国内のECサイト・ネットショップは一体何店舗稼動しているのか?
インターネットやスマートフォンの普及に伴い、今やECサイトは百花繚乱。しかしながら、国内でどの程度の店舗が稼動しているのか、正確な数値はなかなか分かりにくい。そこで今回は国内のECサイト・ネットショップの稼動店舗数を見ていき、国内の総店舗数の現状を明らかにしていきたい。
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モール
複数の店舗を束ねて1つの塊にしたもので、一般的な百貨店などの形態に近いモデルだ。集客力があり、店舗数が非常に多い。
Yahoo!ショッピング 店舗数:48万1,000店舗
Yahoo!ショッピングとは、日本人の約4人に1人が訪れる検索ツール、Yahoo!JAPANの運営するオンラインショッピングモールである。初期費用や毎月の固定費、売上ロイヤルティなどが無料というと特徴がある。Yahoo!ショッピングを運営するヤフー株式会社の決算説明会資料によると、Yahoo!ショッピングのストア数は2016年12月までの第3四半期において48万1,000店舗ということがわかる。これは2013年12月時点の2万9,000店舗の16倍の数値であり、3ヶ年で16倍という成長を遂げたことがわかる。
Amazon Japan 店舗数:17万8,000店舗(2015年)
Amazon Japanとは、世界最大のインターネットショッピングモールであるAmazonの日本支店である。Amazon独自のサービス展開が特徴だ。2015年8月の記事によると、Amazon Japanの店舗数は2015年6月末時点で17万8,000店舗ということがわかる。2016年の情報は公開されていない。
楽天市場 店舗数:4万4,528店舗
楽天市場とは、企業と消費者を結びつけるインターネット・ショッピングモールである。楽天グループの運営するさまざまなサービスによる、「楽天経済圏」を持つことが特徴である。楽天の投資家向け発表によると、楽天の出店店舗数は2016年12月末時点で4万4,528店舗ということがわかる。
Qoo10 店舗数:5,000店舗
Qoo10とは、ジオシスグループ(日本ではジオシス合同会社)の運営するインターネット通販サイトである。ジオシスグループとは、シンガポールに拠点をおき、日本やシンガポール、インドネシア、マレーシア、中国、香港といったアジア各国でネット通販事業を行う会社である。そのため、越境ECのサイトとして注目を集めている。2015年3月の記事や2016年10月の記事によると、Q0010の店舗数は5,000店舗ということがわかる。
DeNAショッピング 店舗数:4,504店舗(2014年)
DeNAショッピングは、2017年1月末からauショッピングモールと統合して「Wowma!」へと変化をとげた。2017年にWowma!がどれだけの店舗数を獲得するのか、期待が高まるところだ。DeNAショッピングを運営する株式会社ディー・エヌ・エーの決算説明会資料によると、DeNAショッピングの店舗数は2014年6月末時点で4,504店舗ということがわかる。
ポンパレモール 店舗数:3,524店舗
ポンパレモールとは、リクルートの運営するインターネット・ショッピングモールである。ポンパレモール内のショップアベニューの表示によると、掲載店舗数は3,524店舗ということがわかる。
ZOZOTOWN 店舗数:934店舗
ZOZOTOWNとは、アパレルのオンラインショッピングモールである。ファッションコーディネートアプリ「WEAR」や、ファッションフリマアプリ「ZOZOフリマ」との連携が特徴だ。ZOZOTOWNを運営する株式会社スタートトゥデイの決算説明会資料によると、ZOZOTOWNのショップ数は2016年12月までの第3四半期において934店舗ということがわかる。
ヤマダモール 店舗数:195店舗
ヤマダモールとは、株式会社ヤマダ電気の運営するインターネット・ショッピングモールである。家電はもちろんのこと、今までヤマダ電気の取り扱ってこなかった花やコスメといった商品も取り扱っていることが特徴だ。ヤマダモールの公式サイトにある、ショップ一覧のショップ数を数えたところ、ヤマダモールの店舗数は195店舗ということがわかる。
その他モール 店舗数:3万店舗
モール形式を取るその他のサービスにはSHOPLISTやぐるなび食市場、その他ハンドメードマーケットECなど多数存在する。それらの店舗数は合計で3万店舗以上にのぼるものと推測する。
モールの店舗数合計は74万7,658店舗である。Yahoo!ショッピングは64.3%、Amazon Japanは23.8%、楽天市場が6.0%を占め、この上位3モールでモール全体の94%を独占していることになる。
<参考>
eコマース業界カオスマップ2016 - ECモール&プラットフォーム編
ショッピングカート
