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【2026年最新版】EC物流の巨大拠点、物流センターの延べ床面積まとめ

【2026年最新版】EC物流の巨大拠点、物流センターの延べ床面積まとめ

物流・決済・業務
2026/08/10

【2026年最新版】EC物流の巨大拠点、物流センターの延べ床面積まとめ

 

コロナ禍の巣ごもり需要に後押しされ、日々の生活にしっかりと根付いたネット通販。モールやサイト、アプリなどを通じて消費者が買い物をするその裏側で、購入者の手元に最短日数で商品を届けるための物流に関する取り組みが日々行われている。ヤマトや佐川、日本郵政など宅配事業者の物流拠点に依存していたEC事業者が自社物流センターの構築へと大きく舵を切るようになって数年、自社物流センターは数・広さ・質のいずれの面でも今なお拡大を続けている。2023年の調査に続き4回目となる本記事では、そのような巨大物流拠点にスポットをあて、主要な19のEC事業者の全220の物流拠点の延べ床面積を紹介していく。

 

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2023年版 物流センターの延べ床面積まとめ:主要16のEC事業者、全108の物流拠点

【2023年最新版】EC物流の巨大拠点、物流センターの延べ床面積まとめ
【2023年最新版】EC物流の巨大拠点、物流センターの延べ床面積まとめ コロナ禍の巣ごもり需要に後押しされ、日々の生活にしっかりと根付いたネット通販。モールやサイト、アプリなどを通じて消費者が買い物をするその裏側で、購入者の手元に最短日数で商品を届けるた...

 

 

本記事における「物流センター」の定義

 

まず、本記事における「物流センター」の定義を明確にしておきたい。物流センターとは、「商品・貨物の保管、荷役、仕分け、流通加工、発送、配送のいずれか、または複数の物流機能を担う拠点の総称」である。この定義のポイントは、施設が担う「機能」で判定するのであって、事業者ごとの呼称や、延べ床面積が対外的に公開されているかどうかは、物流センターに該当するかどうかの判定基準にはならないという点だ。

実際、事業者によって呼び方は様々で、Amazonは「フルフィルメントセンター(FC)」、楽天は「RFC(楽天フルフィルメントセンター)」、ASKULは「ディストリビューションセンター(DC)」、ZOZOTOWNは「ZOZOBASE」、ヨドバシカメラは「アッセンブリーセンター」という名称を用いている。またニトリのように、同じグループ内でも機能に応じて「DC」「営業所」「発送センター」「配送センター」を呼び分けている事業者もある。本記事では、これらの名称の違いにかかわらず、保管・仕分け・発送・配送などの物流機能を担う施設であれば、すべて「物流センター(物流拠点)」として同一の基準で集計している。

 

 

物流センターの延べ床面積について

 

大手のEC事業者の物流センターはその場所と共に、延べ床面積も公表されているケースが多い。通常の物流センターでは複数階建てとなっていることから、各階の床面積を合計した「延べ床面積」が広さの基準として公表されている。単位は平方メートルのケースもあれば坪で公表されているケースも多い。

 

 

物流センターの近年の動向

 

かつての物流センターは企業ごとに店舗・EC・TV通販などの販売チャネルごとに在庫を管理し運用されることが多かった。しかしながら、販売ロスに繋がる管理手法であったことや、ネット通販需要の拡大、販売チャネル毎の売上の偏りなどが多くなり、現在の物流センターは店舗の在庫とオンラインをまとめて管理する拠点として、又はECに特化した拠点を新設するなど、各企業がECでの販売経路を含めた在庫管理の効率化を図る傾向が見られる。近年ではこれに加えて、保管・仕分け・発送・配送といった機能ごとに拠点を専門特化させる動きや、AGV(自動搬送ロボット)をはじめとするマテハン機器の導入による自動化も加速している。

 

 

主要EC事業者の物流センター延べ床面積

 

それでは、主要EC事業者の巨大物流拠点である物流センターの延べ床面積を、公開されている延べ床面積が大きい順に見ていこう。あくまで公開データのみを元に集計を行っているため、実際の正確な数値ではないことをご留意頂きたい。

 

Amazon Japan 2,263,222平方メートル(684,625坪、但し非公開の川島FC・狭山FC・アーバンFC5拠点・上尾堤崎FC・板橋FC・江東FC・新潟FC・豊見城FC・八瀬ソートセンターを除く)

