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SumallyのC2Cコマース機能を徹底解剖 - 代表山本氏に未来を聞く

SumallyのC2Cコマース機能を徹底解剖 - 代表山本氏に未来を聞く

トレンド
2015/03/06

SumallyのC2Cコマース機能を徹底解剖

 

現在C2C市場は、メルカリFrilLINEMALLがフリマアプリのダウンロード数トップ3を占め、各社ともTVCMをはじめとする広告戦略に注力して注目を浴びている。少し前のデータとなるがメルカリとFrilの月間流通総額は2014年9月の時点では最低15億円程度、年間換算すると180億円になるそうだ。今回は、さらなる成長が見込まれるフリマアプリの中でもこの3社とは異なる戦略をとる「Sumally」について、代表の山本憲資氏へのインタビューを交えて紹介していく。

 

<参考>

キュレーションコマースへの進化の道程(後編)~藤巻百貨店からhatch、SumallyそしてSTYLESEEKへ

レッドオーシャンと化したフリマアプリ市場へ参入してきた「ラクマ」は生き残ることができるのか

フリマアプリで気軽にモノを売る - フリル、メルカリ、STULIOは群雄割拠のC2Cコマースの勝者に成り得るのか

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Sumallyとは?

 

Sumallyは世界中のモノの”百科事典”を作るというコンセプトで2011年に立ち上げられた、モノを媒介することによってコミュニケーションを取ることができるソーシャルネットワークサービスだ。そのため、自分では普段見つけられないようなモノを見つけたり、自分が良いと思ったモノを他の人に発信する機会ができる。

 

 

自分の欲しいと思ったモノには”Want it”、自分の持っているモノには”Have it”を押して自分のアイテムリストが作れる。そうすると、自分の欲しいモノや持っているモノの傾向が見えてくる。Twitterのように気になるユーザーをフォローすると、その人のWant・Haveしたモノがタイムラインに流れてきて、知らなかったモノを知ることができるだろう。 また、それぞれのモノのページからそれを販売しているECサイトへリンクされているので、欲しいと思ったモノをすぐに購入することができる。さらに、”Want it”している人に向けてそれを出品できる機能もあり、うまくマッチングされていることも多い。これがSumallyのC2Cコマース機能である。

 

 

Wantしている人にHaveしている人が売る SumallyのC2Cコマース機能を徹底解剖 

 

ここからは、SumallyのC2Cコマース機能について紹介していく。 Sumallyには“マーケットプレイス”というC2Cコマース機能がある。これは、”Have it”している人がそのモノを販売することができる機能だ。 では、その特徴をみていこう。

 

 

出品すると”want “している人へ通知がいく

 

商品を出品すると、それを”Want”しているユーザーにメールやプッシュ通知が届く。 その商品を欲しいと思っている人に通知が行くため、欲しいと思っている人にとってはいち早く知りたかった情報であるし、出品者にとっては売れる可能性が高くなるので、相互に嬉しい機能だろう。また、商品を値下げした場合も通知が届くようになっている。これによってさらに購買意欲が刺激されて、つい購入してしまう人も多いのではないだろうか。

 

 

簡単・安心・安全な取引

 

スマホのカメラで商品の撮影をして、簡単に出品することができる。お金のやり取り等は他の人気フリマアプリと同じように、Sumallyが取引の仲介をするエスクロー方式なので、取引は安心で安全だ。また、表示されている金額はすべて送料込みの金額のため、表示価格以上の金額が請求されることはなく買い物の面でも安心だ。

 

Sumallyの特性によって自分が”Have”しているものを”Want”している人がどのくらいいるのかがわかるため、ユーザーに求められているものが売りに出されることが多くなっているのではないだろうか。これらの機能で、Sumallyの売買成約率は高い時で約4割とC2Cサービスの中でも高い数値をたたき出している。

他にも、Sumallyならではの特徴として、SNSの機能がある。他社はC2C市場でモノを売買することがメインで、ユーザー同士でコミュニケーションを取ることについては、出品者への質問や値下げ交渉などに留まっている。しかし、Sumallyは”Want”や”Have”をする時にそのモノへ対する想いをコメントすることでコミュニケーションをとることができる。新たなアイテムを発見する機会やユーザーがインフルエンサーになれることなどで、ユーザーにも新たな楽しみ方を提供する。単なるマーケットではなくSNSでもあるSumallyは、他社と大きく差別化して独自の路線を走っているのではないだろうか。

そこで、山本氏にSumallyのC2Cコマース機能から聞いてみた。

 

--そもそもC2C機能は当初から追加する予定だったのでしょうか。
そうですね、最初から売り買いできるようにしたいなというのは思っていました。

 

--SumallyはC2Cだけを狙ったものではないのですが、C2C市場という視点に立ったときにどんなサービスになりたい、なるべきというのはありますか?