ショッピングカートは、非常に簡単にECサイトを開店することができるシステムだ。少しの設定を行うだけで、最低限のサイト構築を行うことができるため、手軽に多くの事業者が利用している。以下、一部のサービスの店舗数が累計値となっているため、eccLab編集部にて稼動数を推測している。
カラーミーショップ 店舗数:6万店舗
カラーミーショップとは、「日本で一番選ばれる」ことをキャッチコピーとした、個人から法人まで対応できるネットショップ作成サービスである。MakeShopと同様、GMOインターネットグループに所属している。カラーミーショップは2014年にカラーミーショップ大賞というものを開始したのだが、カラーミーショップ大賞2016の公式サイトによると、カラーミーショップの店舗数は6万店舗ということがわかった。
MakeShop 店舗数:2万2,000店舗
MakeShopとは、「4年連続日本一売れている」ことをキャッチコピーとしたネットショップ構築サービスである。MakeShop公式サイトにある会社概要ページによると、MakeShopの導入店舗数は2016年10月時点で2万2,000店舗ということがわかる。
おちゃのこネット 店舗数:1万1,200店舗(推測)
おちゃのこネットの公式サイトによると、導入店舗数は1万6,000店舗ということがわかる。しかしこの記載は累計値と思われるため、実際には3割減程度の1万1,200店舗と推測する。
ショップサーブ 店舗数:8,814店舗(推測)
ショップサーブとは、「月商1,000万円超えを目指せる」ことをキャッチコピーとした通販システムである。「売れる」ことを第一に考え、売れるための機能が充実していることが特徴だ。ショップサーブの公式サイトによると、ショップサーブの導入実績は1万2,592店舗ということがわかる。しかしこの記載は累計値と思われるため、実際には3割減程度の8,814店舗と推測する。
FutureShop2 店舗数:2,200店舗
FutureShop2とは、「常に進化する」ことをキャッチコピーとしたECショッピングカートある。ブランドイメージを保つことのできる柔軟なデザイン作成が特徴である。FutureShop2の公式サイトにあるヒトテクノロジーLABOによると、FutureShop2の稼動店舗数は2016年12月時点で2,200店舗ということがわかる。
エクスカート 店舗数:1,680店舗(推測)
エクスカートの公式サイトによると導入社数は2,400社ということがわかる。しかしこの記載は累計値と思われるため、実際には3割減程度の1,680店舗と推測する。
たまごリピート 店舗数:850店舗(推測)
たまごリピートとは、リピート販売会社のための通販システムである。定期購入するための機能が充実していることが特徴である。たまごリピートの公式サイトにあるたまごリピートニュースの2017年1月13日の記事によると、たまごリピートの導入実績が1,000社を越えたということがわかった。しかしこの記載は累計値と思われるため、実際には1.5割減程度の850店舗と推測する。
aishipR 店舗数:500店舗
レスポンシブサイト構築を手軽に行えることができるaishipRの公式サイトによると2016年5月時点での導入社数は500社ということがわかる。
リピスト 店舗数:350店舗
リピストとは、リピート通販会社専用のカートである。単品通販に特化していることが特徴だ。eccLabの記事によると、リピストの導入店舗数は350店舗ということがわかる。
侍カート 店舗数:300店舗
侍カートとは、リピート通販会社専用のカートである。eccLabの記事によると、侍カートの導入店舗数は300店舗ということがわかる。
その他カート 店舗数:3,000店舗
ショッピングカート形式を取るその他のサービスにはFC2ショッピングカートやCART STAR、リピートPLUSなど多数存在する。それらの店舗数は合計で3,000店舗以上にのぼるものと推測する。
モールの店舗数合計は11万0,894店舗である。カラーミーは54.1%、MakeShopは19.8%、おちゃのこネットが10.1%を占め、この上位3モールでモール全体の84%を独占していることになる。モールと比較するとカートの店舗数は1/6以下に留まっている。
<参考>
eコマース業界カオスマップ2016 - ショッピングカート編
インスタントEC
インスタントECは、ショッピングカートASPと基本的なシステム構成は同じだが、それよりも簡単に開店することができるサービス。数クリック、数分での開店が可能となっている手軽さが売りだ。
STORES.jp 店舗数:70万店舗
STORES.jpとは、「最短2分で、驚くほど簡単にオンラインストアがつくれる!」ことをキャッチコピーとした、オンラインストア作成サービスである。STORES.jp BUTTONという、どこにでも置ける、3ステップで作成可能な購入ボタンなど、簡単にオンラインストアが作成できる機能が特徴だ。STORES.jpの公式サイトによると、STORES.jpのストア開設数は70万店舗ということがわかる。
