグループである越境ECプラットフォームのAliExpressの2025年流通総額は、記事によると、765億米ドルとなっており、その数値をそのまま推測値として使用すると日本円に換算して11兆3,763億円となった。昨年の流通総額が518億米ドルのため、前年比47.7%増となった。

 

Mercado Libre 流通総額:9兆6,717億円

アルゼンチンに本拠地を置き、中南米向けにECモールを展開するMercadoLibreの2025年の流通総額は、年次報告書Results Q4’25によると650億3700万ドルであった。これは日本円にすると9兆6,717億円となる。また、2024年の流通総額が514億7,000万ドルだったため、前年比26.4%増となっている。この背景として、送料無料の対象拡大や品ぞろえと購入体験の改善を進め、購入者数と購買頻度を伸ばしたことが挙げられる。

 

TikTok Shop(グローバル 中国以外)(推測) 流通総額:9兆5,621億円

グローバル(中国以外)のTikTok Shopは、2023年9月に正式にリリースされたサービスで、TikTokと同じく、中国のByteDance社が運営を行っている。公式に記載はなかったが、記事によると「TikTok Shopの全世界におけるGMV(流通総額)は、2025年には16の市場で643億米ドル(前年比+94%)に達し」と記載があり、日本円で9兆5,621億円となった。

 

GoTo(旧:Tokopedia) 流通総額:5兆4,162億円

インドネシアのスーパーアプリ「GoTo」を提供するGoTo Groupは、2021年5月にTokopediaGoJekが経営統合し設立された企業だ。年次報告書によると、2025年におけるGoTo Groupの流通総額は686兆ルピアであった。2025年の平均為替レートを0.0079円(三菱UFJリサーチ&コンサルティング調べ)とした場合(以降、インドネシアルピアに対しては全てこの値を使用)、日本円に換算して5兆4,162億円であった。昨年2024年の流通総額が538兆ルピアのため、前年比27.4%増となる。

 

Coupang 流通総額:5兆790億円(推測)

2010年に韓国で誕生した大手ECモールCoupangの2025年度の流通総額は、記事によると49兆1,197億ウォンとなっており、2025年の平均為替レートを10.34円(三菱UFJリサーチ&コンサルティング調べ)とした場合、日本円換算で5兆790億円、米ドル換算で341.5億ドル。2023年、2024年の流通総額はECDBのサイトから引用していたが、別の記事から引用すると、それぞれ310.8億ドル、399.2億ドルとなったため、前年比14.4%減となり、今後はこの数値を使用する。Coupangは韓国におけるAmazonのようなECサイトで、最短翌日に届くロケット配送を特徴としており、2021年6月には日本にも進出。ただし、2023年3月10日をもって日本国内でのサービスを終了している。

 

Flipkart 流通総額:4兆4,613億円(推測)

2018年にWalmartに買収されたインド最大手のECサイトでありインドのAmazonとも言われるFlipkartの2025年度の流通総額は、記事によると300億ドルと推測され、日本円で4兆4,613億円となった。昨年の流通総額が247億ドルのため、前年比21.5%増となる。

 

VIP唯品会 流通総額:4兆3,810億円

VIP唯品会投資家向け情報によると、中国大手のECモールであるVIP唯品会の2025年の流通総額は2,135億人民元、日本円に換算すると4兆3,810億円だった。昨年の流通総額が2,093億人民元のため、前年比2.01%増となる。

 

Zalando 流通総額:2兆9,413億円

ドイツに本拠地を置くオンラインアパレルサイトZalando発表によると、Zalandoの2025年の流通総額は175億6,020万ユーロとなり、2025年の平均為替レートを167.50円(三菱UFJリサーチ&コンサルティング調べ)とした場合、日本円に換算すると2兆9,413億円となり、前年比14.7%増となる。なお、昨年の流通総額は152億9,620万ユーロから153億1,130万ユーロへと修正がなされた。

 

Lazada 流通総額:2兆6,545億円(推測)