EC業界最大手である「Amazon Japan」は、非常に多くの物流拠点を持っている。2026年6月時点で計42カ所の拠点を確認でき、うち床面積を公開しているのは29拠点。合計は2,263,222平方メートルと、2023年時点(1,680,022平方メートル)から約34.7%増加し、2位以下を大きく引き離して首位を維持している。

2013年稼働の小田原FC(20万平方メートル)を筆頭に大型拠点の稼働が続いており、直近では2023年に相模湖FC(15万平方メートル)、2024年にロジクロス名古屋みなと(約12万5,200平方メートル)、2026年3月には流山おおたかの森FC(10万8,000平方メートル)が稼働した。一方、板橋FC・江東FC・新潟FC・豊見城FCなど2025年前後に稼働した拠点は床面積が非公開のものが多く、実際の総面積はさらに大きいとみられる。また2023年には仕分け専用の「八瀬ソートセンター」も稼働しており、保管・出荷機能に加えて仕分け機能に特化した拠点の展開も進んでいる。

アマゾンは以前より新設拠点に物流ロボット「Amazon Robotics」を積極導入しており、少ない床面積での業務効率化を図ってきた。拠点数・延べ床面積いずれも他企業を桁違いに引き離しており、王者Amazonを支えているものは、このような物流拠点の存在が大きいのだろう。

▲2026年3月に稼働した流山おおたかの森FC外観

 

ニトリ 1,104,299平方メートル(334,050坪、但し非公開の所沢DC・三郷DC・川崎DC・横浜DC・大阪南営業所・沖縄DCを含む全国87カ所の営業所を除く)

大手ホームセンターの「ニトリ」を運営するニトリホールディングスは、物流子会社ホームロジスティクスを通じて全国97拠点(閉鎖済みの札幌DCを除く)を展開している。うち床面積を公開しているのは10拠点で、合計は1,104,299平方メートル。2023年時点(908,420平方メートル)から約21.6%増加し、Amazonに次ぐ規模を維持している。

最大の拠点は2024年3月稼働の幸手DC(約21万平方メートル)で、名古屋DC(約14万1,000平方メートル)、五霞DC(約14万平方メートル)、福岡DC(約11万平方メートル)が続く。ニトリの拠点網は、大型の「DC(ディストリビューションセンター)」と、全国各地に配置された小規模な「営業所」で構成されており、営業所の多くは床面積が非公開である。所沢DCや三郷DC、大阪南営業所などは社内的に「配送センター」に分類されているとみられる記載もあり、保管・仕分けを担うDCと、地域への最終配送を担う配送センター・営業所とを機能別に使い分けていることがうかがえる。大きなサイズの商材が多いため、物流拠点の拡充は業績に直結する重要なテーマであり、自社物流センターに対する本格的な取り組みが引き続き見て取れる。

▲2025年1月竣工の福岡DCイメージ図

 

楽天 792,735平方メートル(239,802坪、但し非公開のRFC松戸・RFC飯塚・RFC南港を除く)

楽天グループ株式会社が運営する「楽天市場」は、現時点で計19カ所の物流拠点を持っている。うち15拠点の床面積を確認でき、合計は792,735平方メートル。EC全般を担う楽天市場向け拠点(613,735平方メートル)と、生鮮・日用品ECを担う楽天マート向け拠点(179,000平方メートル)を合わせた数値で、2023年時点(792,735平方メートル)からはほぼ横ばいとなった。

千葉県市川市に集中していた初期拠点(RFC市川Ⅰ〜Ⅳ)に加え、川西・流山・枚方・習志野・中央林間・福岡・八尾・多摩と全国へ拠点を拡大している。また生鮮・日用品ECを担う楽天マート向けにはDPL茨木・MFLP横浜港北・iFC松戸を運営しており、EC全般に加えて食品配送領域でも物流網を強化している。松戸・飯塚・南港の3拠点は名称のみ確認でき、床面積は非公開となっている。

 

ASKUL 692,984平方メートル(209,628坪)

オフィス向けECを展開する「ASKUL」、さらには個人向けECサービス「LOHACO」双方の物流を担うアスクル株式会社は、現時点で10カ所の拠点を持ち、そのすべての床面積を公開している。合計は692,984平方メートルで、2023年時点(628,152平方メートル)から約10.3%増加した。

