フランスの郵便サービス会社La Poste(フランス郵政公社)は、パリの2つの郵便局に試着室を設置した。同社は合計7つの支店に試着室を設置したいと考えている。この試みにより、顧客はオンラインで注文した商品を受け取り後すぐに試着することができる。
La Posteによると、多くの顧客は郵便局で荷物を受け取り、結局同じ荷物を返品しているという。フランスの顧客は、新しい服を試す必要なく、特定の郵便局で直接試着できるようになった。
試着室で服を試着した後、顧客は注文した商品をすぐに返品することもできる。顧客は、注文した荷物の返品用ラベルを無料で印刷できる。
より多くの顧客を惹きつける
「私たちは、顧客の生活をもっと楽にしたいと考えている。この実験により、彼らの時間と労力を節約できる」と、同社は語る。この試みは、より多くの顧客に同社のサービスを利用してもらうための手段でもある。他の郵便会社と同様に、La Posteでは最近、処理する手紙の数が減少している。同社は物流サービスに投資することで、それを補おうとしているのだ。
「La Posteは今年、他の3つの支店でも試着室を設置する予定だ」
最初の試着室は現在、パリにあるLa Posteの郵便局2ヶ所に設置されている。今年同社は 、試着室をValenciennes(バレンシエンヌ、フランス北部の都市)、Saint-Etienne(サンテティエンヌ、フランス中南東部の都市)、Amiens(アミアン、フランス北部の都市)の3ヶ所の支店にも試着室を設置する予定。このいわゆる「eコマース・モジュール」は、最終的には同社の7つの支店でテストされる予定である。
ビジネス協会は不満
フランス貿易協議会Conseil du Commerce de France (CdCF)は、この試みを快く思っていない。CdCFは、試着室の設置により、オンラインショッピングが顧客にとってより魅力的なものになってしまうのではないかと懸念している。
「フランス貿易協議会は、この試みにより実店舗に足を運ぶ人が減るのではないかと懸念している」
これにより、実店舗に足を運ぶ人が減るかもしれないからだ。フランス郵政公社がこの実験を全国展開することになれば、その可能性はさらに高まるだろう。今のところ、同社はサービスをそこまで拡大する計画を発表していない。
※当記事は欧州メディア「Ecommerce News Europe」の1/12公開の記事を翻訳・補足したものです。