マーケティング・リサーチ事業を手がける日本インフォメーション株式会社は、デジタルネイティブ世代と呼ばれているZ世代の情報収集やSNS利用などを調査し「Z世代のイマ番外編~デジタルネイティブ世代の情報収集・SNS利用~」を公表した。
調査結果
普段どのようなサイト・アプリを使用しているのか質問したところ、情報、まとめ・キュレーションサイトでは、「Google(検索)」がいずれの年代でも最も高い値だった。「Yahoo!ニュース」はZ世代で19.0%、Y世代で30.3%という回答に対し、X世代では58.1%と世代間での差が顕著に表れていた。続いてSNSのカテゴリでは、1位はすべての世代で「LINE」となっており、 2番目に多いのはZ世代で「Instagram」 、Y世代、X世代以上が「X(旧Twitter)」となっていた。1位の「LINE」では、いずれの世代でも半数を超えて利用者がいたことから、広い世代で使われていることが分かった。また、Z世代は流行りやトレンドが多く発信されていたり、友達とのコミュニケーションとしても使われるInstagramを支持していることがうかがえた。
よく利用するショッピング通販サイトについては、Z世代、Y世代が「Amazon」、X世代以上では「楽天」がトップだった。また、Z世代女性では「SHIEN」が31.2%となっていて、低価格かつ商品数が多く自分好みのものが見つけられる点が支持されているようだった。動画配信サイトにおいては、「Youtube(通常)」がいずれの年代でも高くなっており、広く普及されてしている一方で、「Youtube(ショート)」はZ世代の選択率が高く、特に男性は42.2%と高水準だった。動画自体は世代問わず普及した様子だが、近年注目を集めているTikTokやInstagramリールの普及も相まってか、ショート動画はZ世代が中心のようだった。
普段使用しているものの中で頻度が高いものを3つ選択してもらい、その結果を上位5位までランキング形式にまとめたところ、Z世代、Y世代では「Youtube(通常)」が最も多く、X世代以上では「Google(検索)」が1位だった。特徴として、Z世代女性は唯一「 Google(検索) 」がランクインされておらず、YoutubeやInstagramなどSNSを通して情報を得ているのではと推察される。
Z世代に、各SNSがどのように使われているのか確認したところ、Instagramでは「フォローしているアカウントの投稿を閲覧する」が51.8%と半数以上で最も高くなっていた。また、2番目に多かった「ストーリーズに投稿する」は46.8%となっており、閲覧だけではなく自己表現やコミュニケーション手段として利用されているバランスのよさが人気の理由かもしれない。
一方、Xは「フォローしているアカウントの投稿を閲覧する」と「時間つぶしのため」が47.1%で最も高かったものの、「投稿する」と回答したのはSNSの中で最も多く、閲覧しつつも自身も投稿している人が多いようだった。TikTok、YouTubeは「投稿する」の選択率がInstagramやXと比較して大幅に低く、閲覧や時間つぶしが主な目的として使われていた。
続いて、普段日用品関連の商品を購入する際に参考にしている情報について尋ねると、Z世代は「家族や友人のおすすめ・口コミ」が最多となってる一方、X世代以上は「店頭POPや商品パッケージ」が最多となっていた。参考の内訳としては、Z世代の女性が「インフルエンサー」「芸能人・モデル・アーティスト」といった憧れの存在を参考にしているものの、Y世代の女性は「ECサイト購入者」のおすすめが多く、自分と近い消費者の口コミを参考にしていた。
まとめ
今回ほかの年代との比較を中心にZ世代の情報収集・SNS利用についてみたが、Instagramを中心としたSNSの利用は、情報収集から他人との連絡や購買行動まで多岐に渡るため、アプリ滞在時間も利用頻度も高く、押しつけ感のある広告よりもインフルエンサーや芸能人、SNSのおすすめが商品購入のきっかけになるようだった。このことから、企業側のZ世代攻略は、今後よりUGC(User Generated Contents)を施策にうまく取り入れていくことが重要になるのではないだろうか。