最大拠点は事業所向け通販とLOHACOの物流を担う関西DC(16万5,000平方メートル)で、2024年3月に竣工した関東DC(104,931.76平方メートル)が2番目の規模となる。関東DCはAGV(自動搬送ロボット)を積極的に導入した先進拠点で、ロングテール商品を集約することで箱単価の向上と配送費比率の低減を図っている。なお、同社は複数の拠点を離して確保するリスクヘッジの観点から、防災協定の締結など安全確保にも継続して取り組んでいる。

▲2024年3月竣工の関東DC外観

 

ZOZOTOWN 579,300平方メートル(175,238坪)

大手ファッションECサイト「ZOZOTOWN」を運営する株式会社ZOZOの物流拠点は「ZOZOBASE」と呼ばれる。現時点で6拠点すべての床面積を公開しており、合計は579,300平方メートル。2023年時点から拠点数・面積ともに変動はなく、直近3年は新規拠点の稼働がない状況が続いている。

千葉県習志野市とつくば市に拠点を集約しているのが特徴で、最大拠点はつくば市の「ZOZOBASEつくば1」(14万1,000平方メートル)。2023年1月に「ZOZOBASEつくば3」が稼働して以降、大型拠点の新設は確認されていないが、既存拠点の運用効率化が進んでいるとみられる。

 

ヨドバシカメラ 411,927平方メートル(124,608坪、但し非公開の桑名・八王子を除く)

大手家電量販店である株式会社ヨドバシカメラのECサイト「ヨドバシ.com」は、現時点で計4カ所の物流拠点を持っている。うち床面積を確認できたのは川崎・六甲の2拠点で、合計は411,927平方メートル。特に川崎のアッセンブリーセンターは2015年の増床以降も継続して施設の拡大が行われており、2024年9月には既存施設と合わせて311,927平方メートルとなった。単独の物流拠点としては調査対象の中でも最大級の規模を誇る。

もう一方の六甲アッセンブリーセンター(100,000平方メートル)は2007年冬に稼働している。桑名のアッセンブリーセンターは2015年の稼働開始以降、詳細が公開されておらず床面積は不明のままだ。2026年2月には新たに八王子アッセンブリーセンターの稼働も確認されたが、こちらも床面積は非公開となっている。拠点数は少ないがそれぞれが広大な敷地を持つことが特徴で、他の家電量販店と比べEC物流拠点の拡充に力を入れている。

 

モノタロウ 294,200平方メートル(89,006坪、但し2027年5月稼働予定の水戸DCを除く)

資材・間接材の通販サイト「モノタロウ」を運営する株式会社MonotaROは、現時点で4カ所の物流拠点を確認でき、うち3拠点の床面積を公開している。合計は294,200平方メートル。

2017年2月稼働の笠間DC(56,200平方メートル)、2021年1月稼働の茨城中央サテライトセンター(49,000平方メートル)に加え、2021年11月には最大拠点となる猪名川DC(189,000平方メートル)が稼働した。猪名川DCはマテハン機器を積極的に導入した自動化拠点として知られ、関西エリアの出荷能力強化を担っている。さらに2027年5月には茨城県内に水戸DC(74,000平方メートル)の稼働も予定されており、稼働開始後は延べ床面積が36万平方メートルを超える見込みだ。

▲2027年5月竣工予定の水戸DCイメージ図

 

ベルメゾンネット 132,879平方メートル(40,196坪、但し非公開の鹿沼ディストリビューションセンターを除く)

カタログ通販大手の株式会社千趣会が運営するベルメゾンのECサイト「ベルメゾンネット」は、現時点で計3カ所の拠点を持っている。うち床面積を公開しているのは可児ディストリビューションセンター(1995年稼働、81,453平方メートル)と美濃加茂ディストリビューションセンター(51,426平方メートル)の2拠点で、合計132,879平方メートルは2023年時点から横ばいとなっている。栃木県の鹿沼ディストリビューションセンターは床面積非公開のままだ。

 

ユニクロ 112,403平方メートル(34,002坪、但し非公開の西日本倉庫を除く)

ファストファッションを中心に事業展開する株式会社ファーストリテイリングの「ユニクロ」は、現時点で有明と西日本の計2カ所の拠点を持っている。有明倉庫(112,403平方メートル)はマテリアルハンドリングのトップ企業であるダイフクと協業し、物流倉庫の全自動化に取り組んできた拠点として知られる。2020年秋から稼働している西日本倉庫は有明を上回る規模とされるが、床面積は非公開のままとなっている。

