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インフルエンサーマーケティングは、B2Bブランドに真のつながりをもたらす架け橋となるか

インフルエンサーマーケティングは、B2Bブランドに真のつながりをもたらす架け橋となるか

BtoB EC
2023/10/25

B2B向けインフルエンサーマーケティングの指標と無形の要素とは。そして、それがいかに信頼、信ぴょう性、ブランドレゾナンスを増幅できるかを深堀りする。


居心地の良いカフェに行ったことはあるだろうか。そこでは、バリスタがあなたのお気に入りのラテを作り、最近のできごとについて話してくれるだろう。それが、リアルな「人とのふれあい」である。それこそが、「つながり」である。自宅近くにチェーンのコーヒーショップがあったとしても、あなたはその居心地の良さに惹かれるだろう。

では、デジタルマーケティングの場で、その温かい雰囲気を想像してみよう。難しい状況だと思う。的外れと思われるブランドからの気乗りしない広告と興味のないキャンペーンで溢れているからだ。しかし、このネット上の靄を切り開く光、それこそがインフルエンサーマーケティングなのだ。それはまるで、広大なデジタルモールにあるお気に入りのカフェのようなものだ。しかし、ピクセルで埋め尽くされた世界において、その温かさを真に捉えるにはどうすればいいだろうか。

その会社をスワイプして飛ばしてしまう前に、インフルエンサーマーケティングの本物の力と、それによってどうブランドの物語を再定義できるかを明らかにする。


インフルエンサーマーケティングの進化

かつて、有名人は商品の成功のための切り札だった。しかし今日ではどうだろう。それほどの効果はない。あなたや私のようなデジタルの住人は、リアルさを求めているのだ。私たちが求めているのは、華やかな授賞式に頻繁に出席するよりも、ニッチな分野を切り開き、本物の熱狂的な注目を集めるようなインフルエンサーだ。

ここに一工夫がある。B2Bはこのようなインフルエンサーを見逃さなかった。2022年は、B2Bがインフルエンサーとのパートナーシップにまず乗り込んでいった、啓示のような年だった。そして、なんと、うまくいったのだ。結果は驚くべきものだった。企業は、インフルエンサーマーケティングに1ドル投じるごとに6.50ドルを手にすることができたのだ。2023年はどうなるだろうか。ネタバレになるが、インフルエンサーの脚光を浴びるB2Bの名前が増えるだろう。


インフルエンサーがB2Bに重要な理由

ではなぜ、特にB2Bブランドは、インフルエンサー獲得に躍起になっているのだろうか?

想像してほしい。あなたが「好印象を与えたい人たち」とすでに親しい評判の良い人がその場にいて、あなたのブランドのことを夢中になって語っている。これは古典的な口コミの魅力だが、電気的でデジタルなひねりが加わっている。


権威によって信頼を勝ち取る

インフルエンサーの魅力は何か。それは2つある。リアルさとノウハウだ。彼らは気まぐれに称賛しているのではなく、それを裏付けるだけの実力がある。インフルエンサーが付けた「いいね!」マークはただ「良い」という意味ではなく、ブランドの信ぴょう性と信頼の証なのだ。


波及効果:視野が広くなる

インフルエンサーは、拡大し続ける巨大な円の中心であると考えてほしい。チームを組めば、ブランドの声は単に反響するだけでなく、増幅されて、目に見えない、思いがけない隅々にまで届くようになる。ただ広く放るのではなく、より深く潜るということである。


ニッチな周波数に合わせる

包括的なコンテンツが好きな人がいるだろうか。いないだろう。B2Bインフルエンサーはニッチな分野の師匠であり、毎回最適なスポットに当たるコンテンツを厳選している。このようなターゲットを絞ったアプローチによって、ブランドメッセージはオーディエンスに届くだけでなく、深く響かせることができる。


ただ提携し合うだけでなく、絆を育む

従来の奇襲作戦は忘れることだ。今日のインフルエンサーマーケティングは、ただの経路ではなく、橋を架けることがすべてである。

それは、ブランドとインフルエンサーの双方が共に成長し、繁栄するような、真の長期的なパートナーシップを育むことだ。


投稿以上の関係

インフルエンサーとブランドのジャーニーは、単なる投稿やキャンペーンを超えるものでなければならない。インフルエンサーがブランドの延長線上にあるものとなり、時間をかけて彼ら独自のレンズを通してブランドのストーリーを語るようなパートナーシップを思い描いてほしい。


・コンテンツとの調和

ブランドとインフルエンサーが一体となれば、それはただ声が混ざるのではなく、調和のとれたデュエットとなる。コラボレーションによるコンテンツ制作は、ブランドの理念とインフルエンサーの本物の声がシームレスに融合し、本物で親近感のある物語を作り上げることができる。


