「ITによりビジネスをより簡単に」をミッションに掲げる株式会社コマースロボティクスは、クラウドですべての物流業務を依頼できる「サイバーロジ」の物流パートナーとして、2023年10月2日、SBSグループと業務提携した。
これにより、サイバーロジのシステム提供は株式会社コマースロボティクス、物流サービス提供はSBSグループという座組で高品質で安定した物流サービスの提供が行える。
業務提携の背景
EC業界にもクラウド化、自動化の波が押し寄せており、すでに大手モールを中心に物流プラットフォームの時代に入っているが、複数モール出店やD2C、定期通販、冷凍・冷蔵通販などにフィットしたEC全般に対応の独立系「物流プラットフォーム」はなかった。また、そのような状況下で、中小倉庫の空きスペースを倉庫シェアリングで束ねるという考え方もあったものの、「物流品質の担保」「安定した送料タリフ確保」「スペース・人員の拡張性」の視点から、大手物流との業務提携がベストと判断し、今回の2社が協業するに至った。今後2社は、大手モールのフルフィルメントサービスと同等レベルの本格的な完全自動型の物流プラットフォームの提供を目指していく。
「サイバーロジ協業」 で出来ること3点
API連携はもちろん、販売可能在庫の自動共有、倉庫への入荷在庫値のカート在庫への自動反映、RPAによる自動受注処理、出荷完了メール自動送信など圧倒的な自動化機能を提供可能。
EC物流専用倉庫のみ活用するため、安心の物流品質であることに加え、EC事業者の事業成長しても倉庫スペースの拡張性も問題なく、仮に大規模に事業が拡大した場合でも、3PL契約への移行も可能となっている。
サイバーロジは、荷主であるEC事業者と倉庫運営会社との直接契約のため、大手企業などの顧客も安心して利用でき、物流業務に関する問合せは、倉庫会社と直接連絡を取ることができる。
各成長フェーズでの最適化(スタートアップフェーズと事業拡大フェーズ)
スタートアップフェーズは、「受注処理」から「物流業務」までのアウトソーシングすることで、非戦略業務に社員の工数をかけずに最小の人数でEC事業の立ち上げが可能となり、EC事業失敗の確率を低減することが可能となる。さらに、「コールセンターアウトソーシング」を活用すれば、より戦略的業務に集中ができる。
一方、事業拡大フェーズでは、PLの改善だけでなく、BSやキャッシュフローの改善が必要となる他、BSやキャッシュフローには、適正在庫管理などのSCM理論の実践が不可欠となっている。しかしながら、EC事業者にとって難解なSCM理論の習得にかけられる時間は限られていることから、サイバーロジは、「EOSサービスオプション」を装備した。このサービスを活用することで、 BSやキャッシュフローの改善だけでなく発注業務の工数を大幅に削減できる他、発注理論を活用して、在庫最適化によりBSやキャッシュフロー改善も可能となる。
小規模物流も対応(仮想荷主グルーピング・帳票印刷の完全自動化)
一般的に3PL企業(倉庫運営会社)は、物流効率、採算性が悪いため、これまで小規模荷主の物流案件を引き受けられなかった。しかし、サイバーロジは、技術を活用し、小規模物流案件の物流生産性の向上に成功した。
サイバーロジの技術1つ目は、小規模荷主を1つの仮想荷主にグルーピングすることで、小規模荷主は、入出荷作業や帳票印刷の段取り替えの手間などで生産効率が著しく低くなり受託が困難だったが、複数を荷主を仮想1荷主にグルーピングすることで、中規模の荷主に変更して作業が可能となる。
物流現場の帳票印刷業務は、現場の生産性低下の原因となっており、帳票印刷を自動化することで、事務処理工数が少なくなり、同時に現場作業員の待ち時間も無くなった。さらに、「オートプリント」という技術を開発することで、帳票印刷の完全自動化に成功し、小規模荷主への対応が可能となった。
物流費の請求業務は、最も悩ませる属人的な作業で、多数の小規模荷主の物流業務を受託できない理由の一つとなっていた。そこで、Billingと電子請求書発行システム「DX請求」の開発で、請求業務の自動化が可能になったことに加え、電子請求システムは、電帳法およびインボイス制度にも対応している。
サイバーロジの今後
物流事業を拡大するには、物流センターインフラの作業員の確保がかかせないが、サイバーロジは、国内外に700か所以上あるSBSホールディングスの物流拠点を活用できるため、FBAやRSLに匹敵する規模の拡大が可能となる。また、SBSグループが24年春に開設する約33,000平方メートルにも及ぶEC専用物流倉庫とも連携する予定しており、大手モール系物流プラットフォームがカバーできない顧客領域に対して、高品質な物流サービスを提供していく予定だ。
株式会社コマースロボティクスの概要
株式会社コマースロボティクスは、EC運営の受注処理から物流、発注までを自動化する物流プラットフォーム「サイバーロジ」サービスの開発をおこなった。また、EC運営者がクラウドから手軽に利用でき、SCM理論を活用して、PL、BS、CFを改善し、事業を加速できるサービスを提供している。今後、ECやDX活用をさらに手軽に利用できる社会を目指していくとのこと。