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2025年、中小企業がAmazon等のオンラインマーケットプレイスで成功を収める方法

2025年、中小企業がAmazon等のオンラインマーケットプレイスで成功を収める方法

トレンド
2024/12/13

Amazon(米国発、世界最大のeコマースプラットフォーム)、Shopify(カナダの多国籍eコマース)、Etsy(米国のハンドメイド商品などを売買できるグローバルプラットフォーム) のようなプラットフォームで成功し、世界中の顧客にリーチし、信頼を築き、ブランドを成長させるための利点、課題、戦略について学ぼう。


重要なポイント

• 世界のeコマース市場は、2028年までに7兆ドル近くに達すると予想されている。Amazon、Shopify、Etsyなどのオンラインマーケットプレイスは、中小企業にリーチを拡大し、収益を増やす機会を提供する。

• これらのプラットフォームで成功するには、適切なプラットフォームの選択、料金とサポートリソースについての理解、一貫したブランドの維持、効果的なフルフィルメントメソッドの選択、プラットフォームの検索アルゴリズムの最適化など、戦略的な計画が必要である。

今日の消費者は、利便性と即時に得られる満足感を求めている。そのため、何百万人もの消費者が日常の買い物にAmazonのようなプラットフォームを利用している。ボタンをクリックするだけで、欲しい商品が数日以内に(あるいはそれより早く) 自宅に届くのだ。テクノロジーと世界的パンデミックによる消費者行動の変化により、eコマースは今後も急速に成長し続けると予想されている。2028年までに、世界のeコマース市場は50%増の7兆ドル近くに達すると予想されている。

今日の現代経済では、大半の起業家や中小企業のオーナーは、ソーシャルメディア、チャットボット、ワークフローの自動化、そしてCRMプラットフォームを通じてテクノロジーを活用することが求められている。これは起業家にとって複雑でストレスのかかることである一方で、インターネットにより、特に製品ベースのビジネスでは、世界中の何百万人もの潜在顧客にリーチし、eコマースを通じて大きな収益を生み出すことが可能となった。

しかし、2025年は中小企業がAmazon、Shopify、Etsyなどのグローバルマーケットプレイスを活用するのに適切な時期なのだろうか。最近の傾向では、中小企業がこれらのプラットフォームを通じて驚異的な成長と成功を収めていることが示されている。


Amazon
やその他のオンラインマーケットプレイスのメリット

Amazonのような確立されたオンラインマーケットプレイスを活用してeコマースのプレゼンスを構築することには、幅広い利点がある。これらの利点を得るのに最適な中小企業には、スケーラブルなサプライチェーンを備えた、確立された製品ベースの企業、国際市場への拡大またはダイバーシティを目指すブランド、eコマースのプレゼンスを構築するための安価なオプションを必要とする企業、ニッチまたは特殊製品のプロバイダーが含まれる。

幅広いリーチとグローバルなアクセス: 中小企業は、従来のマーケティングでは満足のいく数のオーディエンスにリーチするのに苦労することが多い。多くの場合、オーディエンスは、自社で構築したローカルコミュニティまたはオンラインコミュニティに限定される。Amazonなどのグローバルマーケットプレイスでは、中小企業が何百万もの新規顧客にアクセスし、ほとんど、あるいはまったく労力をかけずに新たな国際市場に進出することができる。

消費者の信頼とブランド露出: 消費者の信頼を得ることは容易ではない。特に、大手ブランドのような社会的信用が確立できていないスタートアップや中小企業にとってはなおさらである。Amazonなどのオンラインマーケットプレイスは、信頼できるソースから商品を購入したいと考える消費者に一定の安心感を提供する。消費者は特定のビジネスに精通していないかもしれないが、そのプラットフォームで過去に購入したものと同じものを購入できるという安心感があるのだ。