・プロセスを信頼する

インフルエンサーを細かいところまで管理するべきだろうか。それは大間違いだ。インフルエンサーたちは、コンテンツに対する独自のアプローチによって、オーディエンスを獲得しているのだ。彼らを信頼すること。あなたのブランドを、彼ら独自のスタイルで解釈する自由を与えること。このオリジナリティこそ、オーディエンスが求めているものなのである。


良きパートナーとなるインフルエンサーを選ぶ

フォロワー数が最も多いインフルエンサーを見つけることが正しいわけではない。あなたのブランドの価値に共鳴し、ターゲットになるオーディエンスに働きかけ、潜在客との橋渡しとなるような物語を作ることができる人物を見つけることだ。

インフルエンサーのそれまでのコンテンツは宝の山だ。彼らの専門知識、トーン、オーディエンスとの関わり方についての洞察を得ることができる。彼らのメッセージとブランドの本質の足並みが揃うかを確認しなければならない。

インフルエンサーのフォロワーの層を剥がすことも必要だ。人口統計、興味、行動について深掘りしなければならない。こうすることで、ただメッセージが広まるだけでなく、適切に届けることができるようになる。

・評判が重要

多くのフォローがいることで、評判の失態に気づけないことがある。もう少し掘り下げてみてほしい。デジタル世界がそれらをどのように受け止めているか理解しなければならない。同じ価値観を持つインフルエンサーと連携することである。


・数字にこだわらない

100万人のフォロワーがいても、魅力的でなければ意味がない。交流の動向を確認すること。フォロワーのコメント、共有、反応の頻度はどうだろうか?これらの指標から、フォロワー数の背後にある真の影響力がわかる。


・質とコストのバランスを取る

インフルエンサーは投資であるが、その投資に見合うだけのリターンがあるかを確認する必要がある。支払額と成果物を一致させる契約を交渉し、どの段階でも価値を得られるようにする。


・技術スタックを活用する

このデジタル時代には、インフルエンサーの発掘やモニタリングなど、あらゆることに対応できるツールキットがある。BuzzSumo(英国)、Klear(米国)、Traackr(米国)などのプラットフォームは便利なだけではなく、インフルエンサーの領域であなたの目となり耳となる。


BuzzSumo

コンテンツを分析し、業界で反響を呼んでいるものについて理解を深めることができる。議論が進んでいるのはどのインフルエンサーか。


Klear

インフルエンサーを見つけるだけでなく、フォロワーの属性を理解し、オーディエンスの整合性を明確にするのに役立つ。


Traackr

インフルエンサーを単に発見するだけでなく、インフルセンサーとの関係管理にも役立つ。インフルエンサーのアウトリーチに特化したCRM。


B2B
インフルエンサーマーケティングキャンペーンのベストプラクティスとは

これは、確実に成功するインフルエンサーキャンペーンのための頼れるチェックリストである。


1.目標を明確にする

キャンペーンの開始前に、何を目指しているか理解しよう。ブランド認知度の向上、リードの獲得、新たな市場層の開拓などが考えられる。


2.詳細なコンテンツの概要を作成する

インフルエンサーは自分たちのオーディエンスについて知っているだろうが、ブランドは自身のブランドについて知っている。包括的なコンテンツガイドを提供することで、インフルエンサーの本物の声を守りながら、連携を図ることができる。


3.選択の精度

すべてのインフルエンサーがB2Bブランドに適しているとは限らない。業界内で尊敬と信頼を集めているニッチな専門家を探そう。


4.合法的な契約

進化し続けるデジタルの世界を反映するために契約を更新しよう。すべての技術標準と広告関係法令を確実に順守すること。


5.賢く予算を組む

予算の使い道をきちんと決めること。綿密に計画することで、無駄な出費を防ぎ、最大限の効果を発揮する。


6.キャンペーンのリーダーを決める

社内のマーケティング担当者であれ、代理店のパートナーであれ、インフルエンサーに連絡、指導、監督する人を置くことで、プロセスは合理化される。


7.総合的なデータ分析

指標は非常に重要だ。しかし、常に包括的なキャンペーン目標との関連性を持たせること。大事なものをすべてが数値化できるわけではなく、その逆もまた同様である。


キャンペーン効果測定の基本を超えて

もちろん、「いいね!」やシェア、コンバージョン率は重要だ。しかし、インフルエンサーマーケティングの魔法を本当に理解するには、目に見える指標とセンチメント(感情)、ロイヤリティ、ブランド・エバンジェリズム(自社の製品・サービスの卓越性を世間に説くこと)といった無形の指標とのバランスをとることが不可欠だ。


