BEENOS株式会社は、2023年の消費傾向を振り返り、海外でヒットした商品カテゴリや消費傾向を紹介するランキングの「BEENOS 越境EC ヒットランキング 2023」を発表した。
調査結果
2023年のヒットランキング・伸長ランキングでは、「おもちゃ・ホビー・グッズ」「音楽」「ファッション」「フィギュア」など、越境ECの人気カテゴリが並んだ。一見すると今までと大きな変化がないように見えるが、「購入者」に目を移すと全世界的に若年層や女性ユーザーの数が増加傾向にあった。これは、2022年以来の円安傾向が続いていることから、日本の商品を購入しやすい環境が後押しとなり、これまで30代以上の男性に特に強く表れていた趣味的消費傾向が全世界的に幅広い層に拡大したためだと考えられる。
続いて、総合ランキング・伸長ランキングにランクインしたカテゴリ内で、特徴的な動きを見せたカテゴリを見ていくと、伸長率1位の「タレントグッズ」では、K-POPアーティストの関連グッズに大きな動きがあり、前年同期比で2.1倍の伸長を見せた。この結果から世界的なK-POPブームとともに、日本の越境EC市場がアジアコンテンツの窓口としても認識されているということが分かった。
音楽ジャンルでは、2023年5月にSpotifyが公開したプレイリスト「ガチャポップ」にリストされたアーティストの関連商品が前年同期比で2倍に伸長した。この「ガチャポップ」は2023年5月に音楽ストリーミングサービス、Spotifyが今年5月に公開したオリジナルのプレイリストで、日本の多様な音楽ジャンルをボーダレスに選曲しており、90年代~2020年代までにデビューしたアーティスト70組以上がリストアップされている。アーティスト1組ずつのボリュームはそこまで大きくないが、関連アーティストの商品はプレイリスト公開以降から伸長を見せ、今後の大きなムーブメントへの期待がされている。
「カメラ・光学機器」カテゴリでは、コンパクトデジタルカメラに特徴的な動きがみられ、2000年代に流行した機種の中古アイテムが人気を集めていた。コンパクトデジタルカメラは、クリア過ぎない画質がレトロであると20代の間で人気を集め、昨対で3.8倍に伸長している。さらに一眼レフカメラの購買層が60代中心で31%を占めるのに対し、コンパクトデジタルカメラは購買ユーザーの56%が20代となっており、Z世代の人気が顕著だった。
コミック・アニメグッズは越境ECで人気の高いジャンルで、配信サービスの浸透により、日本での放送とタイムラグなく、世界中で日本のアニメ作品がヒットするようになった。
2022年に第1期の放送が始まったアニメ作品に絞った人気ランキングでは、1位「チェンソーマン」、2位は「ちいかわ」、3位「SPY×FAMILY」、4位は「ぼっち・ざ・ろっく!」、5位は「その着せ替え人形は恋をする」となっており、特に「ちいかわ」が東アジアで爆発的な人気を見せている。
まとめ
コロナ禍をきっかけとして始まった越境ECのブームは、越境EC利用の定着やインバウンドの復活によって新たな段階に突入している。そのような状況下で、訪日客数がコロナ以前に戻りつつあり、海外ユーザーが日本の商品やコンテンツに直接触れ購入する機会も増えている。越境ECの導入が一般化しつつある中、訪日客との接点として越境ECを利用する流れは拡大しており、今後はより戦略的な取り組みが求められていくとみられる。
BEENOSグループのグローバルコマース事業について
BEENOSグループは越境EC黎明期である2008年より海外転送サービスである「転送コム」事業を開始し、海外発送オペレーションやグローバルなカスタマーサポートを提供してきた。また、海外への販売環境の構築に留まらずユーザー獲得や集客支援も提供しており、手厚い海外販売支援が評価され、BEENOSグループ全体での国内企業の越境EC支援実績は累計5,000件以上に上っている。
海外購入サポートサービス「Buyee」は、多様な配送手段や決済手段、北米やヨーロッパ、アジアへ向けた独自の物流サービスによる国際配送料の安さ、複数のサイトで購入した商品でも同梱できることなから、リピート率も高く、現在会員数は478万人以上となっている。
BEENOSグループは越境ECに取り組む企業を包括的にサポートするために今後もサービスの刷新・開発を推進していくとのこと。