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ECサイトを運営する人材を強化せよ! - 人材不足に陥るEC業界向けの地道な取り組み

ECサイトを運営する人材を強化せよ! - 人材不足に陥るEC業界向けの地道な取り組み

人材
2016/03/15

ECサイトを運営する人材を強化せよ! - 人材不足に陥るEC業界向けの地道な取り組み

 

※この記事は2018/7/10に最新情報に更新しました。

eコマースというオンラインでモノを購入出来る仕組みが世に出て20年強。今では国内に180万とも言われるECサイト・ネットショップがひしめき合っている状態だ。しかし、この急速な店舗数の拡大と相反し、ECサイト・ネットショップを運営するためのスキルとノウハウを持った人材は不足する一方だ。株式会社アドブレイブのデータによると2014年と比べ2015年の求人数は4.4倍となるなど、人材不足はデータ面からも確認されている。今回はそのような人材不足を解消するべく、ECサイト事業者向けに人材の派遣・紹介などを行っているサービスを見ていく。

 

 

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<参考>

優秀な人材をどのようにECサイト運営担当者として育成し戦力と変えるか

EC事業会社に転職する際の重要な3つのスキルと注意点

 

 

そもそもなぜEC業界は人材不足に陥っているのか

 

そもそもなぜEC業界ではECサイトを運営する人材が不足しているのか。これは業界を俯瞰的に見ていく必要があるが、その原因は3点あると考えられる。1点目は、前述したように急速に拡大する店舗数により、単純に絶対数が足りなくなっているという状態であること。10年前・20年前と比較して数万人~数十万人規模で必要絶対数が増えたことは大きな要因だろう。2点目は幅広い業務を高いレベルでこなすことが求められる点。ECサイト運営は、商品企画からサイト設計、集客施策、商品写真撮影、画像加工、キャッチ作成、顧客対応、在庫管理などきりがないほどの業務の幅を求められ、かつそれぞれをかなりハイレベルでこなす必要があるのだ。このような人材はそうは多くは存在しないため、少人数で運営をしている店舗においては一人が複数の役割をこなす必要があり人材への要求が高くなり、多人数で運営している店舗においては、個別の業務領域への要求が高くなりがちのため人材が不足している状態となるのだ。3点目は、2点目とも関係するが、そのような人材の社内での評価制度が未整備であることや、市場全体でのスキルに対する給与などの報酬が低く、認知が低いことが挙げられる。医者、弁護士などはもちろん、一般的に認知されている美容師、調理師などより圧倒的に認知が低く、市場での資格制度などの整備も追いついていない状況だ。そのためそのようなスキルを持った職種を目指そうという意識を持つ人材を育てることがなかなか進まない状況となっているため人材が不足しているといえる。

それでは、そのような市場環境において、人材ニーズを持つECサイト事業者に対して人材紹介・派遣を行っているサービスを見ていく。

 

<参考>

ECをオンラインで学ぶ - schoo(スクー)、ECキャンパス、マナビトオンラインがEC事業者へ提供する恩恵

厳選3選!eコマースを学びたい時に役立つ資格・検定を徹底比較

 

 

EC通販求人転職エージェント

 

EC通販求人転職エージェントは通販業界の企業及び求人に特化した企業開拓を実施しており、各通販会社の経営者とのネットワーク強化をしていることで、同社でしか知りえない非公開求人を多数抱えている。それら業界専門のネットワークを活用しているため、他の転職エージェント様とは異なる独自の求人案件の紹介が可能となっている。また、業界に精通した専任のキャリアアドバイザーが最適なキャリアプランから円満退社のための手続きのアドバイスまで、トータルで支援してもらうことが出来る。

EC通販求人転職エージェントは2014年からECに特化した人材の紹介を始めたが、大手アパレルメーカーの戦略子会社の執行役員や小売流通系企業のEC責任者、有名アパレルブランドの担当者など、多くの実績と成功事例がある。

 

 

通販天職

 

株式会社ジェネシスが運営する通販天職は、スタッフがECの専門的な職務内容を経験したことのあるコンサルタントのみで構成されている。募集の背景・社風・求める人物像など、業界一般応募では得られない、業界の動向を深く理解している専門家ならではの情報を可能な限り提供している。

ECサイト運営管理、バイヤー/MD、営業、コールセンター、クリエイティブ、フルフィルメント、マーケティング、CRMなどのあらゆる職種をカバーし、ベンチャーから外資系まで様々な企業規模に対応している。

また、求人情報だけではなく、求職者向けのお役立ち情報の発信も積極的に行っているので参考としてみるのも良いだろう。

 

 

楽天 仕事紹介

 

楽天は、楽天市場を運営するための求人情報を掲載する楽天 仕事紹介を運営している。

仕事を探している人は、職種・勤務地・雇用形態・仕事内容や募集条件などから、自分の希望に合った仕事を探すことができる。一般的な求人サイトを同じく、検索をして気になる企業を見つけ、「求人情報を見る」をクリックすることで、企業の募集要項や選考方法などの詳細を見ることができる。

