サブスクリプションサービスランキング ― サブスクリプションの定義から紐解いた評価軸に基づく、国内29のサブスクリプションサービスの評価
顧客に継続的な利用権を提供することで安定した売上を獲得できるビジネスモデルとして注目を集める「サブスクリプション」。今回は、具体的にどのようなビジネスがサブスクリプションと定義されるのかを考え、理想的なサービスを判断するために一定の基準を設け、国内で提供されている29サービスについてeccLab独自の評価軸で評価を行いランキングした。同企画は2021年に続き2回目となる。
※このランキングはサービスの優劣を明確にすることが目的ではなく、サブスクリプションサービスの定義を具体的なサイト事例を元に改めて考え、理解を深めることを目的としている。また、ブランドの背景情報などは一切考慮しておらず、実情に即していない部分もある可能性がある点もご理解下さい。
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サブスクリプションとは
サブスクリプションとは「定額料金を支払うことで一定期間サービスが受けられる」という形態のビジネスモデルで、略してサブスクとも呼ばれる。サブスクリプションという言葉はもともと、新聞などの予約購読や年間購読を意味する用語としてアメリカで使用されていたものに端を発している。
サブスクリプションの特徴は、リカーリング収益モデル(Recurring Revenue model)という、継続的に利益を得られるビジネスモデルをベースにしている点にある。Recurringは繰り返す、循環するという意味を持つ単語だ。一般的なサービスの課金形態は従量制と定額制に分類され、そのうち定額制リカーリング収益モデルである後者がサブスクリプションに該当する。一方で近年では、利用量に応じた従量課金を組み合わせたハイブリッド型のサブスクリプションも増加している。
サブスクリプションの必須条件のひとつに、「サービスの自動的な継続性」というものがある。つまり、利用者が自発的に解約を行わない限り、自動で料金を支払い続けるシステムということだ。この点を踏まえると、同じ商品が定期的に送られてくる定期購入や毎回異なる商品が送られてくる頒布会のようなサービスも、定義上はサブスクの一種と捉えることができる。したがって、本記事では定期購入や頒布会などもサブスクリプションとして扱い、紹介していく。
以前は買い切り型が主流だったこともあり、たとえ短期間の利用であっても高額なプロダクトの購入が必要になるなど、ハードルの高い商品やサービスが多く存在していた。しかし、サブスクリプションの普及によって所有せずとも自分に合った料金プランで利用可能になり、その手軽さから若年層を中心に注目を集めている。最近では、利用者の嗜好や利用データに基づいてパーソナライズされた商品・サービスを提案するサブスクリプションも増加している。特に、AIやデータ分析を活用したレコメンド機能の高度化により、「顧客に最適な選択肢を提示する」ことの重要性が高まっている。このように、商品選択や利用継続に伴う意思決定負担を軽減する点も、近年のサブスクリプションサービスの特徴といえる。
以上を踏まえ、顧客の状態に合わせてサービス利用前の認識とサービス利用後の体験の2段階に区切り、さらに掘り下げて考えていきたい。
理想的なサブスクリプションとはどのようなものか
一言でサブスクリプションといってもそのサービス範囲は広く、一定期間において商品を定額で利用できるだけでは、サブスクとしての必須条件を満たしているだけに過ぎない。ここでは、理想的なサブスクとはどのようなものか、そしてここ最近のサブスクビジネスにおいてどのようなトレンドがあるのかを、サービス利用前とサービス利用後の各段階を顧客視点でシミュレートしながら整理していく。
サービス利用前の認識
サブスクリプションに限らないことだが、SNSを用いた情報発信は認知度の向上につながり、利用のきっかけとなりうるので、第一段階として重要である。次に、サブスクを利用する消費者のニーズは、高額商品などを所有せずレンタル感覚で利用できることと、選ばずともパーソナライズされた商品が自動で届くことの2点に大別される。料金プランの豊富さはターゲット問わずメリットといえるが、利用方法の明確化や加入のハードルを下げるトライアルの実施など、ターゲットに合わせて手軽さをPRすることもサービス加入の促進につながるだろう。また、サービス対応エリアの充実、利用者の声が聞けるUGC、他業種を包括したバンドルパッケージ化なども、サブスクがECの一種である以上欠かせない要素である。
