GMOインターネットグループのインターネットリサーチ事業を展開するGMOリサーチ株式会社は、自社が保有するパネルネットワーク「Global Panel」のうち日本と米国のモニター合計2,095名を対象に、「生成AIの利用実態・意識に関する調査」を実施した。
調査結果
生成AIを認知している人のうち、業務利用や個人的な利用などで既に生成AIを利用したことがある人は、日本が18.7%、米国が29.5%と、やや米国の方が生成AIの活用が進んでいることが分かった。また、米国ではAIに対し、肯定・否定の意見が両極化していたが、これは生成AIの利用および理解が進んでいるからで、はっきりとした意識を抱いている人が多かったと考えられる。
生成AIを認知している人へ生成AIの業務利用経験について尋ねたところ、利用経験があると答えた人は日本で約1割、米国では約3割と差がある結果となった。さらに業務利用未経験者に、利用していない理由を尋ねたところ、日米ともに、「生成AIの利用方法がわからないから」が最も多く、約37%だった。また、米国では日本より、「社内/部内でのコミュニケーションが不足するから」や、「生成AIの安全性/品質に問題があると思うから」を理由として挙げる人が多かった一方で、日本では米国より「利用に費用が掛かるから」を理由として回答する人が多かった。
勤務する会社へ生成AIの影響について尋ねたところ、日米ともに、「脅威」よりも「チャンス」と捉えている人が多かった。日本では「大きなチャンスである」「チャンスである」と回答したのが32.8%にとどまったのに対し、米国では63.2%となっており、米国と日本では約2倍の差が出ていた。一方で、脅威ととらえる人も一定数おり、日米共に10%程度だった。
さらに、上記の質問で「チャンス」と回答した人に対し、自社の生成AIの活用姿勢を尋ねたところ、日本では60.8%、米国では69.8%の人が積極的だと回答していることから、生成AIの影響が「チャンス」と考える回答と、勤務する会社の活用姿勢が「積極的」という回答は、正の相関関係があることが分かった。
生成AIの業務利用経験有無別で影響についてみていくと、業務利用経験者は未経験者と比較して、自社への生成AIの影響について「チャンス」だと認識する人の割合は、日本は56ポイント、米国は36ポイントも増加し、日米とも「脅威」だと認識する人は減少していた。これは、実際に業務で利用することにより、具体的な活用イメージが湧き、生成AIにポジティブな可能性を感じるのではないかと推測される。
まとめ
生成AIの利用状況についての日本と米国の比較から、両国にその利用経験の大きな差は見られなかったものの、業務利用については米国の方が日本より進んでおり、会社に与える影響についてもポジティブに捉えていることが明らかとなった。その一方、日本ではまだ積極的な姿勢や利用実態が限定的であることが示唆された。
GMOリサーチの概要
GMOリサーチは「想いを、世界に」を基本理念に掲げ、企業と生活者の関係の再構築を実現する、新しいマーケティング・ソリューション・プラットフォームを普及させる事業を展開している。また、世界53の国と地域で、約6,593万人の消費者にインターネットリサーチが可能なパネルネットワークの「Global Panel」ネットワークを活用し、世界各国の企業から調査依頼を受けている。