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Stores.jp・BASE・Let 簡単・無料でネットショップを開店できる3サービスを徹底比較

Stores.jp・BASE・Let 簡単・無料でネットショップを開店できる3サービスを徹底比較

トレンド
2020/09/08

 

 

無料で簡単にネットショップを開店できる魅力的なサービス

 

無料で簡単にネットショップを開店できるサービスは、2019年時点で既に140万店舗以上が開設されており、年々その影響度を増してきている。

それまで、ネットショップの立ち上げは費用的・技術的・精神的なハードルが高く、小規模であるほど開店は難しかった。しかしこれらのサービスは、ショップを開店するための諸経費や継続利用のために必要な月額費用が一切かからないという大きなメリットがある。初期費用なしで誰でも気軽に始められることから、利用者を急速に拡大しているのだ。

今回は、無料でネットショップを開店できるサービスの中から、注目度と店舗数が多い、Stores.jpBASELetの3サービスを徹底比較していく。

 

 

Stores.jp (ストアーズ・ドット・ジェーピー)

 

最初に紹介するのは、ストアーズ・ドット・ジェーピー株式会社(旧:株式会社ブラケット)が提供するStores.jp(ストアーズ・ドット・ジェーピー)

 

2012年2月のサービス開始以来店舗数を伸ばし続け、現在では無料のネットショップとして最大規模を誇っている。「自分でつくれる本格的なネットショップ」という謳い文句の通り、難しい知識や技術なしですぐに利用でき、気軽にショップを立ち上げることが可能だ。

Stores.jpには「フリープラン」と「スタンダードプラン」の2通りの料金プランがあり、フリープランは月額料金無料、決済手数料5%で利用できる。無料でありながらアイテム登録数は無制限、1商品ごとに画像を15枚まで掲載できるので、まずはお試しでネットショップを開店してみたいという場合でも商品の魅力を十分に伝えることが可能である。また、キャンペーンなどで使える告知ボードや動画埋め込みなどの機能やデザインテンプレートも豊富で、各種カスタマイズも無料で利用できる。決済手段は各種クレジットカードやコンビニ決済、銀行振込などに一通り対応しているが、代引きとAmazon Pay、決済手段カスタマイズはフリープランでは利用不可となっている。

有料プランであるスタンダードプランは、月額料金1,980円、決済手数料3.6%で利用できる。フリープランの機能に加えてアクセス解析や独自ドメイン、サービスロゴ非表示などの追加機能があり、フリープランでは利用できなかった代引きやAmazon Payなどにも対応している。月に20万円以上の売上がある場合はフリープランよりもコストを抑えることが可能なので、ショップの成長に応じてプランを切り替えることになるだろう。

注意点としては、集客や売上アップのための施策は自分で行う必要があること。メールマガジンを始めとする販促機能はついているものの、Stores.jp自体が楽天市場やYahoo!ショッピングなどの大手ショッピングモールに属しているわけではないので、知名度を上げるための施策は必須になってくる。Instagram連携機能によりSTORESのアイテムをInstagramから販売できることもあり、どちらかといえばデザインなどの見た目に魅力がある商品との親和性が高いサービスといえる。

 

 

BASE (ベイス)

 

次に紹介するBASE(ベイス)は、BASE株式会社が2012年11月に提供開始したサービス。

 

2020年8月現在、ショップ開設数は110万を超え、無料サービスとしてはStores.jpと並ぶ規模となっている。月額料金無料、決済手数料3.6%+40円で利用することが可能だ。商品カテゴリに合ったデザインテーマを選んでカスタマイズするだけという手軽さはもちろん、知識のある人ならHTMLでのデザイン編集も可能。ショップのデザインを決めた後は、申請後すぐに使える「BASEかんたん決済」とショッピングアプリ「BASE」による集客で、最短当日にオープンできるとされている。