 

ビックカメラ 112,000平方メートル(33,880坪、但し非公開の7拠点を除く)

大手家電量販店である株式会社ビックカメラのECサイト「ビックカメラ.com」は現時点で9カ所の物流拠点を持っている。2018年10月に新設された船橋センター(62,000平方メートル)・大阪センター(50,000平方メートル)以外の7拠点(札幌・東北・東松山・名古屋・広島・福岡・沖縄)に関する情報は公開されておらず、2拠点の合計112,000平方メートルは2023年時点から変動していない。

 

ショップチャンネル 95,000平方メートル(28,738坪)

ジュピターショップチャンネル株式会社の運営するTVショッピングサイト「ショップチャンネル」の物流拠点は、現時点で南船橋物流センターの1カ所のみである。かつては基幹拠点である茜浜物流センターに加え情報非公開の拠点を含む複数拠点体制であったが、取扱商品数・出荷数の増加への対応と拠点集約を目的に、定点ピッキングシステムなどを導入した南船橋物流センターへ移転している。ショップチャンネルの物流拠点は、ネット通販向けというよりTV通販の注文に対応する目的が大きいと思われる。

 

オイシックス・ラ・大地 60,879.35平方メートル(18,416坪、但し非公開の東大阪・札幌・板橋・習志野・座間の各ステーションを除く)

有機野菜・食品の定期宅配サービス「Oisix」などを展開する株式会社オイシックス・ラ・大地は、全国7カ所に「ステーション」と呼ばれる物流拠点を持つが、床面積を確認できたのは2拠点のみで、合計は60,879.35平方メートル。

東大阪・札幌・板橋・習志野・座間の各ステーションは1988年から2012年にかけて順次稼働してきた比較的古い拠点で、床面積は非公開のままとなっている。一方、2021年8月稼働の海老名ステーション(38,000平方メートル)に続き、2023年12月には低温食品に特化した厚木冷凍ステーション(22,879.35平方メートル)が稼働しており、生鮮食品ECならではの温度帯別の拠点整備が進んでいることがうかがえる。

▲2023年12月竣工の厚木冷凍ステーション外観

 

ディノス 52,804平方メートル(15,973坪、但し非公開のディノスフードロジスティクスセンター相模原を除く)

千趣会と同じくカタログ通販大手である株式会社ディノスコーポレーションの運営する「ディノス」は、現時点で計2カ所の物流拠点を持っている。うち床面積を公開しているのはディノスロジスティクスセンター東京(52,804平方メートル)の1拠点で、2023年時点から横ばいとなっている。2022年稼働のディノスフードロジスティクスセンター相模原は床面積非公開のままだ。なお、2021年にセシール事業を譲渡しディノス・セシールからディノスコーポレーションへ商号を変更しているが、東京の自社物流センターに特に大きな影響はないようだ。

 

SHOPLIST 45,348平方メートル(13,718坪)

クルーズ株式会社の運営するファストファッション通販「SHOPLIST.com by CROOZ」は、2018年12月に稼働した神奈川県相模原市の物流拠点(45,348平方メートル)を運営している。事業拡大に伴い大規模拠点が必要になったとされ、それ以降の増床などは確認されておらず、当時の状態を維持しているとみられる。

 

イトーヨーカドー 36,456平方メートル(11,028坪、但し非公開の流山センターを除く)

株式会社セブン&アイ・ホールディングスのグループ企業である株式会社イトーヨーカ堂が運営するネット通販「イトーヨーカドーネット通販」は、2カ所の物流拠点を持っている。新横浜センター(36,456平方メートル)の床面積は公開されているが、2024年夏稼働予定とされていた流山センターに関する情報は現時点でも非公開のままだ。両拠点で首都圏の配送をほぼカバーし、ラストワンマイル強化につとめるとされる。

 

ショップジャパン 26,400平方メートル(7,986坪、但し非公開の西日本拠点を除く)

株式会社オークローンマーケティングが運営するTVショッピングサイト「ショップジャパン」は、現時点で計2カ所の物流拠点を持っている。千葉のOLM千葉ロジスティクスセンター(26,400平方メートル)に加え、西日本向けの拠点を運営しているが、詳細は非公開のため上述の床面積は千葉ロジスティクスセンターのみのものである。この物流拠点もショップチャンネル同様、ネット通販向けというよりTV通販の注文に対応する目的が大きいと思われる。

 