絶対に確かな指標

・エンゲージメント率

人々がどれくらいの頻度でコンテンツとやり取りしているか、という洞察を提供する指標である。高いエンゲージメント率は、一般的にコンテンツの関連性とインフルエンサーの有効性を示している。


・リーチ

これにより、何人のユニークユーザー(一定期間内にWebサイトを訪れた人の数、複数回訪問した人も一人と数える)がコンテンツを見るかが決まる。一般的に、リーチ数が多ければ多いほど、ブランド認知度は高まる。


・コンバージョン

サインアップであれ、購入であれ、その他の意図した結果であれ、最終的に、何人のユーザーが望ましい行動を起こしたか?


数字で表せないもの

・ブランドセンチメント(感情)

インフルエンサーのコンテンツに対するポジティブなコメント、ストーリーのシェアや交流から、オーディエンスがブランドをどのように認識しているかがわかる。


・信頼とロイヤリティ

オーディエンスを惹きつけることと、そのオーディエンスを維持することは別ものである。長期的なロイヤリティは、本物と感じられるインフルエンサーとのパートナーシップから生まれることが多い。


インフルエンサーの投資利益率(ROI)を理解する

インフルエンサーマーケティングは、正しく行えば、出費ではなく投資なのだ。そして他の投資と同様に、リターンを理解することが極めて重要である。


・範囲と費用vsリターン

インフルエンサーへの支払いから追加資産やプロモーション費用まで、キャンペーンにかかるすべての費用を見積もる。これを、売上高や登録者数など、目に見える利益と比較する。


・コンテンツの表示を多様化する

インフルエンサーが作成したコンテンツには、ストーリーからリール、ツイート、ブログ投稿まで、さまざまな形式がある。ターゲットユーザーに最も反響のあるものを特定すること。


・ベンチマークと改善

キャンペーンのパフォーマンスを業界の平均と比較しよう。Influencity(スペイン)やAspireIQ(米国)のようなプラットフォームは、平均エンゲージメント率などのインサイトを提供している。


・費用対効果の高いインフルエンサー

メガインフルエンサー(目安となるフォロワー数:100万人以上)はすぐに予算が吹き飛んでしまう。しかし、マイクロインフルエンサー(同:1万人~10万人ほど)やナノインフルエンサー(同:1,000人以上1万人未満)はニッチな分野への影響力が大きい。


パフォーマンスを全体的に見る

・インプレッション(表示された回数)とエンゲージメント

ただ閲覧するだけでなく、ユーザーはコンテンツとどのように交流しているだろうか?エンゲージメントの高さは、一般的にコンテンツの反響とインフルエンサーの有効性を意味する。


・コンバージョン指標

サイト訪問から販売まで、インフルエンサーのコンテンツに接触した後のユーザーの行動を測定しよう。また、キャンペーン前後の指標を分析することで、キャンペーンの影響についての洞察を得ることもできる。


・オーディエンスを増やす

キャンペーン中とキャンペーン後のフォロワーの増加を追跡しよう。フォロワーの急増、特にエンゲージするフォロワーが急増すれば、キャンペーンの効果が高いことを示している。


・口コミトラフィックの洞察

インフルエンサーごとに独自の追跡リンクがあれば、どのインフルエンサーがより多くのトラフィックとエンゲージメントを獲得しているか明確に把握することができる。Google Analyticsのようなツールは、クリック後のユーザーの行動に関する詳細な洞察を提供し、真のROIを測定するのに役立つ。


・シェア・オブ・ボイスの影響力

競合他社に対するブランドの話題を測定しよう。インフルエンサーとのコラボレーション後に急増していれば、ブランドの認知度やポジショニングが向上していると考えられる。Brandwatch(英国)やMention(フランス)のようなSNS分析ツールは、これらの指標のチェックと測定に役立つ。


デジタルに人間味をもたらす

デジタル指標に支配された世界では、「木を見て森を見ず」になりがちだ。インフルエンサーマーケティングの核心は、信ぴょう性と信頼である。成功を判断するには数字が不可欠だが、信頼、ブランドセンチメント(感情)、ロイヤリティといった無形の利益はかけがえのないものである。

そのため、測定基準の精度を判断するには、一歩下がって全体像を見ることを忘れでほしい。この全体的な視点こそが、インフルエンサーマーケティングキャンペーンの成功を真に測定するものなのだ。


※当記事は米国メディア「MarTech」の10/17公開の記事を翻訳・補足したものです。