BASE 店舗数:30万店舗
BASEとは、個人・法人・行政と幅広い層が利用できるネットショップ作成サービスのことである。無料で運営が可能であったり、独自の決済サービスを取り入れることで支払いが簡単になるという特徴がある。BASEの公式サイトによると、BASEの店舗開設数は30万店舗ということがわかる。
インスタントECの店舗数合計は100万店舗である。モールの1.3倍以上、カートの9倍以上の店舗数を誇り、近年のEC店舗数の拡大に大きく貢献していることがわかる。しかし一方で無料のため、ほとんど放置されている店舗も相当数あるものと思われる。
ECパッケージ
ECパッケージは、ECに必要な機能モジュールを準備しておきEC事業者の要望に合わせて組み合わせていくシステムパッケージだ。ショッピングカートASPサービスよりもハイエンドのEC事業者向けのものとなるため店舗数はショッピングカートよりも少なくなる。以下、一部のサービスの店舗数が累計値となっているため、eccLab編集部にて稼動数を推測している。
EC-CUBE 店舗数:3万店舗
EC-CUBEとは、オープンソース、つまり無料で利用できるECサイト構築パッケージである。ECサイトに必要な基本的な機能は無料の範囲で揃っており、欲しいサービスやデザインをストアから購入する仕組みとなっている。EC-CUBEの公式サイトによると、EC-CUBEの導入実績は3万店舗だということがわかる。
ecbeing 店舗数:808店舗(推測)
ecbeingとは、中堅・大手向けのECサイト構築パッケージである。実店舗を20年運営したことによる売上アップのためのノウハウを持つことや、売上拡大のためにさまざまな機能があることが特徴だ。ecbeingの公式サイトによると、ecbeingの導入実績は2016年8月時点で950店舗ということがわかる。しかしこの記載は累計値と思われるため、実際には1.5割減程度の808店舗と推測する。
SI Webショッピング 店舗数:550店舗(推測)
SI Web ショッピングとは、日本初のECサイト構築パッケージとして誕生し、SI(システムインテグレーション)を行う業者(=SIer)へ向けたサービスである。大規模ECに対応できることが特徴だ。SI Webショッピングの公式サイトによると、SI Webショッピングの導入実績は1,100社ということがわかる。しかしこの記載は累計値と思われるため、実際には同社の長い歴史を考慮すると5割減程度の550店舗と推測する。
コマース21 店舗数:150店舗(推測)
コマース21とは、大規模ECに対応できる柔軟性と拡張性をもったパッケージソリューションである。顧客と中・長期的なコミュニケーションを持ってオーダーメイドでECサイトを構築することが特徴だ。コマース21の公式サイトによると、コマース21の顧客数は300社ということがわかる。しかしこの記載は累計値と思われるため、実際には同社の長い歴史を考慮すると5割減程度の150店舗と推測する。
HIT MALL 店舗数:50店舗(推測)
成長モデル型のECサイトを構築するHIT MALLの公式サイトによると導入社数は100社ということがわかる。しかしこの記載は累計値と思われるため、実際には同社の長い歴史を考慮すると5割減程度の50店舗と推測する。
その他ECパッケージ 店舗数:1,500店舗
ECパッケージ形式を取るその他のサービスにはCOMPANY ECやebisumart、eltexなど多数存在する。それらの店舗数は合計で1,500店舗以上にのぼるものと推測する。
パッケージの店舗数合計は3万3,058店舗である。ここはEC-CUBEが90.8%のシェアを握り他を完全に圧倒している。しかし、EC-CUBEはオープンソースのため単純に他のパッケージと比較することは難しいかもしれない。
<参考>
eコマース業界カオスマップ2016 - ECサイト構築システム編
スクラッチ
店舗数:5,000店舗(推測)
その他、カートやパッケージを使用しないで0からECサイトを構築したスクラッチ開発による店舗が多数存在している。その数は5,000店舗程度と推測する。
国内のECサイト・ネットショップ実稼動店舗数
最後に、国内のECサイト・ネットショップ店舗数を全てまとめてみよう。総稼動店舗数は189万1,637店舗となった。
総店舗数の中では、インスタントECが52.9%、モールが39.5%を占めており、この2ジャンルで92%以上を独占。今の国内のECサイト・ネットショップの大部分はこれら2つのジャンルに出店・開店していることがわかる。インスタントECを中心にまだまだ店舗数の拡大傾向が見られるため、来年の今頃には200万店舗を超えているのではないだろうか。
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