その他の主要EC事業者

ここまで紹介した物流センターは延べ床面積が公開されているものだ。上記以外にも、マガシーク株式会社が運営するレディースファッション通販「MAGASEEK」は自社で扱う商品を一括で集約する物流拠点magacoをはじめとして現時点で計4拠点を持ち、株式会社ジャパネットホールディングスが運営するTV通販の「ジャパネットたかた」は延べ面積は非公開だが計4拠点を運営するなど、多くのEC事業者が独自の物流センターの運営を行っている。また、アパレルECを展開する株式会社ジオシスは、キューエクスプレス物流センター(4,142.78平方メートル)の床面積を公開している。

 

 

拠点の機能分化と自動化がさらに進む主要EC事業者の巨大物流拠点

 

依然として大規模物流拠点の新設は続いている。物流・宅配事業者の慢性的な人手不足、そして宅配までのリードタイム削減のために大手のEC事業者は自社物流拠点を構築することが必至となる。今回確認できた公開拠点(現時点で稼働中のもの)の合計は、主要19事業者・88拠点で約682万平方メートルに達し、前回調査(2023年6月時点、約561万平方メートル)から約21.4%増加した。2027年5月に稼働予定のモノタロウ水戸DCを含めれば、公開分だけで約690万平方メートル・89拠点に及ぶ。このことは以前の調査から格段に増えた物流拠点の数からもうかがえるが、今後さらに加速していくと思われる。

拡大の一方で目立つのが、拠点の機能分化である。ニトリのように保管・在庫拠点としての「DC」と、地域配送を担う「配送センター」「営業所」とを役割ごとに使い分ける事業者や、Amazonの「八瀬ソートセンター」のように仕分けに特化した施設を新設する動きも見られる。従来は一つの拠点に集約されがちだった保管・仕分け・発送・配送の各機能が、拠点ごとに専門特化していく傾向は、今後さらに強まっていく可能性がある。

また、Amazonやユニクロのように物流倉庫の自動化に取り組み更なる効率化を目指す企業や、ASKULの関東DCにおけるAGV導入に代表されるように、新設・増床される大型拠点の多くはマテハン機器やロボティクスによる自動化を前提に設計されている。ビックカメラのようにEC物流に特化した拠点を新設する企業も含め、荷動きの増加と人手不足の双方に対応するため、拠点の拡大と自動化への投資は今後も並行して進んでいくとみられる。

このように、多くの消費者が気軽に「購入」をクリックする裏側で、巨大な物流施設が休まず稼働している事実を垣間見ることができる。物流センターが私達のネットショッピングを支えていることを忘れず、自動化倉庫をはじめとして物流に関わる新技術の開発・発展に期待したい。なお、床面積が非公開の拠点も依然として多く、実際の物流拠点の総量は、本記事で示した数値をさらに上回るとみられる点には留意されたい。

 

 

▲2026年3月に稼働した流山おおたかの森FC外観

 

ニトリ 1,104,299平方メートル(334,050坪、但し非公開の所沢DC・三郷DC・川崎DC・横浜DC・大阪南営業所・沖縄DCを含む全国87カ所の営業所を除く)

大手ホームセンターの「ニトリ」を運営するニトリホールディングスは、物流子会社ホームロジスティクスを通じて全国97拠点(閉鎖済みの札幌DCを除く)を展開している。うち床面積を公開しているのは10拠点で、合計は1,104,299平方メートル。2023年時点(908,420平方メートル)から約21.6%増加し、Amazonに次ぐ規模を維持している。

最大の拠点は2024年3月稼働の幸手DC(約21万平方メートル)で、名古屋DC(約14万1,000平方メートル)、五霞DC(約14万平方メートル)、福岡DC(約11万平方メートル)が続く。ニトリの拠点網は、大型の「DC(ディストリビューションセンター)」と、全国各地に配置された小規模な「営業所」で構成されており、営業所の多くは床面積が非公開である。所沢DCや三郷DC、大阪南営業所などは社内的に「配送センター」に分類されているとみられる記載もあり、保管・仕分けを担うDCと、地域への最終配送を担う配送センター・営業所とを機能別に使い分けていることがうかがえる。大きなサイズの商材が多いため、物流拠点の拡充は業績に直結する重要なテーマであり、自社物流センターに対する本格的な取り組みが引き続き見て取れる。

▲2025年1月竣工の福岡DCイメージ図

 