シンガポールに拠点を置くアリババ傘下のモールLazadaは、インドネシア、マレーシア、フィリピン、シンガポール、タイ、ベトナムの東南アジア6カ国を中心に展開するECプラットフォームである。Lazada単体の2025年流通総額は公式には公表されていないため、eccLabではMomentum Worksの東南アジアEC市場データをもとに推計した。記事によると、2025年の東南アジアにおけるプラットフォームECのGMVは1,576億ドルで、Shopee、Lazada、TikTok Shopの上位3社が98.8%を占めた。また、2026年の記事によると、東南アジア地域におけるShopeeのGMVは832億ドル、TikTok ShopとTokopediaの合計GMVはShopeeの65.7%相当とされている。これらをもとに逆算すると、Lazadaの2025年の流通総額は178億5,000万ドルとなる。日本円で換算すると2兆6,545億円となり、昨年の流通総額が326億9800万ドルのため、前年比45.4%減となる。前年と計算方法を変えているため、前年比あくまで参考数値としていただきたい。

 

allegro 流通総額:2兆5,696億円

ポーランドを本拠地として欧州で展開するモールallegroの2025年の流通総額は、results presentationの28ページによると664億1,600万ズロチであった。2025年の平均為替レートを38.69円(三菱UFJリサーチ&コンサルティング調べ)とした場合、日本円にして2兆5,696億円となった。昨年の流通総額が639億6,900万ズロチのため、前年比3.8%増となる。

 

Trendyol 流通総額:2兆833億円(推測)

トルコを本拠地として中東地域に展開するモールTrendyolの流通総額は、記事によると140億900万米ドルとなっており、その数値をそのまま推測値として使用すると、2025年の流通総額は日本円換算で2兆833億円となった。昨年の流通総額108億2,100万米ドルのため、前年比29.5%増となる。

 

Vinted 流通総額:1兆8,091億円

UABグループの衣料品やアクセサリーなどの売買や交換を行うリトアニアのオンラインマーケットプレイス、Vintedのを運営するVinted Groupの発表によると、2025年の流通総額は108億ユーロであった。2025年の平均為替レートを167.50円(三菱UFJリサーチ&コンサルティング調べ)とした場合、日本円にすると1兆8,091億円となった。なお、昨年の記事では2024年の流通総額を125億ドルと推測していたが、2025年の流通総額が前年比47%増と発表されていることから、2024年の流通総額を82.75億ドルに修正したため、前年比47%増となる。

 

Etsy 流通総額:1兆7,722億円

米国ハンドメイドマーケットプレイスEtsy決算発表によると、Etsyの2025年の流通総額は119億1690万ドルとなり、日本円にすると1兆7,722億円となった。昨年の流通総額が125億8,695万ドルのため、前年比5.32%減となる。また、この値にはEtsy以外にも「Reverb、Depop、Elo7」の3サービスが含まれている。

 

Gmarket 流通総額:1兆5,510億円(推測)

韓国最大のショッピングモールGmaketの流通総額は、記事によると15兆ウォンとなっており、その値をそのまま推測値として使用すると、2025年の流通総額は日本円にして1兆5,510億円である。2025年の平均為替レートを10.34円(三菱UFJリサーチ&コンサルティング調べ)とした場合、前年比61.4%増となった。また、サービス開始時の運営会社はGmarketであったが、2009年にeBay社の子会社となり、現在の運用はeBay Korea社によって行われている。

 

Tokopedia 流通総額:1兆3,473億円(推測)

インドネシアのECプラットフォームTokopediaの2025年の流通総額は公式には公表されていない。Momentum WorksのレポートをもとにしたBusiness Timesの報道では、2025年の東南アジアにおけるShopeeのGMVは832億ドル、TikTok ShopのGMVは456億ドル、TikTok ShopとTokopediaの合計GMVはShopeeの65.7%相当とされている。これをもとに逆算すると、Tokopediaの2025年の流通総額は90.6億ドルとなる。日本円に換算すると1兆3,473億円となった。

 

蘇寧易購 流通総額:1兆2,080億円(推測)