• マーケティングおよびSEOツールを組み込む: オンラインオーディエンスにリーチするのは、非常に困難である。SEO(検索エンジン最適化)のルールは日々変化しているだけでなく、注目を集めるために何千もの類似ブランドと競合している。SEOやその他のオンラインマーケティング戦略の技術的概念を学ぶことは、複雑で時間がかかるものである。幸いなことに、Amazonのようなプラットフォームは、SEOの第一人者にならずとも成功するために必要なツールを販売者に提供してくれる。


オンラインマーケットプレイスを最大限に活用する

eコマース事業の構築は、特効薬ではない。これらのプラットフォームで成功するには、戦略的な計画を立て、最初から適切な準備をする必要がある。起業家にとって、オンラインマーケットプレイスでeコマースを成功させるチャンスを高めるベストプラクティスを理解することが重要である。

私は、物流とeコマース・チャネル管理の専門家であるPrime Seller Pro(Amazonのセラー向けサービスを提供)のJamie LeBlanc氏に、2025年にeコマース戦略を検討する企業が調査すべき点について話を聞いた。同氏は、以下の調査すべき5つの主要分野を挙げた。

1. 適切なプラットフォームを選択する: 今日のeコマース業界では、Amazonが主流となっているようだ。Amazonは米国のeコマース市場の約40%を占めており、これは当然のことである。ただし、Amazonはすべてのビジネスに適しているわけではない。利用可能なプラットフォームは数多くあり、それぞれに長所と短所がある。たとえば、ハンドメイド商品や職人技の製品を生産するビジネスの場合、Etsyのようなプラットフォームの方が適している可能性がある。なぜなら、それらはEtsyの顧客が求めている種類の商品だからである。

2. 料金とサポートを考慮する: 各プラットフォームには、独自の料金表、インフラストラクチャ、および販売者サポートリソースがある。それぞれを慎重に評価して、どのプラットフォームが自社のビジネスに最適かを判断することが重要である。これらのプラットフォームを使用している他の中小企業からフィードバックを得て、彼らの経験、推奨事項、および避けることができる間違いについて詳しく知ることをお勧めする。

3. 強力で一貫性のあるブランドを構築する: サードパーティのプラットフォームで商品を販売する場合は、ブランドのルック&フィール(ブランドスタイルを決めるにあたっての基本的な考え方)を引き出すことが重要となる。ソーシャルメディア、Webサイト、オンラインマーケットプレイス全体で一貫性を保つことは、消費者が信頼できるプロフェッショナルな印象を与える鍵なのだ。メッセージに同様のトーンを取り入れ、可能な限り色やロゴなどのブランド要素を追加するようにしよう。

4. 注文の処理方法を選択する: 一部のプラットフォームには、商品を集中倉庫に発送して保管できるフルフィルメントサービスがある。商品を販売すると、プラットフォームが倉庫から注文をピックアップし、顧客に届ける。これにより、自社と顧客の双方にとってシームレスな体験が実現する。ただし、これは過剰在庫を抱えることも意味し、コストがかかる可能性がある。代替案は、すべてを自社で発送することである。この場合の欠点は、注文の処理、商品の梱包、出荷の手配に多くの手作業が必要になることだ。

5. プラットフォームの検索アルゴリズムを理解する: 人々が商品を見つけられなければ、商品を販売することはできない。プラットフォームのSEO基準に合わせて商品リストを最適化する方法を理解することが重要である。幸いなことに、ほとんどのプラットフォームでは、これを実現するためのリソースが豊富に用意されている。

Amazonのようなオンラインマーケットプレイスで成功するeコマース事業を構築することには、多くのメリットがある。しかし、適切な戦略を立てることは、競争で優位に立ち、急速に変化する消費者行動に対応するための鍵となる。起業家は、市場調査に傾注し、選択しようとしているものが自社のビジネスに適しているかどうかを慎重に判断する必要があるのだ。


※当記事は欧州メディア「Entrepreneur」の12/3公開の記事を翻訳・補足したものです。