サービス利用後の体験
サブスクリプションは顧客に継続してもらうことが肝になるので、サービス加入後の利用体験はさらに重要だ。顧客の継続率は、商品やサービスが期待通りのものであるか、もしくは支払った金額以上の価値を得られるかどうかにかかっているといえるだろう。また、アプリとサイトを選択できる自由、サービスを継続したくなるようなベネフィット、顧客の興味を引き続けられるラインナップ追加のほか、必要に応じてプランやサイクルを調節できると理想的だ。不明点があった際に参照できるFAQページはもちろん、AIチャットを用いた24時間体制のオンラインサポートがあると顧客が疑問を解決しやすく、親切である。また、解約プロセスや料金プラン変更の分かりやすさも、安心してサービスを利用する上で不可欠といえる。
サブスクリプションの評価軸と評価項目、評価方法
理想的なサブスクリプションについて把握したところで、それらに必要な要素をピックアップし、サービスを客観的に評価するための評価軸と評価方法に落とし込んでいく。サブスクには顧客が必要とするものをピンポイントで提供するという特徴があり、ビジネスモデルの肝である継続の可否が顧客に委ねられているため、評価軸もサービス利用前の認識とサービス利用後の体験という顧客視点の2軸をベースに進めていく。ここでは、評価軸ごとに7つの評価項目を設け、合計14項目で評価を行った。〇△×の3段階で評価を行い、各軸14点満点、2軸合計で28点満点での評価となっている。
では、それぞれの評価軸の評価項目と評価方法を見ていこう。なお、これらの評価はランキング作成のために便宜上一意的に行っているものであり、取り扱い商品によっては、意図的に〇となる取り組みを行っていないケースもある等、場合によっては絶対的な指標とならないことをご理解頂きたい。
サービス利用前の評価項目と評価方法
・料金プランが充実しているか
評価意図:ユーザーの利用状況に応じた柔軟な価格選択が可能かを評価するため
〇 複数プランに加えて、従量課金またはオプションなど柔軟な料金体系がある
△ 複数プランはあるが、基本は定額のみ
× 料金プランが1つのみ
・利用方法が明示されているか
評価意図:初回利用時の障壁が低いかを評価するため
〇 利用方法が公式サイト上でFAQと別項目で分かりやすく説明されている
△ 利用方法について説明はあるが、内容が曖昧またはFAQの一部の項目になっている
× 利用方法が公式サイトに書かれていない
・トライアルや初回割引があるか
評価意図:新規ユーザーの参入ハードルをどれだけ下げているかを評価するため
〇 無料トライアルがある
△ 有料トライアルがある/初回割引がある
× トライアルがない
・認知度向上のための情報発信を行っているか
評価意図:継続的なユーザー獲得およびブランド露出の積極性を評価するため
〇 SNSアカウントがあり、月10回以上更新
△ SNSアカウントがあるが、月10回未満更新
× SNSアカウントがあるが、月5回未満更新
・サービス対応エリア
評価意図: サービスの利用可能範囲の広さを評価するため
〇 ほぼ日本全国に対応している/制限なし(フィットネスなど配送がないものは利用可能地域)
△ 一部対応していない地域あり
× 主要都市のみなど、対応エリアが限られている
・UGCや他サービスとの比較があるか
評価意図:第三者視点の情報提供により信頼性や購買意思決定を担保しているかを評価するため
〇 公式サイトと公式SNSでUGCが確認できる
△ 公式サイトまたは公式SNSでUGCが確認できる
× 掲載されていない
・バンドル・他サービス連携があるか
評価意図:複数サービスの統合によりお得感や手間が省けるなどの付加価値が創出されているかを評価するため
〇 自社内の異種のサービスまたは他社のサービスを連携しており、その説明がわかりやすくまとまっている
△ 自社内の異種のサービスまたは他社のサービスを連携している
× 単一サービスのみまたは複数の商品をいくつか組み合わせたセット販売のみ
サービス利用後の評価項目と評価方法
・AIパーソナライズに対応しているか
評価意図:ユーザーごとに最適化された体験を提供できているかを評価するため