中国大手のECモールである蘇寧易購の2025年の流通総額は、公式ではGMVについての記載がなくなっている。記事によると、2025年の蘇寧易購のGMVは81億2300万ドルと記載されており、この数値をそのまま推測値として使用すると、2025年の流通総額は81億2300万ドルとなり、日本円換算で1兆2,080億円と推測する。2024年の流通総額は3兆3,214億円と推測していたため、前年比は63.28%減となった。

 

Hepsiburada 流通総額:3,373億円

トルコを本拠地として中東で広く展開するショッピングモールであるHepusiburadaの2025年流通総額は決算報告書によると2,575億トルコリラとなり、前年比4.29%増となる。2025年の平均レートを1.31円(三菱UFJリサーチ&コンサルティング調べ)とした場合、日本円にして3,373億円だった。2024年の流通総額の値が1,886億トルコリラから2,469億トルコリラに遡及修正されている。流通総額自体は増えているものの、為替の影響で日本円での流通総額は減少している。

 

推測困難なその他のサービス 

シンガポールに本社を構えるECサイト構築サービスSHOPLINE、インドの大手ECサイトでありソフトバンクやアリババが出資していることでも知られるSnapdeal、トルコを本拠地として中東地域に展開するモールのn11、CtoCモールを筆頭にBtoBやBtoCなども展開するインドネシアの企業Bukalapakはいずれも流通総額を公表しておらず、推測するための情報も存在していない。Amazonが親会社となっているアラブ世界最大のECモールSouqは今年も推測するための情報が見つからず掲載を見送った。また昨年まで掲載していた米国ショッピングカートサービスSquarespaceは2024年10月17日にPermiraに買収されたことが発表されており、2025年の年間流通総額に関する情報が見当たらなかった。

 

 

国内15・海外27の各主力プレイヤーの流通総額ランキングから見る市場トレンド

 

国内15サービス、海外27サービスの流通総額を紹介してきたが、ここで全てのサービスを流通総額順に並べてみる。

 

国内14・海外26の各主力プレイヤーの2024年流通総額ランキング

※ダウンロードファイルに上記の高解像度グラフ画像も含まれます。

2025年は、前年に初めて首位に立ったPinduoduoが前年比23.2%増と引き続き高い成長を記録し、流通総額は約116兆円と調査対象サービスで初めて100兆円を突破した。一方、前年に3番手へ後退したAmazonも前年比30.1%増と大きく成長し、約96兆円まで流通総額を伸ばしたことで2位に返り咲いている。さらに、抖音(Douyin)が前年比25.7%増の約90兆円まで急成長し、前年2位であったJD.comを抜いて3番手に浮上した。Taobao・Tmallはそれぞれ約87兆円、83兆円と前年から小幅な成長にとどまったものの4・5番手を維持し、一方のJD.comは前年比10.5%減の約83兆円となり6番手まで順位を落としている。上位6サービスのうち5サービスを中国系サービスが占める構図は変わらないものの、Amazonの再浮上や抖音の急成長、JD.comの後退など順位の入れ替わりも激しく、世界最大級のECモール間の競争は一層激しくなっている。

また、世界的にサービスを展開するカート・PKGサービスでは、Shopifyが前年比29.5%増の約56兆円、Adobe Commerceが前年比11.6%増の約26兆円となり、それぞれ7・8番手に続いている。さらにShopeeが約19兆円、eBayが約12兆円、AliExpressが約11兆円となっており、2025年はここまでの11サービスが流通総額10兆円を突破した。加えて、南米を中心に展開するMercadoLibreが前年比26.4%増の約9.7兆円、TikTok Shopも約9.6兆円と10兆円目前まで規模を拡大しており、今後は10兆円を超えるグローバルサービスがさらに増えていくことも予想される。

その次に位置するAmazon Japanも前年比10.6%増の約9.0兆円と堅調な成長を続けているものの、2025年はMercadoLibreやTikTok ShopがAmazon Japanを上回る規模にまで成長した。さらに、日本市場でAmazon Japanに次ぐ楽天市場は、前年のマイナス成長から一転して前年比3.9%増の約6.3兆円とプラス成長へ回復している。ただし、海外ではMercadoLibreやTikTok Shopをはじめとする新興サービスが2桁成長を続けていることを踏まえると、日本の主要ECサービスの成長率は相対的には緩やかなものとなっている。国内市場が再び成長基調に転じつつある一方で、世界市場との差が今後さらに広がっていく可能性については引き続き注視する必要があるだろう。