楽天 792,735平方メートル(239,802坪、但し非公開のRFC松戸・RFC飯塚・RFC南港を除く)

楽天グループ株式会社が運営する「楽天市場」は、現時点で計19カ所の物流拠点を持っている。うち15拠点の床面積を確認でき、合計は792,735平方メートル。EC全般を担う楽天市場向け拠点(613,735平方メートル)と、生鮮・日用品ECを担う楽天マート向け拠点(179,000平方メートル)を合わせた数値で、2023年時点(792,735平方メートル)からはほぼ横ばいとなった。

千葉県市川市に集中していた初期拠点(RFC市川Ⅰ〜Ⅳ)に加え、川西・流山・枚方・習志野・中央林間・福岡・八尾・多摩と全国へ拠点を拡大している。また生鮮・日用品ECを担う楽天マート向けにはDPL茨木・MFLP横浜港北・iFC松戸を運営しており、EC全般に加えて食品配送領域でも物流網を強化している。松戸・飯塚・南港の3拠点は名称のみ確認でき、床面積は非公開となっている。

 

ASKUL 692,984平方メートル(209,628坪)

オフィス向けECを展開する「ASKUL」、さらには個人向けECサービス「LOHACO」双方の物流を担うアスクル株式会社は、現時点で10カ所の拠点を持ち、そのすべての床面積を公開している。合計は692,984平方メートルで、2023年時点(628,152平方メートル)から約10.3%増加した。

最大拠点は事業所向け通販とLOHACOの物流を担う関西DC(16万5,000平方メートル)で、2024年3月に竣工した関東DC(104,931.76平方メートル)が2番目の規模となる。関東DCはAGV(自動搬送ロボット)を積極的に導入した先進拠点で、ロングテール商品を集約することで箱単価の向上と配送費比率の低減を図っている。なお、同社は複数の拠点を離して確保するリスクヘッジの観点から、防災協定の締結など安全確保にも継続して取り組んでいる。

▲2024年3月竣工の関東DC外観

 

ZOZOTOWN 579,300平方メートル(175,238坪)

大手ファッションECサイト「ZOZOTOWN」を運営する株式会社ZOZOの物流拠点は「ZOZOBASE」と呼ばれる。現時点で6拠点すべての床面積を公開しており、合計は579,300平方メートル。2023年時点から拠点数・面積ともに変動はなく、直近3年は新規拠点の稼働がない状況が続いている。

千葉県習志野市とつくば市に拠点を集約しているのが特徴で、最大拠点はつくば市の「ZOZOBASEつくば1」(14万1,000平方メートル)。2023年1月に「ZOZOBASEつくば3」が稼働して以降、大型拠点の新設は確認されていないが、既存拠点の運用効率化が進んでいるとみられる。

 

ヨドバシカメラ 411,927平方メートル(124,608坪、但し非公開の桑名・八王子を除く)

大手家電量販店である株式会社ヨドバシカメラのECサイト「ヨドバシ.com」は、現時点で計4カ所の物流拠点を持っている。うち床面積を確認できたのは川崎・六甲の2拠点で、合計は411,927平方メートル。特に川崎のアッセンブリーセンターは2015年の増床以降も継続して施設の拡大が行われており、2024年9月には既存施設と合わせて311,927平方メートルとなった。単独の物流拠点としては調査対象の中でも最大級の規模を誇る。

もう一方の六甲アッセンブリーセンター(100,000平方メートル)は2007年冬に稼働している。桑名のアッセンブリーセンターは2015年の稼働開始以降、詳細が公開されておらず床面積は不明のままだ。2026年2月には新たに八王子アッセンブリーセンターの稼働も確認されたが、こちらも床面積は非公開となっている。拠点数は少ないがそれぞれが広大な敷地を持つことが特徴で、他の家電量販店と比べEC物流拠点の拡充に力を入れている。

 

モノタロウ 294,200平方メートル(89,006坪、但し2027年5月稼働予定の水戸DCを除く)

資材・間接材の通販サイト「モノタロウ」を運営する株式会社MonotaROは、現時点で4カ所の物流拠点を確認でき、うち3拠点の床面積を公開している。合計は294,200平方メートル。

