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【EC×リピート トレンドデータまとめ】2014年上半期 - リピートユーザーはショップの売上にどれほど貢献しているのか

【EC×リピート トレンドデータまとめ】2014年上半期 - リピートユーザーはショップの売上にどれほど貢献しているのか

トレンド
2014/11/14

EC×リピート 2014年上半期トレンドデータまとめ

 

ECサイトにアクセスするユーザーは、そのサイトに初めて訪れる新規ユーザーと、以前にも来訪したことがあるリピートユーザーと言う2種類に大別される。一般的に新規ユーザーの獲得コストはリピートユーザーへの再来訪を促すコストに比べると3倍とも5倍とも言われているため、売上の上がっている店舗ほどリピートユーザーの獲得に注力している。では、実際のところリピートユーザーは店舗のどれだけのウェイトを占めて、それらのユーザーの購買行動にはどのような差が存在するのかを今回は見ていく。2014年上半期の新鮮なデータを、弊社EC向けアクセス解析~自動課題判定~施策提案ASPサービスSHOPNOTEから確認していく。

※ここではリピートユーザーとはリピート購入のユーザーを指すのではなく、購入の有無を問わずリピート来訪したユーザーを指すことにご注意頂きたい。

 

<参考>

【スマホ×ECトレンドデータまとめ】2014年上半期速報 - 遂にスマホユーザーの割合が半数を超える

 

 

 

ECにおけるリピートユーザーの実態を5指標×3切り口の豊富な生データで徹底解剖

 

この2014年上半期のデータを、 売上高・来訪者数・転換率・客単価・平均PV数の5つ主要各指標について全体で見ていくとともに、デバイス別(スマホとPC)・売上高レンジ別・取り扱い商品カテゴリ別の3つの切り口から見ていく。以下のデータはGoogle Analyticsが導入されている店舗のデータとなる。また全てのグラフにおいて、左から新規ユーザー、3ヶ月リピート来訪ユーザー、6ヶ月リピート来訪ユーザー、12ヶ月リピート来訪ユーザーとなる。新規ユーザーは新規か1年以上経過してから再来訪したユーザーであり、6ヶ月リピート来訪とは、前回(購入したかは問わず)来訪してから3ヶ月以上6ヶ月未満に再来訪したユーザーとしている。

 

リピート頻度別の主要指標

 

 

デバイス別(スマホとPC)

 

デバイスによる違いを、スマホユーザーとPCユーザーで比較していく。まずは、売上高とアクセス数を見ていこう。

 

デバイス別のリピート頻度別の売上高比

 

 

デバイス別のリピート頻度別のアクセス数比

 

売上高もアクセス数も、新規ユーザー(初めてそのショップに来訪するユーザーと1年以上再来訪していないユーザーの合計。以下同)の割合は70%を超えており、売上のほぼ7割は新規ユーザーによって創出されていることが分かる。また3ヶ月リピートユーザー(前回ショップに来訪してから3ヶ月以内に再来訪したユーザー。購入の有無は問わない。以下同)の割合は24%~26%となっており、ショップの売上やアクセスの1/4は3ヶ月リピートユーザーによって占められているようだ。新規ユーザー、3ヶ月リピートユーザーを合わせた値は95%以上となっており、売上の大部分はここで完結していると言える。このことからショップにおいては新規ユーザーの獲得は非常に重要であり、リピートユーザーについては3ヶ月以内に再来訪のアクションを積極的に取らないといけないことが読み取れる。

デバイスによる違いは売上高とアクセス数についてはほとんどないようだ。

次に、転換率(コンバージョンレート、CVR)、客単価、平均PV数を見ていこう。

 

デバイス別のリピート頻度別の転換率

 

デバイス別のリピート頻度別の客単価

 

デバイス別のリピート頻度別の平均PV数

 

新規ユーザーよりもリピートユーザーの方が、転換率・平均PV数は高くなっている傾向が読み取れる。スマホの場合もPCの場合も新規ユーザーと比べて転換率のピークの値は3倍程度を示しており、リピートユーザーの方が新規ユーザーよりも3倍もコンバージョンしやすいことを示している。リピートユーザーの方がしっかりとページを閲覧して、確実に購買していると言えるだろう。逆に客単価については、新規ユーザーの方が40%以上リピートユーザーよりも高くなるというデータとなった。しっかりとページを閲覧して確実に購入はするが、無駄なものは買わない傾向が強いということかもしれない。むしろページをしっかり閲覧することで、無駄であることを冷静に理解しようとしているのだろう。また6ヶ月リピートをピークに12ヶ月リピートは全体的に値が下がっており、6ヶ月以上経過すると以前の購入体験を少し忘れ、少し新鮮な気持ちで購入しているのかもしれない。

デバイスによる違いは転換率・客単価・平均PV数いずれも、PCの方がスマホよりも全体的に高い値を示しており、PCの方が依然としてしっかりと検討を行い、多くのモノを購入するユーザーが多いといえる。