 

 

続いてサービス形態別に見てみよう。

 

世界のマーケットプレイス(C2C)型の流通総額ランキング

まずは、マーケットプレイス(C2C)型の流通総額を見ていく。

※ダウンロードファイルに上記の高解像度グラフ画像も含まれます。

マーケットプレイス型のサービスは、2025年においても多くのサービスが成長を続けている。特に中国の抖音(Douyin)は前年比約26%増の約90兆円となり、Taobaoを上回って首位となった。一方、前年まで首位であったTaobaoも約87兆円と前年を上回ったものの、成長率は約2%にとどまっており、両サービスの順位が入れ替わる結果となった。続くShopeeも前年比約27%増の約19兆円と高い成長率を記録しているが、上位2サービスとは依然として大きな開きがある。また、eBayは前年比約7%増と2年連続でプラス成長となり、AliExpressは前年比約48%増と大きく流通総額を伸ばした。GoToやVintedも2桁成長となるなど、上位以外のマーケットプレイスにも成長が目立っている。一方、Coupangは前年比約34%減、Etsyは約5%減となったほか、日本のcreema、minneも前年に引き続きマイナス成長となった。

なお、2025年版では中国国内を中心に展開する抖音(Douyin)と、海外市場を中心に展開するTikTok Shopを分けて集計している。TikTok Shop単体の流通総額は約9.6兆円となっており、Shopee、eBay、AliExpressに続く規模となった。前年までTikTok Shopとして集計していた数値との単純比較はできないものの、抖音とTikTok Shopを合わせたByteDance系のECサービスが世界のマーケットプレイス市場において大きな存在感を持っていることに変わりはない。

数字上では、2025年は抖音がTaobaoを抜き首位となり、中国系サービスが引き続き圧倒的な規模を維持している。昨年同様にAmazonの流通総額の6割がマーケットプレイス型によるものとして計算すると約57兆円となり、抖音、Taobaoに続く3位に位置することになる。Amazonも前年比約30%と高い成長を記録しているものの、抖音とTaobaoはいずれもAmazonのマーケットプレイス部分を30兆円近く上回っている。一方で、ShopeeやAliExpressなども2桁を中心とした高い成長を続けており、上位サービスだけでなくその後を追うグローバルマーケットプレイスの規模も拡大している。今後は首位に浮上した抖音が成長を維持できるのか、Taobaoが再び首位を取り戻すのかに加え、TikTok Shopが海外市場でどこまで規模を拡大できるのかについても注目していきたい。

 

世界のECモールの流通総額ランキング

次にモール型サービスの流通総額を見ていく。

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ECモールの流通総額では、2025年もPinduoduo、Amazonグローバル、Tmall、JD.comの4サービスが他を大きく引き離している。ただし4強内では再び順位が変動し、前年比約30%増と大きく成長したAmazonグローバルが2位に浮上した一方、JD.comは約10%のマイナス成長となり4位まで後退した。首位のPinduoduoも前年比約23%増と高い成長を維持し、流通総額は約116兆円と初めて100兆円を突破している。一方、Tmallは約2%の成長にとどまっており、上位サービスの中でも成長率に差が見られる結果となった。

日本市場では、前年にマイナス成長へ転じた楽天市場が前年比約4%増とプラス成長に回復したほか、Amazon Japanも約11%増と引き続き成長している。国内市場には持ち直しの動きが見られるものの、PinduoduoやAmazonグローバルなど世界上位のサービスと比較すると成長率、流通総額ともに大きな差がある状況は変わらない。

また、5位以下のモールではMercadoLibre、Flipkart、Trendyol、G-Marketの4サービスが20%以上の成長率を記録する一方、Lazada、蘇寧易購は大幅なマイナス成長となるなど明暗が分かれた。特にMercadoLibreは約26%増によって10兆円目前まで規模を拡大しており、上位4サービスを追う存在として成長を続けている。流通総額1兆円を超えるモールは16サービスとなり、上位だけでなく中堅モールにも規模拡大の動きが見られる。