2017年2月稼働の笠間DC(56,200平方メートル)、2021年1月稼働の茨城中央サテライトセンター(49,000平方メートル)に加え、2021年11月には最大拠点となる猪名川DC(189,000平方メートル)が稼働した。猪名川DCはマテハン機器を積極的に導入した自動化拠点として知られ、関西エリアの出荷能力強化を担っている。さらに2027年5月には茨城県内に水戸DC(74,000平方メートル)の稼働も予定されており、稼働開始後は延べ床面積が36万平方メートルを超える見込みだ。

▲2027年5月竣工予定の水戸DCイメージ図

 

ベルメゾンネット 132,879平方メートル(40,196坪、但し非公開の鹿沼ディストリビューションセンターを除く)

カタログ通販大手の株式会社千趣会が運営するベルメゾンのECサイト「ベルメゾンネット」は、現時点で計3カ所の拠点を持っている。うち床面積を公開しているのは可児ディストリビューションセンター(1995年稼働、81,453平方メートル)と美濃加茂ディストリビューションセンター(51,426平方メートル)の2拠点で、合計132,879平方メートルは2023年時点から横ばいとなっている。栃木県の鹿沼ディストリビューションセンターは床面積非公開のままだ。

 

ユニクロ 112,403平方メートル(34,002坪、但し非公開の西日本倉庫を除く)

ファストファッションを中心に事業展開する株式会社ファーストリテイリングの「ユニクロ」は、現時点で有明と西日本の計2カ所の拠点を持っている。有明倉庫(112,403平方メートル)はマテリアルハンドリングのトップ企業であるダイフクと協業し、物流倉庫の全自動化に取り組んできた拠点として知られる。2020年秋から稼働している西日本倉庫は有明を上回る規模とされるが、床面積は非公開のままとなっている。

 

ビックカメラ 112,000平方メートル(33,880坪、但し非公開の7拠点を除く)

大手家電量販店である株式会社ビックカメラのECサイト「ビックカメラ.com」は現時点で9カ所の物流拠点を持っている。2018年10月に新設された船橋センター(62,000平方メートル)・大阪センター(50,000平方メートル)以外の7拠点(札幌・東北・東松山・名古屋・広島・福岡・沖縄)に関する情報は公開されておらず、2拠点の合計112,000平方メートルは2023年時点から変動していない。

 

ショップチャンネル 95,000平方メートル(28,738坪)

ジュピターショップチャンネル株式会社の運営するTVショッピングサイト「ショップチャンネル」の物流拠点は、現時点で南船橋物流センターの1カ所のみである。かつては基幹拠点である茜浜物流センターに加え情報非公開の拠点を含む複数拠点体制であったが、取扱商品数・出荷数の増加への対応と拠点集約を目的に、定点ピッキングシステムなどを導入した南船橋物流センターへ移転している。ショップチャンネルの物流拠点は、ネット通販向けというよりTV通販の注文に対応する目的が大きいと思われる。

 

オイシックス・ラ・大地 60,879.35平方メートル(18,416坪、但し非公開の東大阪・札幌・板橋・習志野・座間の各ステーションを除く)

有機野菜・食品の定期宅配サービス「Oisix」などを展開する株式会社オイシックス・ラ・大地は、全国7カ所に「ステーション」と呼ばれる物流拠点を持つが、床面積を確認できたのは2拠点のみで、合計は60,879.35平方メートル。

東大阪・札幌・板橋・習志野・座間の各ステーションは1988年から2012年にかけて順次稼働してきた比較的古い拠点で、床面積は非公開のままとなっている。一方、2021年8月稼働の海老名ステーション(38,000平方メートル)に続き、2023年12月には低温食品に特化した厚木冷凍ステーション(22,879.35平方メートル)が稼働しており、生鮮食品ECならではの温度帯別の拠点整備が進んでいることがうかがえる。

▲2023年12月竣工の厚木冷凍ステーション外観

 

ディノス 52,804平方メートル(15,973坪、但し非公開のディノスフードロジスティクスセンター相模原を除く)

千趣会と同じくカタログ通販大手である株式会社ディノスコーポレーションの運営する「ディノス」は、現時点で計2カ所の物流拠点を持っている。うち床面積を公開しているのはディノスロジスティクスセンター東京(52,804平方メートル)の1拠点で、2023年時点から横ばいとなっている。2022年稼働のディノスフードロジスティクスセンター相模原は床面積非公開のままだ。なお、2021年にセシール事業を譲渡しディノス・セシールからディノスコーポレーションへ商号を変更しているが、東京の自社物流センターに特に大きな影響はないようだ。

 