〇 サイト上に診断やAIレコメンドなどがある
△ 状況に合わせた提案などがある
× 特になしまたは記載なし
・料金プランの変更や追加に対応しているか
評価意図:利用状況の変化に応じて柔軟にサービス内容を調整できるかを評価するため
〇 料金プランの変更、Skip / Pause、商品の交換・レンタルなど柔軟に変更可能
△ プラン変更や規定範囲内での交換・レンタルのみ可能
× 対応していない/料金プランが1つのみ/単品購入がメイン、交換・レンタルができない
・サービス管理の利便性が高いか
評価意図:ユーザーが自分に合った方法で簡単に管理できるかを評価するため
〇 Web / アプリなど2つ以上の媒体で簡単に管理できる
△ 1つの媒体のみで管理できる
× 問い合わせや電話が必要
・継続利用を促すベネフィットがあるか
評価意図:価格以外の価値によって継続利用を促進できているかを評価するため
〇 コミュニティ参加、限定コンテンツ、イベントなどの特典がある
△ ポイントやクーポンなどの基本特典のみ
× 特典がない
・解約手順のわかりやすさ
評価意図:ストレスなくサービスを終了できるかを評価するため
〇 オンラインで簡単に解約できる
△ 解約は可能だが手続きが複雑
× オンライン解約ができない
・サポートの有無
評価意図:24時間いつでも適切な支援を受けられる体制が整っているかを評価するため
〇 AIチャットやオンラインサポートで24時間質問可能
△ オンラインサポートまたはFAQのどちらかがある
× 問い合わせフォームや電話のみ
・商品・サービスのラインナップ
評価意図:ユーザーの多様なニーズに対応できる幅広さを評価するため
〇 ラインナップが豊富で、Instagramまたはサイトで新着追加情報が過去1か月で4回以上ある
△ ラインナップは豊富だが、Instagramまたはサイトで新着追加情報が過去1か月で4回未満
× ほぼ決まった商品のみ取り扱っている
今回評価したサブスクリプションサービス
今回評価したサブスクリプションサービスは、国内でサービスを展開しているサイトから、サブスクの定義を満たす定期購入や頒布会なども含めてピックアップした。対象はアパレル・ファッション5サイト、家具・家電5サイト、食料品・日用品5サイト、美容・健康5サイト、その他ジャンル9サイト、合計29サイトとなる。なお、今回の評価では新進気鋭の新しい取り組みに脚光を当てることも目的としていることから、既にユーザー数を膨大に抱えている、例えばミュージックやビデオ系のサブスクサービス等は評価対象外としている。
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サブスクリプションサービスランキング
それでは、評価結果とランキングをカテゴリ別に見ていこう。ランキング作成の元となる各評価軸の調査は2026年3月14日から4月28日に実施した。
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アパレル・ファッション
まずはアパレル・ファッションカテゴリから見ていこう。
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アパレル・ファッションカテゴリは、他カテゴリと比べてサービス利用後の評価が高い。webやSNS、アプリなどの複数媒体との親和性や活用方法が業界内で明確になってきていることが要因だろう。アパレル・ファッションカテゴリで総合スコアが最も高かったのは、腕時計のレンタルサービスKARITOKEだ。
KARITOKEはサービス利用前・利用後のどちらの軸も高評価で、サブスクのメリットを活かしバランスよく設計されていることがわかる。サポート体制と商品ラインナップの評価が高く、必要なときに必要な商品を適切に利用できるよう配慮がなされている。サブスク2番手は新品の洋服の借り放題サービスMECHAKARIだ。毎月自動で洋服が届く手軽さだけでなく、借り続けることで購入できるベネフィットもあり、豊富なラインナップも魅力的である。サブスク3番手My Little Boxはサプライズを楽しむタイプのサービスでアパレルで唯一異なるブランドを組み合わせるバンドルを行っているが、その反面パーソナライズやラインナップ、プラン変更において点数が低く、この中では伸び悩む結果となった。
家具・家電
続いて家具・家電カテゴリを見ていく。