 

世界のショッピングカート・PKGの流通総額ランキング

次にショッピングカートASPサービス、及びECパッケージ(PKG)の流通総額を見ていく。

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自社サイトを展開する際に利用されるカートやパッケージ、クラウドサービスのカテゴリでは、2025年もShopifyが1位、次いでAdobe Commerceとなり、3位以下のサービスを大きく引き離している。特にShopifyは前年比約30%増の約56兆円まで流通総額を伸ばしており、Adobe Commerceとの差もさらに拡大した。一方、世界的に展開するSHOPLINEやSquarespace、Salesforce Commerce Cloudなど、流通総額が大きいと考えられるサービスでは依然としてデータが公表されていないものも多く、これらを含めるとランキングの構成は大きく変わる可能性がある。

日本のサービスでは、ecbeingが前年の停滞から再び成長し、国内サービスでは引き続き最大規模を維持している。また、MakeShopは2桁成長を記録し、BASEも前年に続いて高い成長率を維持したほか、futureshopやカラーミーショップもプラス成長となるなど、国内のカート・PKG市場にも拡大の動きが見られる。ただし、グローバルで急成長を続けるShopifyとの規模の差は依然として大きい。Shopifyは日本市場のみの流通総額を公開していないため正確な比較はできないものの、日本国内でも最大規模のサービスとなっている可能性は高いと考えられる。

 

 

2025年のECモール・カート・アプリの流通総額の総括

 

2025年も世界のEC市場では複数のランキング変動が起こった。前年にAmazonグローバルを抜いて首位となったPinduoduoは、流通総額を約116兆円まで伸ばし首位を維持した。一方、AmazonグローバルはJD.comの減速が影響し前年の3位から2位へ返り咲いた。また、2025年は中国国内の抖音(Douyin)と海外向けのTikTok Shopを分けて集計しており、抖音は3位となった。Taobao、Tmallがそれに続く一方、前年2位だったJD.comはマイナス成長となり6位まで後退するなど、世界上位の勢力図は再び大きく変化している。また、Shopifyは約30%増、Shopee、MercadoLibreも20%を超える成長となったほか、AliExpressは大幅に規模を拡大し、流通総額10兆円を突破した。

国内では、前年に2014年以来初のマイナス成長となった楽天市場がプラス成長へ回復したほか、Amazon Japanも2桁成長を記録した。Yahoo!ショッピングやメルカリも引き続き成長し、Yahoo!オークションは再び流通総額1兆円を超えている。カート・PKGサービスでもecbeing、MakeShop、BASEが2桁成長となり、futureshopやカラーミーショップもプラス成長を維持した。前年まで見られていた国内EC市場の停滞には一定の持ち直しが見られるものの、世界の主要サービスと比較すると成長率は依然として緩やかである。

一方、各地域のサービスを見ると成長には大きな差が生じている。東南アジアではShopeeやGoToが高い成長率を記録する一方、Lazadaは大幅なマイナス成長となった。南米のMercadoLibreや中東のTrendyolは引き続き高い成長を続けており、地域を代表するサービスとして存在感を増している。また、中国市場でもPinduoduoや抖音が急成長する一方でJD.comや蘇寧易購はマイナスとなっており、中国市場全体が一様に拡大しているわけではなく、サービス間で明暗が分かれる結果となった。

 

2025年のもうひとつの論点:AIがGMVの成長ドライバーへ

2025年のランキングを俯瞰すると、上位サービスが成長要因として「AI」を挙げ始めた点も見逃せない。ShopifyはGMVの2桁成長を、AIコマースの新時代に向けた基盤整備の成果と位置づけ、eBayもAIを活用した出品支援や商品探索機能の拡充、ライブコマース「eBay Live」やリコマース領域の強化を通じて取引を活性化させたと説明している。これまで流通総額の伸びを牽引してきたのは、モール間の送客競争や品揃えの拡大、越境・ソーシャルコマースといった「チャネルの拡張」であった。しかし2025年以降は、出品・検索・レコメンド・接客といったEC体験そのものをAIが最適化することで積み上がる流通、という新しい成長の型が各社の説明に共通して現れ始めている。