SHOPLIST 45,348平方メートル(13,718坪)

クルーズ株式会社の運営するファストファッション通販「SHOPLIST.com by CROOZ」は、2018年12月に稼働した神奈川県相模原市の物流拠点(45,348平方メートル)を運営している。事業拡大に伴い大規模拠点が必要になったとされ、それ以降の増床などは確認されておらず、当時の状態を維持しているとみられる。

 

イトーヨーカドー 36,456平方メートル(11,028坪、但し非公開の流山センターを除く)

株式会社セブン&アイ・ホールディングスのグループ企業である株式会社イトーヨーカ堂が運営するネット通販「イトーヨーカドーネット通販」は、2カ所の物流拠点を持っている。新横浜センター(36,456平方メートル)の床面積は公開されているが、2024年夏稼働予定とされていた流山センターに関する情報は現時点でも非公開のままだ。両拠点で首都圏の配送をほぼカバーし、ラストワンマイル強化につとめるとされる。

 

ショップジャパン 26,400平方メートル(7,986坪、但し非公開の西日本拠点を除く)

株式会社オークローンマーケティングが運営するTVショッピングサイト「ショップジャパン」は、現時点で計2カ所の物流拠点を持っている。千葉のOLM千葉ロジスティクスセンター(26,400平方メートル)に加え、西日本向けの拠点を運営しているが、詳細は非公開のため上述の床面積は千葉ロジスティクスセンターのみのものである。この物流拠点もショップチャンネル同様、ネット通販向けというよりTV通販の注文に対応する目的が大きいと思われる。

 

その他の主要EC事業者

ここまで紹介した物流センターは延べ床面積が公開されているものだ。上記以外にも、マガシーク株式会社が運営するレディースファッション通販「MAGASEEK」は自社で扱う商品を一括で集約する物流拠点magacoをはじめとして現時点で計4拠点を持ち、株式会社ジャパネットホールディングスが運営するTV通販の「ジャパネットたかた」は延べ面積は非公開だが計4拠点を運営するなど、多くのEC事業者が独自の物流センターの運営を行っている。また、アパレルECを展開する株式会社ジオシスは、キューエクスプレス物流センター(4,142.78平方メートル)の床面積を公開している。

 

 

拠点の機能分化と自動化がさらに進む主要EC事業者の巨大物流拠点

 

依然として大規模物流拠点の新設は続いている。物流・宅配事業者の慢性的な人手不足、そして宅配までのリードタイム削減のために大手のEC事業者は自社物流拠点を構築することが必至となる。今回確認できた公開拠点(現時点で稼働中のもの)の合計は、主要19事業者・88拠点で約682万平方メートルに達し、前回調査(2023年6月時点、約561万平方メートル)から約21.4%増加した。2027年5月に稼働予定のモノタロウ水戸DCを含めれば、公開分だけで約690万平方メートル・89拠点に及ぶ。このことは以前の調査から格段に増えた物流拠点の数からもうかがえるが、今後さらに加速していくと思われる。

拡大の一方で目立つのが、拠点の機能分化である。ニトリのように保管・在庫拠点としての「DC」と、地域配送を担う「配送センター」「営業所」とを役割ごとに使い分ける事業者や、Amazonの「八瀬ソートセンター」のように仕分けに特化した施設を新設する動きも見られる。従来は一つの拠点に集約されがちだった保管・仕分け・発送・配送の各機能が、拠点ごとに専門特化していく傾向は、今後さらに強まっていく可能性がある。

また、Amazonやユニクロのように物流倉庫の自動化に取り組み更なる効率化を目指す企業や、ASKULの関東DCにおけるAGV導入に代表されるように、新設・増床される大型拠点の多くはマテハン機器やロボティクスによる自動化を前提に設計されている。ビックカメラのようにEC物流に特化した拠点を新設する企業も含め、荷動きの増加と人手不足の双方に対応するため、拠点の拡大と自動化への投資は今後も並行して進んでいくとみられる。

このように、多くの消費者が気軽に「購入」をクリックする裏側で、巨大な物流施設が休まず稼働している事実を垣間見ることができる。物流センターが私達のネットショッピングを支えていることを忘れず、自動化倉庫をはじめとして物流に関わる新技術の開発・発展に期待したい。なお、床面積が非公開の拠点も依然として多く、実際の物流拠点の総量は、本記事で示した数値をさらに上回るとみられる点には留意されたい。

 

 

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