価値のあるものが一番簡単にそれを必要としている人のところに届く仕組みを作っていきたいです。C2Cに限っての意味では、その他フリマアプリというよりも、オフラインのマーケットなどが競合というようになるように成長していきたいです。

 

なるほど、オンラインサービスでありながら、オフラインの質屋などを意識するからこそ、Frilやメルカリなどとは一線を画す戦略を取っているように映るのかもしれない。

 

 

レコメンド機能と広告

 

レコメンド機能

 

続いて、最近リリースされたレコメンド機能について見ていこう。

 

--最近「おすすめ」機能がパーソナライズドされて表示されるようになりましたね。

はい。それぞれのユーザーのWantやHaveされたアイテムに紐づいたアイテムが表示されるようになっています。同じフォルダに入っているアイテムや同じブランドのアイテムの優先度を上げて表示される仕組みです。プッシュ通知やメルマガで、あなたにおすすめのアイテムが更新されましたなどのお知らせがいくようにもなりました。

 

この機能を追加したことによって、1人あたりのWantやHaveをするアクティブ数が2~3割程増加したそうだ。WantやHaveをすればするほど自分に合ったアイテムがレコメンドされるが、機能としての精度を更に上げようと試行錯誤しているという。

 

 

広告事業

 

マネタイズのためには重要な広告事業の方向性についても聞いてみた。

 

--最近では広告モデルにも力をいれているみたいですね。

簡単にできるものではないですが、広告モデルも併せて進めています。FacebookのFacebook Audience Network(FAN)というFacebookの広告を他のアプリにも配信できる機能を使ってタイムラインに広告を表示させる機能を実験しています。ナショナルブランドが広告を出す場というところがあまりない中で、数字を無視しないで広告を出せる場というのを提供していきたいと思っています。

 

広告事業にも注力しているというのは、さすが電通出身の山本氏だ。WantやHaveによってユーザーそれぞれの好きなブランドを分析し、そのブランドや似た系統のブランドの広告が表示されるようになれば、「好きだけど知らないモノに出会える」ようになると山本氏は言う。

 

--事業の軸としては、広告事業とコマース系の事業のどちらを軸に進めていきたいとお考えですか?

両方やっていきたいなとは思っていますが、やはり1番の軸はユーザーに満足してもらうことです。あくまでユーザーに楽しんでもらうということが前提で、その向こうにできることとして考えています。

 

 

今回話を聞かせて頂いて一番印象に残っているのが、とにかく山本氏はユーザーを第一に考えていることだ。コマースで事業を拡大する、広告で事業を拡大する、という目先の利益にとらわれず、ユーザーにとって何が一番大切か、それをしっかり考えて足場を築いている、というのはとても素晴らしいことだと感じた。

 

 

Sumallyの今後

 

そして一番気になるのは、Sumallyが目指しているところはどこなのか。コマース市場の中でどのような立ち位置となっていくのだろうか。

 

 --Sumallyのターゲットはどんなユーザーなのでしょうか?

どんな分野でもいいので、人より多くのお金を出してでも自分の好きなものを手に入れたいと思う分野がある人から使ってほしいです。

 

Sumallyはおしゃれに興味のある、こだわりをしっかり持ったユーザーが多いという印象だ。登録ユーザー数は50万人を突破し、ユーザー層が拡大している。

 

--Sumallyが目指しているところとはどういったものでしょうか?

楽しく使ってもらって、ユーザーに満足してもらうサービスになるということが1番です。

“好きだけど知らないモノにどんどん出会える” “すべてのコマースにレコメンドを”をテーマにサービスを展開していきたいと思っています。

 

今後追加する予定のサービスについて聞くと、「所有の概念を変化させるサービスを展開していく」ということだった。山本氏は新たなサービスのアイデアを楽しそうに語り、聞いてるこちらもSumallyの今後にワクワクして期待が膨らんだ。

 

 

アイテムリストが作れて、SNSの機能もECの機能も備えたおしゃれなサービスのSumally。C2Cサービスが盛り上がりをみせる今、どのように拡大を目指していくのだろうか。今後も目が離せない。