さらにその先には、消費者に代わってAIエージェントが商品を比較・購入する「エージェント型コマース」や、検索の起点が従来の検索エンジンから生成AIの回答へと移る「AI検索(LLMO)」への対応という論点が控えている。流通の入口が「モールの回遊」や「キーワード検索」から「AIとの対話・AIによる推薦」へ移るとき、巨大モールが握ってきた送客の主導権がどう変化するのかは、今後の勢力図を左右する最大の変数となり得る。2026年以降は、単純な流通総額の大小だけでなく、各サービスがAIをどこまで自社の購買体験に組み込めているかという観点からも、市場の動向を追っていきたい。

 

 

世界のEC市場は、Pinduoduo、Amazon、抖音をはじめとする巨大サービスが規模を拡大する一方、AliExpressやShopee、MercadoLibreなどその後を追うサービスも高い成長を続けている。加えて、海外向けTikTok Shopも拡大しており、今後さらに上位へ食い込む可能性がある。国内市場には回復の兆しが見られるものの、世界市場の成長速度との差もより鮮明になりつつある。今後もこうした各地域・各サービスの成長速度の違いが現在の勢力図をどのように変えていくのかに注目し、引き続き調査を行っていきたい。

 

 

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【付録】推計ロジックと為替前提

※公表値のあるサービスは実数、以下は推計値の算出根拠。

サービス 区分 推計方法 主な前提・出典
Amazon(国内) 売上→GMV逆算 日本事業売上高にMP割合を仮定して逆算 MP割合55%
Amazon(グローバル) 売上→GMV逆算 EC売上高にMP割合を仮定して逆算 MP割合60%(年により変動)
Pinduoduo 外部GMV採用 外部資料のGMVを採用 約7,800億ドル(5兆6,527億元)
抖音 外部GMV採用 外部記事のGMVを採用 4.4兆元
Taobao 占有率で逆算 アリババ年間GMVに占有率を乗じ逆算 占有率51%
Tmall 占有率で逆算 同上 占有率49%
JD.com 外部GMV採用 外部記事のGMVを採用 5,557億ドル
Adobe Commerce 外部GMV採用 外部記事のGMVを採用 1,730億ドル
AliExpress 外部GMV採用 外部記事のGMVを採用 765億ドル
TikTok Shop(グローバル) 外部GMV採用 外部記事のGMVを採用 643億ドル(16市場)
Coupang 外部GMV採用 外部記事のGMVを採用(基準刷新) ≒341.5億ドル/2024年基準を399.2億ドルに変更
Flipkart 外部GMV採用 外部記事のGMVを採用 300億ドル
Lazada 市場シェアから逆算 Momentum Worksの東南アジアECデータから逆算 178.5億ドル
Tokopedia 市場シェアから逆算 同上(Business Times報道) 90.6億ドル
蘇寧易購 外部GMV採用 外部記事のGMVを採用 81.23億ドル
Gmarket 外部GMV採用 外部記事のGMVを採用 15兆ウォン(≒104.3億ドル)
Trendyol 外部GMV採用 外部記事のGMVを採用 140.09億ドル
ecbeing 関連事業から推計 親会社ECソリューション事業売上高の伸び率を2023年GMVに乗算 2023年GMV 1兆2,405億円起点
Qoo10 断片情報から推定 報道の断片から前年比を推定 「3,000億円以上」報道→前年比7.5%増
イージーマイショップ 発表値採用 プレスの年度流通総額を採用 2025年度 128億円

為替前提(2025年平均・三菱UFJリサーチ&コンサルティング調べ):米ドル148.71円/中国元20.52円/韓国ウォン10.34円(100ウォン)/インドネシアルピア0.0079円/ユーロ167.50円/ポーランドズロチ38.69円/トルコリラ1.31円