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【英国】Amazon新本社設立、EU離脱懸念をよそに雇用と投資を増加

【英国】Amazon新本社設立、EU離脱懸念をよそに雇用と投資を増加

トレンド
2017/08/08

Amazonは、ロンドンに英国新本社を設立。開発センターのハイテク要員の数を450人から900人に倍増させる予定だ。同時に、子どもや女性に対しデジタルに触れたり学んだりする機会を支援する活動も拡大していく。

Amazon Prime VideoサービスのR&D(研究開発)を主に担当するロンドン開発センターは、15階建の新社屋内に3つの専用フロアを持つことになる。そこにはソフトウェア開発エンジニア、ユーザーインターフェイスの専門家、データアナリスト、グラフィックデザイナーのチームが入る。

「ロンドンはクリエイティブなコミュニティが盛ん。その多くは、自動車情報番組「The Grand Tour」や今後放送予定のGood Omensのような会員向けオリジナル映像作品を制作するAmazon Originalで一緒に働いている」とAmazon Video Europeの副社長、Jay Marine氏は語る。「またロンドンには数多くの専任ソフトウェアエンジニアがいて、Amazon Prime会員がどこで、どのデバイスを使っても、素晴らしいビデオ体験を提供するべく毎日熱心に働いている」と続けた。

 

2017年末までにAmazonは、ロンドンのShoreditchにできた新社屋とHolborn地区とBarbican地区にある旧社屋で、コーポレートスタッフと研究開発の従業員5,000人以上の雇用を創出することになるだろう。同社は2010年以降、英国内に64億ポンド以上の投資を行い、その事業を構築、実行している。

ロンドン市長のSadiq Khan氏は以下のように述べている。「ロンドンは、才能、革新、起業家精神に開かれた街で、大手グローバル企業が本社を置くのにふさわしい場所。Amazonが我々の才能と創造力、そして金融へのアクセスというユニークな融合に自信をもっていることは素晴らしいニュースである。昨年1年間の大手技術企業による主要な大規模投資の中でも最新のこの投資は、ロンドンがヨーロッパにおける技術の中心都市であることをもう一度示している」

 

Amazonは新本社の開業を記念して、健康的な朝食を通じて英国の教育の障壁となる飢餓を終わらせることを目指している慈善団体、Magic Breakfastを通じ、来年度の児童、生徒への健康的な朝食、100万食分の資金を提供している。

同社はまた、技術科目を学ぶ低所得世帯の女子学生に財政的支援をしているWomen in Innovation Bursaryへの支援も拡大。ケンブリッジ、エジンバラ、キングズカレッジ・ロンドンの各大学で年間24人の学生に資金を提供する。

Amazonの英国担当マネージャーDoug Gurr氏は「現在のイノベーターに新しい開発センターを開設したが、学校へ通う子どもたちが学ぶエネルギー源となる100万食の健康的な朝食の資金を提供することで、次世代の発明家の育成も支援したい。また、多くの女性がハイテクの役割について大学で教育を受けられる奨学金プログラムを拡大する」と話す。

一方、米国の監督当局は、独占を懸念する団体がいることから、Amazonがアメリカの食料品スーパーマーケットWhole Foods Marketを137億ドルで買収する話の再検討を要請しており、買収は進むと見込まれているが、計画より遅れている。

 

<参考>

【米国】AmazonがWhole Foodsを買収した後の影響

【米国】Whole Foodsを137億ドルで買収したAmazonの今後のビジョンを占う

 

※当記事は欧州メディア「Mobile Marketing Magazine」の7/25公開の記事を翻訳・補足したものです。