マーケットプレイスにおける成功の指標として、販売事業者はもはや売上高ではなく、生み出される収益を重視するようになっている。成功を測る最重要指標が、売上高から利益率へ遷移。また、過去1年間で、新たに2つまたは3つのマーケットプレイスに参入した販売事業者は、全体の半数近く(49%)に上る。
これは、ChannelEngineの「Marketplace Seller Trends Report 2026(2026年版マーケットプレイス販売事業者トレンドレポート)」によるものだ。国際的なマーケットプレイス・インテグレーターである同社は、欧州の3大eコマース市場(英国、ドイツ、フランス)を含む5つの市場における調査結果を提示している。同レポートでは、米国およびChannelEngineの本拠地であるオランダも対象としており、550名以上のeコマース分野の意思決定者を対象に調査が行われた。
より多くのマーケットプレイスへ
販売者が事業を展開するプラットフォーム数の平均は、増加し続けている。販売者の半数近く(49%)が、過去1年間で新たに2、3件のマーケットプレイスを追加した。また、7つ以上のプラットフォームを利用する企業の割合は、34%から39%へと拡大した。
とはいえ、eコマース企業にとって、マーケットプレイスにおけるプレゼンスを拡大することは、かつてほど重要ではなくなっている。販売業者の優先順位リストにおいて、その重要度は昨年の4位から今年は8位へと低下した。

AIの導入
本レポートには、AIの急速な台頭がはっきりと反映されている。「マーケットプレイスの運営改善に向けたAIの導入」は、販売者にとって最大の優先事項であり、回答者の26%がこれを挙げた。この新たな指標は、「収益性の向上」(25%)をわずかに上回る結果だった。販売者が挙げた優先事項の上位10項目は以下の通りだ。

回答者の大多数(82%)が、マーケットプレイスの運営においてAIを導入済み、あるいは導入を検討している。ChannelEngineによると、現時点での導入状況は「抜本的な変革をもたらすものというよりは、あくまで業務を支援するもの」にとどまっている。導入の最大の障壁となっているのは、リスク、管理、そして信頼性に関する懸念である。この点において、英国の市場は最も先進的である一方、ドイツのそれは最も遅れているといえるだろう。
収益性の高い成長へ
ChannelEngineのCEO、Jorrit Steinz氏は、EC企業が売上高よりも利益率に重点を置くようになっていると指摘。
同氏は、5社中3社が依然として手作業や部分的な自動化に大きく依存しているという同社の調査結果を挙げている。
「運用コストが収益の大部分を食い尽くしてしまう」
Steinz氏は、利益率を向上させるために、運営コスト削減の重要性を強調している。「事業拡大やAIへの投資を収益性の高い成長へとつなげるには、データの連携と業務の自動化が不可欠となるだろう」。
TikTok Shop
この調査によると、TikTok Shopは販売チャネルとしてすでに定着しており、企業の55%が国内外で同プラットフォームを活用しているという。英国が先行しているが、同国は調査対象となった他のどの市場よりも早く、TikTok Shopが導入されたことも背景にある。
「実験的な取り組みというよりは、不可欠なもの」
ChannelEngineによると、欧州全域を網羅するマーケットプレイスへと拡大を続けるTikTok Shopでの販売は、今後も定着していく見通しだ。「TikTok Shopが各市場へ拡大するにつれ、ソーシャルコマースは単なる実験的な取り組みから、マーケットプレイスに不可欠な要素へと変化しつつある」。
※当記事は欧州メディア「Ecommerce News Europe」の9/24公開の記事を翻訳・補足したものです。