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家具・家電カテゴリは、サービス利用前の評価の平均がサービス利用後に比べて高くなっているが、高評価のサービスでは2軸の評価に差がない。商品の特性上パーソナライズ化が難しいジャンルであり、利用後の評価が伸び悩んでいる。そんな中で最も総合スコアが高かったのは、カメラレンタルのサブスクGooPassだ。
GooPassは一眼レフなどの本格機材が定額で使えるサブスクで、サービス利用前後ともに評価が高い。家具・家電ジャンルでは珍しく状況に合わせた商品の提案を導入していることから、カメラに対する顧客の知識を問わず間口の広い客層を受け入れようとする姿勢がうかがえる。他のジャンルに比べて詳細なパーソナライズが難しいジャンルではあるが、GooPassから参考にできる点は多くあるだろう。2番手のRentioは、短期レンタルが可能な家電のレンタルサービスであり、サービス利用前後ともにバランスのよい評価となった。一方、3番手の家具・インテリアのサブスクサービスであるsubsclifeは、サービス利用後の評価がRentioに比べて低い評価となった。アプリやウェブサイトの選択性、プラン変更、ラインナップにおいてRentioよりも選択の幅が狭いことが、評価が伸び悩んだ原因だろう。
食料品・日用品
次に食料品・日用品カテゴリを見ていく。
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食料品・日用品カテゴリは、プランやラインナップの豊富さとUGCの評価が高くなりやすい傾向があった。目的や予算に応じてプランを選択できることや高い頻度で利用しても飽きない商品ラインナップがあることはこのカテゴリにおいて特に重要な項目といえるだろう。また、顧客にとってSNSなどで映える商品を紹介・拡散することの気軽さがカテゴリの強みであるといえる。そんな中で最も総合スコアが高かったのは、生鮮食品やミールキットを扱うOisixだ。
Oisixは一見ネットスーパーのようにも思えるが、毎日の暮らしで必要な食材セットがおまかせで届く商品や、献立の悩みを解消するミールキットに力を入れるなど、サブスク要素の強いサービスである。豊富なラインナップに加えてパーソナライズ化を強みとしており、圧倒的な信頼を得ているサイトと言えるだろう。2番手はコーヒーのサブスクPostCoffeeで、ユーザーの好みに合わせてコーヒー豆を診断・提案するパーソナライズ型コーヒーが特徴である。どの項目でも満遍なく高い評価を得ており、新規入荷商品や人気ランキングなどが非常にわかりやすいサイト構成になっているため、参考にできる点が多いサイトである。3番手は焼きたて冷凍パンのサブスクPan&(STYLE BREAD)で、焼成後すぐ急速冷凍することで高い品質を保証し、無駄な添加物を用いないことを特徴とし、ホテルやレストランにも販売している。プランや商品ラインナップの豊富さによりサービス利用前後で評価が高いが、パーソナライズ化されていないことが3位に落ち着いた原因だろう。
美容・健康
さらに、美容・健康カテゴリを見ていく。
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美容・健康カテゴリは、サービス利用後のスコアが全カテゴリの中で最も高い。商品の特性上、個人の体質やニーズに合わせた商品の選択をサポートすることが重要なカテゴリであることから、パーソナライズ化の評価が全体的に高い。美容・健康カテゴリで最も総合スコアが高かったのが、コンビニジム型のサブスクchocoZAPだ。
chocoZAPは全体的にスコアが高く、特にサービス利用前の評価が料金プランの豊富さ以外最高評価となっている。「ちょこっと運動」をコンセプトに、低価格の月額で、24時間・無人運営のトレーニングジムの利用に加えて、美容サービス(脱毛・エステ等)やマッサージチェア、パソコン作業兼バイクトレーニングができるデスクバイク、カラオケやランドリーなど、豊富なサービスを包括的に提供するバンドル型サービスである。2番手はキンケア・化粧品サービスのサブスクサービスORBISで、サービス利用後の評価が満遍なく非常によく、個人の肌状態に合わせた提案を重要視しており、肌診断・カウンセリングを通して初心者でも選びやすいUI設計がなされている。