オフィス用品などを専門にするネット通販大手のアスクルは、7月3日より、トラスコ中山が発行する工場・作業現場のプロツール総合カタログ「トラスコ オレンジブック」の中から、特に顧客の需要が高い16万点の商品について、大阪府・兵庫県の当日配送エリアを対象に、最短当日に届けるスピード配送を開始した。アスクルは順次スピード配送エリアの拡大や品揃えの拡充を通じて利便性の向上を図っている。

 

16万点の工具・作業用品が最短当日配送可能に

アスクルは近年、MRO用品(工場・建設現場等で使用される消耗品・補修用品等の間接材全般)を中心に品揃えを拡大しているが、非在庫品は配達までに最短で1営業日を要していた。

今回のスピード配送開始により、対象エリアとされた大阪府と兵庫県の一部都市では、午前9時までに注文すれば、「トラスコ オレンジブック」で需要の高い16万点の商品の最短当日配送が可能となった。

▲アクスルスピード配達対象エリア

 

「トラスコ オレンジブック」とは、モノづくりの現場で必要とされるあらゆる工具や作業用品などのプロのツールが約312,000点掲載されている、トラスコ中山独自のカタログ。このうち約半分の商品がスピード配送の対象となる。

 

自社配送により、追加費用なしでスピード配送を実現

アスクルはスピード配送のために、アスクルグループの物流子会社であるASKUL LOGISTによる配送網を活用し、トラスコ中山の物流倉庫へ商品を引き取りに行くスキームを構築した。

自社配送により、スピード配送手数料などユーザーにかかる費用を上乗せすることなく、配送時間の短縮を実現した格好だ。従来通り、非在庫品は各サプライヤーごとの注文金額が合計1,000円(税込)以上であれば送料無料。

 

スピード配送対象商品の在庫情報を自動連携し、最新の納期表示を実現

また、アスクルはスピード配送対象商品16万点の在庫情報について、アスクルWebサイトおよびソロエルアリーナWebサイトとの自動連携を開始。ユーザーは最新の在庫状況と納期を確認した上で注文することができるため、利便性が大きく向上する。

 

アスクルは個人向け通販「LOHACO」では当日配送を一部中止している

アスクルは5月16日から、個人向け通販サービス「LOHACO」の当日配送サービスを中止している。これは、配送パートナーであるヤマト運輸が、従業員の負担軽減などを目的に、取引の多いEC事業者の配送料を調整する方針を打ち出したため。

今回の当日配送サービスは自社の物流子会社を使用しているため、配送料の値上げなしに実現に結びついた。

 

大阪・兵庫の一部エリアに工場・作業現場向けのプロツールの当日配送サービスを始めたアスクル。その利便性が大きく向上するのは確かだが、配送業者の負担とのバランスを保ちつつ、配送サービスの充実を進める必要がある。