 

 

ネットショップ総研

 

ネットショッピング運営代行・ECコンサルティング業務を行っているネットショップ総研では、独自の人材研修プログラムに沿った、EC系人材の育成を行っている。

ネットショップ総研の人材育成プログラムにはEC事業者や教育機関の教師向けのもの、各種団体の講習会向けのものなど、様々なコースがある。プログラムには基礎・実践・応用など、いくつかの段階を踏みながらECについて学ぶことができる。

ネットショップ総研では、依頼内容を最初にヒアリングし事前に審査。ここで事業者にとって利益になるかを審査している。利益が見込まれない場合については、断る場合もある。審査はヒアリングがすべて終了してから、最低10営業日(約2週間)。

また無料お試し研修制度もあり、研修はどんな内容で行われているのか、自分の企業に合った研修かどうかを判断するのにちょうどいい。無料お試し研修を希望する企業1社につき1回、約2時間のプログラムとなっている。この研修についても、事前に簡単なメールヒアリングを行っている。

 

 

サポタント 

 

サポタントは企業のニーズに応えた人材の派遣・紹介を行っている。

サポタントの人材派遣は、フルタイムでの勤務はもちろん、週1からの派遣や、1日4時間ほどの時短での派遣も行っている。在宅派遣も可能で、その場合はスタッフは契約された就業時間に基本的には自身のパソコンで業務を行い、指示や進捗・完了の報告はメールや電話などで行う。また、WEBモバイル業務で幹部や社員の採用をしたい、人材の確保がうまくいっていない企業には人材紹介をしている。

働きを見てから雇用をしたいという企業には、紹介予定派遣がいいだろう。労働派遣契約期間中の業務状況を見て、企業・スタッフ双方の希望があれば、直接雇用(正社員や契約社員など)となる。派遣期間は最長6か月。企業が派遣期間中にスタッフの技能や性格を、スタッフは働く環境や希望に合った企業かを事前に知ることができ、双方にメリットがあるといえる。

サポタントでは、ウェブタントというWeb・IT業界向けのお仕事紹介も行っている。そのためサポタントでEC事業者を募り、ウェブタントで求職者を募ると言うエコシステムが両サービスを通じて成り立っているのも強みだ。

派遣の場合(人材派遣、在宅派遣、紹介派遣の派遣契約期間中)は、「実労働時間×契約時の時間給」。紹介の場合(紹介予定派遣では直接雇用となった場合)は、「紹介したスタッフの想定年収額×30%」。採用が決定していない場合は、費用は請求していない。

メイン・勤怠関連・教育関連のコーディネーターが3名体制で、派遣や紹介をするスタッフを、就業後もサポートしている。旅行会社のページ更新スタッフ、広告代理業オペレータースタッフ、営業集客の研修・セミナー・コンサルティング会社のウェブデザイナーなどの事例がある。

サポタントはこれ以外にも、セミナーを受けてスキルアップしたい人のためのWEBtant Seminar、正社員・契約社員の採用を支援しているWEBtant AGENTを運営している。

 

 

ジェイフロンティア

 

ジェイフロンティアでは、EC系の人材を求める企業とEC業界で働きたい個人を仲介する人材紹介事業を行っている。

ジェイフロンティアではECサイト運営支援の実績から、現場でのニーズに沿った人材紹介事業を推進している。紹介する人のインタビューをしっかり行うことで、その人の人柄や技術スキルを把握しているため、企業が求める人材をしっかり紹介できるのが強み。音楽配信会社のEC運営サイトのディレクターや化粧品メーカーのECサイト運営者などを紹介してきた。完全成功報酬型システムのため、依頼の段階では初期費用はかからない(エグゼクティブリサーチ、ヘッドハンティングは除く)。

人材紹介のほかに、OCM(製造委託)、卸販売、広告・プロモーション、ASP(アプリケーションソフトなどをインターネット経由で提供すること)、タレントキャスティングなど幅広い運営支援事業を行っている。

 

 

人材不足に陥るEC業界向けの地道な取り組み

 

EC事業者向けには人材派遣、人材紹介、さらには人材育成を軸とした視点でサービスが展開。一方で求職者向けでは一般的な求人サイト的なサービスが複数立ち上がってきており、EC業界向けの人材関連サービスは増えてきている。

しかし、その背景にある課題の大きさに比べるとまだまだ取り組みが小粒である印象が否めない。EC業界では人材を採用し育てて強化するよりも、慣例的に外部の支援業者を活用するケースが多い部分もある。しかし、これからさらにECサイトにおいて売上をしっかり上げていき、利益を確保するためには、中核となるような人材をしっかり育てていくことは避けられないだろう。さらに拡大を続けるEC業界ではあるが、各サービサーに業務を任せるのではなく、業界全体として人材育成の仕組みを整備することも重要となってくるのではないだろうか。