 

 

取り扱い商品カテゴリ別

 

次にショップで取り扱っている商品カテゴリによる違いを見ていく。ここでは、美容・健康、アパレル、食品、その他の商品の4カテゴリに大別した。まずは、売上高とアクセス数を見ていこう。

 

商品カテゴリ別のリピート頻度別の売上高比

 

商品カテゴリ別のリピート頻度別のアクセス数比

 

商品カテゴリ別に見ても、新規ユーザーと3ヶ月リピートユーザーによってショップの売上とアクセスの90~95%が占められている傾向は変わらない。しかし興味深いことに、カテゴリによって、新規ユーザーと3ヶ月リピートユーザーの内訳は大きく異なっている。売上高の比率については、食品と健康・美容のジャンルは3ヶ月リピートユーザーが売上の40%以上を占めていることが分かる。食品と健康・美容のジャンルは他の商品と比べて3ヶ月リピートユーザーのウェイトが非常に高く、まさにリピートユーザーの獲得がショップの生死を分けると言ってもいいだろう。

次に、転換率(コンバージョンレート、CVR)、客単価、平均PV数を見ていこう。

 

商品カテゴリ別のリピート頻度別の転換率

 

商品カテゴリ別のリピート頻度別の客単価

 

商品カテゴリ別のリピート頻度別の平均PV数

 

転換率や客単価について、リピートと関係ない視点ではあるが大きな差が出ている。これはSHOPNOTEにおける自動課題判定ロジックでも検証されているが、商品カテゴリの違いと言うよりは、ショップにおける取り扱い商品数の違いや商品単価による影響が大きい。転換率が大きく客単価が低くなっているカテゴリの食品や健康・美容では、ショップに陳列されている商品数が少ない傾向が強く、単価も低いケースが多く、その影響で全体的な転換率が高く客単価が低くなっている。

新規よりもリピートの方が転換率が高くなっているが、そのピークが商品によって微妙に異なっている点も興味深い。食品は比較的すぐに食べ終わりすぐに欲しくなるため3ヶ月リピートが高く、健康・美容系の商品は3ヶ月以上使ってから再来訪するケースが多いため6ヶ月リピートがピークとなっていると思われる。

客単価についてはそれほど大きな傾向は読み取れないが、その他商品についてはリピートユーザーの方が大きく客単価を下げていることが分かる。客単価が安定しているアパレル・食品・健康・美容などの商品と比べて、その場の勢いで購入を決断する傾向が強い商材が多いのかもしれない。

平均PV数については、全体的にリピートユーザーの方が多くのページを見ている。こちらも転換率のピークとほぼ同期が取れているが、アパレルだけリピート間隔が開いた方が値が多いという結果となった。

 

 

売上高レンジ別

 

最後にショップの売上高レンジ(月間売上高)による違い見てみよう。まずは、売上高とアクセス数を見ていこう。

 

売上高レンジ別のリピート頻度別の売上高比

 

 

売上高レンジ別のリピート頻度別のアクセス数比

 

売上高については大きな傾向は読み取れないが、アクセス数については売上が低い店舗ほど新規ユーザーの割合が高く、いかにユーザーにリピートしてもらえるかが、売上アップの重要なポイントとなっていることが分かる。

次に、転換率(コンバージョンレート、CVR)、客単価、平均PV数を見ていこう。

 

売上高レンジ別のリピート頻度別の転換率

 

 

 売上高レンジ別のリピート頻度別の客単価

 

売上高レンジ別のリピート頻度別の平均PV数

 

 

こちらも特筆すべき大きな傾向は読み取れないが、リピートユーザーの方がしっかりページを読み転換率が高くなっているが、客単価は低くなるという全体の傾向と同じものが、それぞれの売上高レンジにおいて表れている。

 

 

まとめ

 

以上のことから、2014年上半期のEC×リピートのトレンドは以下のようにまとめられる。

  • 新規ユーザーの売上高・アクセス数はショップ全体の70%強
  • 新規ユーザーと3ヶ月リピートユーザーの売上高・アクセス数はショップ全体の95%以上を占める
  • 平均PV数・転換率(CVR)は、リピートユーザーの方が値がよくなるが客単価は低くなる傾向がある
  • 新規ユーザーと比べてリピートユーザーの方が最大で3倍もコンバージョンしやすい
  • 新規ユーザーと比べてリピートユーザーの方が客単価は40%程度低くなる
  • 食品と健康・美容カテゴリのショップは3ヶ月リピートユーザーのウェイトが高くなる
  • 食品は3ヶ月、健康・美容は6ヶ月リピートユーザーが最も転換率が高くなる
  • アパレル・食品・健康・美容は新規もリピートも客単価は大きく変わらない
  • 売上高が低いショップほど、新規ユーザーの割合が大きくなる

 

 

EC×リピートのトレンドデータは、半年~1年に一回程度の割合で報告していく。