プラントベースミート(植物由来の代替肉)事業を展開する英国のスタートアップ企業Thisは、Media for Equityプログラム(株式と引き換えにテレビ、印刷物、ラジオ、オンラインでの広告をスタートアップ企業に提供する資金調達オプション)の一環としてITV(英国最大の民放局)からの投資を受け、料理評論家Grace Dent氏を起用した同ブランド初となるテレビ広告キャンペーンを開始すると発表した。
11月末まで実施されるこのキャンペーンは、テレビやOOH(屋外広告)、店内、デジタル、インフルエンサー、ソーシャル・アクティベーションに60万ポンドが投じられ、同ブランドにとってこれまでで最大の広告キャンペーンとなる。レストラン評論家でコラムニストのGrace Dent氏が同社の商品をポークソーセージと思い込んで試食するテレビ広告は、10月16日からITVとITVX(ITVが運営する英国のオンラインビデオオンデマンドサービス)で放映される。また、テレビ広告をサポートする形で、同ブランドの受賞作「This Isn’t Pork Sausages」をフィーチャーしたOOHキャンペーンが今週、ロンドン地下鉄とバスの車体に登場した。
このキャンペーンのキャッチフレーズ「This is kind of a pig deal(これは豚肉を思わせる、食べたくなる商品だ)」は、同ブランドのミートフリー(食肉不使用)ソーセージのおいしさと、動物由来のソーセージと比較した栄養価の高さをウィットに富んだ表現で表している。同キャンペーンは、人々に次にする一週間の買い物でどのソーセージを買うかを考えてもらい、よりヘルシーなプラントベースの代替肉についての認識を高め、食品選びについてより気づきのある会話を促すことを目的としている。
Thisの共同設立者兼CEOのAndy Shovel氏は、「これから1か月間、ロンドン市民にソーセージであっと言わせることにとても興奮している」と語った。「料理の権威であるGrace Dent氏でさえもその違いが分からなかったことを示す当社初のテレビキャンペーンを開始することは、Thisにとっても大きなマイルストーンとなる」。
ここ3か月だけでも、Thisはチルドミートフリーカテゴリーに160万ポンドを追加しており、同カテゴリーで最も急成長しているブランドとしての地位を維持している(出典:米国に本社を置くデータ分析・市場調査会社IRIによる「IRI Temple Total Grocery」)。同分野における最大の独立系ブランドとなったロンドンに本拠を置く代替肉企業のThisは、今年2,000万ポンドの売上を達成すると予測されている。ロンドンを拠点とする同企業は過去3か月の間に、オランダで国際的に事業を開始し、Boots(英国のドラッグストアチェーン)とWHSmith(英国の大手小売業者)で持ち帰り用食品シリーズを拡大して、「This Isn’t Roast Chicken & Stuffing」や「This Isn’t Chicken & Bacon Pie」などの新製品を発表した。
※当記事は英国メディア「Mobile Marketing Magazine」の10/11公開の記事を翻訳・補足したものです。