周知の通り、モバイルペイメントは中国で爆発的に普及している。例えば、2015年から、北京ではモバイルペイメントによって、電気、ガス、水道料金と地下鉄での支払が可能となった。
中国インターネット情報センターのデータによると、中国の7.5億人のインターネットユーザーのうちモバイルペイメントを利用している人は5億人にも達している。
<参考>
中国での「QRコード」の驚異的な浸透 - 世界最大のモバイルペイメント市場を牽引する企業と顧客の重要なタッチポイント
【中国】2016年中国モバイルペイメントの市場規模は624.3兆円、アメリカの50倍
しかし、モバイルペイメントのリスクも無視することはできない状態となってきている。
ウイルスへの感染は拡大しているようだ。2017年上半期、モバイルペイメントアプリを攻撃するウイルスは29,762個、感染された携帯は1145.4万台にものぼる。普通のウイルス対策ソフトウェアはこれらのウイルスを発見できないため、感染が拡大している。例えば送金情報を特定の口座にデータ上で書き換えることで送金された金額を不正に入手するウィルスなどが氾濫しているといわれている。
また、モバイルペイメントに関する政策、法律やルールがまだ整備されておらず、例えば経済紛争が勃発してしまったら、ユーザーは法律で自分の権利を保護できない可能性があるという。
さらに、ユーザーから料金を徴収していないため、モバイルペイメントのプラットフォーム事業者は資金を他の高リスク領域に投資して運用する必要がある。しかし、一旦投資に失敗してしまうと、ユーザーの資金がリスクに直面する可能性がある。これに対して、中国人民銀行はペイメントの資金プールと投資側の資金プールの間にクッションとなる清算プラットフォームを作り、2018年6月から開始する予定としている。
※当記事は中国メディア「電商報」の9/26公開の記事と「Souhu」の1/09公開の記事を翻訳・補足したものです。