2025年、アジアのオンラインマーケットプレイスSheinとTemuの成長率は大幅に低下する見込みである。これは、米国に本社を置く調査会社Forresterが公開したレポートで予測されたものである。この成長率の低下予測は、現状の同マーケットプレイスに対する不満に関連している。
Forresterは、欧州の小売に関するレポートを定期的に発表している。同社は昨年、今後数年間で欧州におけるオンライン小売支出が急増すると予測している。
2025年の小売業予測
この度、2025年の小売予測に関するレポートが発表された。その中で同社は、オンラインマーケットプレイスのSheinとTemuの売上が「急落」すると述べている。
今年初め、Temuはフランスでの販売開始から4か月で、競合のSheinを上回る市場シェア(金額ベース)を達成した。調査によると、Temのフランスでの普及率は11.9%。Sheinの普及率は12.8%である。
環境保護団体と政府のターゲット
SheinとTemuが、欧州での販売開始以来、急成長を遂げていることは明らかである。しかし、Forresterのレポートでは、「商品の品質、非倫理的な生産プロセス、輸送における不当な優位性に関する不満、そしてナショナリズムの高まり」が、環境保護団体や政府のターゲットになっているとしている。
すでに両マーケットプレイスは欧州委員会に対し、欧州の買い物客に対するサービスに関するさまざまな側面について詳細な情報を提供せざるを得ない状況になっている。さらに、欧州の消費者団体や利益団体は、両プラットフォームが欧州の規制を遵守していないとして、すでに何度も抗議している。
「SheinはまだIPO(新規公開株式)に成功しておらず、Temuは高い顧客獲得コストに苦戦している」
こうした問題により、両プラットフォームの成長率は鈍化すると予想される。さらに、Sheinは英国でのIPOを検討しているが、まだ成功には至っていない。Temuも高い顧客獲得コストに悩まされており、それも成長鈍化の一因となる可能性がある。
※当記事は欧州メディア「Ecommerce News Europe」の10/29公開の記事を翻訳・補足したものです。