イギリスの経済紙Financial Timesに「ヨーロッパで最も急成長しているeコマース企業」と称された、イギリスに本社を置くオンラインマーケットプレイスOnBuyの成功は、自社マーケットプレイスにおける小売業者に対して独立した立場を取っていることにある。
OnBuyのCEO兼創業者であるCas Paton氏は、イギリスを拠点とするデジタルコマース及びオムニチャンネルコンサルティング会社Internet Retailingのインタビューでそのように語っている。OnBuyは、自社製品や在庫を販売するのではなく、パートナーの製品の取引を促進している。
「OnBuyを経由する1ポンドは、小売業者にとって1ポンドの売上となる」
このアプローチは、自社プラットフォーム上でホストする小売業者と競合することが多い他の多くのマーケットプレイス所有者とは一線を画している。「OnBuyを経由するすべての1ポンドは、小売業者にとって1ポンドの売上になる」とPaton氏は言う。「それは私たちが非常に誇りに思っていることである」。
マーケットプレイスの難問
2016年にスタートしたOnBuyは、当初から「困難な仕事」だったとPaton氏は主張する。「立ち上げ初日に売るものが何もない状態だった。在庫がないため、顧客は誰も来ようとせず、私が『マーケットプレイスの難問」と呼んでいるような状況に陥ってしまう」。
「OnBuyの収益は3年間で3,402%成長」
この課題を克服することが同社の成功に不可欠だったとPaton氏は説明した。Financial Timesが3月に発表したヨーロッパの成長企業ランキングFT1000リストで、同社は総合25位にランク。3年間で3,402%の成長を遂げ、eコマース企業として最高位にランクされた。昨年、同社はさらなる成長を目指して国際的な販売促進活動を開始した。
幅広い選択肢と品揃え
「当社は、オンラインマーケットプレイスで他社の上を目指そうという考えから誕生した」と、AmazonやeBayなどの業界大手との競合について、Paton氏はこう語る。「私たちが重要視しているのは、幅広い選択肢と品揃えを顧客に提供することであり、私たちはどのようなサプライヤーとも仕事ができる。一方で、eコマース大手との取引を競合とみなし、大手と小売りの取引をしない企業もある」と同氏は付け加えた。
「同社は、すでに成長目標を上回っている」
今後、OnBuyは目覚ましい成長軌道を継続することを目指している。同社はすでに成長目標を上回っており、前月比で収益と売上高が35%増加した。
※当記事は欧州メディア「Ecommerce News Europe」の6/29公開の記事を翻訳・補足したものです。