BASEの特徴は、無料の拡張機能(Apps)が多数用意されていること。これにより、独自ドメインやキーワード登録によるSEOの設定などが無料で利用できる。Google Chromeの拡張機能のような分かりやすいUIで、必要な機能を一覧で見ながら追加することが可能だ。
ネットショップの経験がなく一度に全ての機能を使いこなせない場合に自分の習熟度に合わせる、ショップの特性に応じて必要な機能を随時追加するなどの使い方が考えられる。

一部の拡張機能は有料となっており、たとえばBASEロゴの非表示であれば月額500円、不正決済保証であれば月額980円で利用可能になる。料金プランの切り替えという概念がなく、必要な機能だけを追加することで、ネットショップをよりシームレスに拡張していけるサービスといえるだろう。

また、『Twitter広告「オートプロモート」』という拡張機能があり、専門の担当者がいなくても定額でTwitter広告を運用することが可能。月額9,900円と有料機能の中では高額な部類に入るが、ツイートをそのまま広告にできる手軽さは多くの初心者ユーザーにとってメリットといえる。

 

 

Let(レット)

 

この中で最も新しいサービスであるLetは、株式会社レットが提供するスマホ用のアウトレットアプリ。

フリマアプリのような印象からCtoC向けと思われがちだが、『Let(レット)は、余った在庫、型落ち品、使わなかった新古品、処分したい中古品など「訳あり品」を売買できるアウトレットアプリです』という説明書きにもある通り、メルカリ以上BASE未満程度の小規模事業者層もターゲットに含むサービスである。フリマアプリ感覚で出品するだけで済み、前述の2サービスよりも格段に手間がかからないため、事業者ではあるがネットショップのWebサイトを持つほどではないユーザーに適している。

販売ジャンルを問わず、簡単かつ即座に商品を販売することが可能で、プロモーションなしでもアプリ内でユーザーにアピールできるのがメリットである。Letアプリのインストールが前提となっているので、InstagramやTwitter、ブログなどから誘導すればより効果的だろう。

比較的新しいサービスということもあり、2020年8月現在で200万ダウンロード、利用者は3000事業者ほどとなっている。メルカリの法人向け出品サービスが終了した今、事業者も利用可能であることと、在庫を設定でき商品のレビューとフォロワーが蓄積されていく点において、事業者向けアプリとしての可能性を秘めている。「アウトレットや型落ち品でいいから少しでも安く購入したい」というユーザーの需要も満たしていることから、今後の機能改善と利用者拡大に期待したい。

 

 

とはいえ問題点もないわけではない

 

2018年6月に改正された割賦販売法により出店者のクレジットカード審査が義務付けられたことで、インターネット上の売買における安全性が向上し、以前の課題であった決済面の信頼問題はおおむね解決されたといえる。
しかし、出店者や消費者からは、依然として

集客や販促がうまくいかず、売上に伸び悩んでいる

発送や対応が遅いショップもあり、不安

といった声が聞かれるのも事実だ。

集客・販促に関してはBASEの拡張機能などで一部改善された点もあるが、これは大手モールに属さないネットショップ開店サービスの根源的な課題でもあるため、容易に解決できるものではない。個人や小規模事業者でも気軽に出店できるようになり利用者は増加したが、それだけ競争も激化したということである。

また、商品の発送や問い合わせ対応などは原則としてショップ側で行うため、万が一トラブルがあってもスムーズに対応できるよう、マニュアルやフローの作成・改善は怠らないようにしたい。SNSで「バズった」ことで急速に知名度が上がり、生産や発送が追い付かなくなったというケースもある。このような極端な例ではなくとも、商品が順調に売れ続けた場合、将来的にショップ側の対応が間に合わなくなるというのは十分に起こりうるのだ。

これらサービスはあくまでも手軽に開店するためのツールに過ぎず、本格的に売上を伸ばしていくためには、集客施策やアウトソーシングなどの資金が必要になってくるという点は覚えておくべきだろう。

サービスを提供している企業側でも、無料プランをグレードアップした有料プランや拡張機能の追加など、日々改善が試みられている。今後の展開に期待しながら、商品や目的に適したサービスを検討してみてはいかがだろうか。