3番手はオンラインフィットネス・動画配信型サブスクリプションサービスLEAN BODYと化粧品やサプリメントを扱うKINSが同点で、どちらも料金プランが豊富で、AI診断によるパーソナライズ化が含まれている。LEAN BODYは、フィットネス動画を中心に、健康サポート機能やヨガ・瞑想など、周辺の複数のサービスをまとめた軽いバンドル型サービスであり、AIによるトレーニング内容や目標設定のサポートという特徴がある。KINSは菌(マイクロバイオーム)に着目したスキンケアやサプリ、インナーケアブランドであり、本記事ではその中のKINS BOXという定期コースをピックアップした。検査キットや体質に合わせたカスタマイズに力を入れており、LINEによるサポートも行うなど、定期購入でありながら双方向コミュニケーションの要素も併せ持つ。
その他
最後に、その他のカテゴリを見ていこう。
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その他のカテゴリには多彩なサービスが存在するため、スコアにも大きなばらつきが見られたが、全体としては利用後の評価が高かった。そんな中、最も評価が高かったのは、日本各地の家に住み放題できる「多拠点生活」サブスクリプションサービスADDressだ。
ADDressは、全国の提携住宅に滞在可能で、利用目的はワーケーションや地方移住体験、コミュニティ利用など様々であり、空き家をうまく活用するという近年の社会課題への一つの解決策の提示でもあるといえる。2番手のOFFICE PASSは法人だけでなく個人でも利用可能なシェアオフィスサービスであり、ルームシェアサービスが並んでいることは昨今のAirbnbなどのトレンドをよく表しているといえよう。自社オフィスのみでなく、提携している他社のシェアオフィス・コワーキングスペースを横断利用できることが最大の利点であり、バンドル型サービスの強みを活かしている例である。他社のスペースと提供しているためそれぞれのスペースに特色があり、カフェライクなスペースや文喫まで、気分や目的に合わせて選択することができることも大きな魅力である。2026年5月時点で全国47都道府県で1500カ所以上もの拠点があるが、必要なときに必ずしも付近にシェアオフィスがあるとは限らないため、今後のさらなる拠点拡大に期待したいところだ。
ランキングから読み解くサブスクリプションの未来
今回は、国内29のサブスクリプションサービスをピックアップして、顧客視点を重視した2つの評価軸からそれぞれ詳細に評価を行った。繰り返しとなるが、このランキング作成はサービスの優劣を明確にすることが目的ではなく、理想的なサブスクリプションの定義について具体的な事例を元に改めて考え、理解を深めることを目的としている。そのため、成功しているサブスクリプションサービスがどのような取り組みを行い、どのようなことを意識しているのか、その成功の理由を理解するための一助として頂ければ幸いだ。
所有することなく気軽に、必要なものを必要なだけ手にすることを可能にしたサブスクリプションは、ミニマリストや断捨離などの「持たない生活」というトレンドを受けて今後も普及していくだろう。今では、利用者に合わせてパーソナライズされた商品が届くなど、サプライズを楽しむような新しいタイプのサービスも増えている。この点が従来のレンタルサービスとの違いであり、サブスクリプションならではの可能性を秘めたポイントであるといえるだろう。また、近年のルームシェアの傾向を受けて、オフィスや住居のサブスクが登場してきていることも今後注目していきたいポイントである。
一方で、従来の定期通販では、サービス加入の次に顧客がWebサイトを訪問するのは解約するときだと揶揄されてきた。しかし、これからのサブスクは、事前情報としてのUGCやレビューとは別に、利用者自身が情報を発信・交換し、その周りに利用者が集うコミュニティを設けることなどで、顧客とのエンゲージメントを高め、ビジネスの要である解約率を下げることなども考えていく必要があるだろう。
価値観の多様化は、マーケティング手法だけでなく、ECでモノを売ることの在り方にも変化をもたらした。顧客を理解することで商品を提案していくサブスクリプションサービスがどのような発展を遂げるのか、今後も注目していきたい。
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