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フル活用されていないメールマーケティング自動化のための6つの必須機能

フル活用されていないメールマーケティング自動化のための6つの必須機能

マーケティング
2023/05/18

これら6つのメール自動化ワークフローを導入することが、ビジネスに潜在的に及ぼす影響とメリットについて学ぼう。

 

メールの自動化は、マーケティングにおいて最大の、そして最も活用されていない成長の機会である。あらゆる業種のブランドに自動化戦略のメリットがある。しかし、自動化を導入した段階で、驚くほど成果をあげていない状況を何度も目にしているのではないだろうか。

 

eコマース、ホスピタリティ、食品・飲料の分野が多く、これらの業種は特にメール自動化に適している。

 

この記事では、大幅な成長を促進するはずの(そうでないことも多いが)次の6つのステージのメール自動化について説明していく。

 

・購入後や発送後

・ウェルカムやアカウント作成

・誕生日や記念日

・カート放棄

・閲覧放棄

・再エンゲージメント/「(最近利用がないので)また購入してほしい」

 

ここでは、それぞれの自動化の方法がビジネスに及ぼす影響とメリットを説明する。また、マーケターがこれらを実践する際に妨げとなる誤解と、可能にするための技術オプションについても見ていく。

 

注目すべきメール自動化の具体例

 

1. 購買後や発送後のメール

eコマースサイトからの購入は、そのユーザーが新商品について関わる機会である。これには、出荷の詳細やステータス、アップセル、カスタマーサービス情報、顧客が参加したばかりのブランドやコミュニティに関するコンテンツなどが含まれる。

 

特に初めての購入では、そのジャーニーがユーザーにとって良い体験となれば、「繰り返し購入」の基盤を築くことができる。この自動化のビジネスへの影響は明快で、「顧客生涯価値による収益の向上」である。

 

2. ウェルカムメールやアカウント作成メール

ウェルカムメールの送信は、新規登録者の要望をうかがう機会である。消費財ブランドで実施することが多い手法である。

 

新規登録者を惹きつけるチャネルとコンテンツに合わせて、体験とコミュニケーションを調整しよう。そして、この一連の手法によって、ユーザーが期待するコミュニケーションの頻度とタイプをさぐる機会を作ろう。

 

まず、プロモーションを重視したメッセージングと、ブランドとのつながりや公平性を構築するメッセージングを組み合わせた。どちらもユーザーに対してテストを行うコンテンツテーマである。これらの自動化は、アッパーファネル(自社の商品やサービスを広く認知してもらい、潜在顧客へとつなげる段階)とナーチャリングに影響を与えるものである。影響を受ける指標には以下のものが含まれる。

 

・購買時期

・購入頻度

・ブランドアフィニティ(ブランドへの親近感)

 

3. 誕生日もしくは記念日のメール

サインアップ時に誕生日の情報を収集することで、ユーザーへの感謝の気持ちを伝える楽しいオプションが生まれる。バースデーメールで、ちょっとしたプレゼント、特別な割引や特典、ブランドの商品を使ったお祝いのアイデアなどを提供すれば、ユーザーとつながりを築く効果的な方法となる。

 

また、ユーザーがブランドコミュニティに加入したことを祝う記念日のメールでも同じことがいえる。自動化を利用して個人的なつながりを増やすことは、直感的でないように聞こえるかもしれないが、ブランドにとってはメリットになる。この手法によるビジネス上の利点は、ブランド資本、ブランド認知度、ダイレクトレスポンス収益の増加である。

 

4. カート放棄メール

eコマースブランドは、このジャーニーを必ず行ってほしい。ユーザーがカートに商品を入れるところまでウェブ上で行えているとしたら、購入を完了するべく、少し後押しをするか、リマインダーを送った方が良い場合があるのだ。

 

カート放棄メールは、莫大な収益をもたらす。カート放棄ジャーニーの最も成功した例の一つは、カート放棄メールを1~2通送信することから始めたeコマースサイトだ。何度も繰り返しカート放棄メールを送信し、また戦術を検証した結果、歴然とした変化が生まれた。基本的なカート放棄の場合と比較して、コンバージョンは全体で88%増加、平均総収益は150%増加したのだ。

 

カート放棄への対応は以下の図を参照してほしい。

 

 

一見、大変そうに見えるが、効果的なアプローチをすれば、その努力に見合った大きなリターンを得ることができる。

 

5. 閲覧放棄

これは通常、カート放棄前の購入ジャーニーのステップの一つだ。あるユーザーがウェブサイトを閲覧し、ある商品か商品カテゴリに興味を持ったが、その商品はカートにはまだ入れていないとする。この場合、今こそその商品を売り込み、その商品のユースケースと利点をしっかりアピールし、購入まで導くタイミングだ。

 

このメールは、カート放棄メールほどの直接的な反応レベルは確認できないが、確実に収益増加の源泉となる。

 

6. 再エンゲージメント/「(最近利用がないので)また購入してほしい」

このオーディエンス層のユースケースは、時に哲学的な違いに帰結することがある。多くの企業は、エンゲージメントに関係なく、より多くの人に送信すればするほど、より多くのトラクションを獲得できると信じているため、エンゲージメントのない登録者をなかなか手放せないでいる。

 

長い目で見れば、エンゲージメント戦略をさらに細かく設定しない限り、これは一般的に正しいとはいえない。さらに、これらのユーザーを「完全にエンゲージメントしている」かのように扱い続けると、送信者の評判、購読解除率、全体的なエンゲージメント率に悪影響を及ぼす可能性がある。

 

それよりも、すべてのオーディエンスのエンゲージメントレベル(高、中、低)を把握することをお勧めする。「低」カテゴリに下がった人は、再エンゲージメントワークフローに移し、送信頻度を減らし、レベルを上げるべく調整したコンテンツを用意する。目標は、「高」または「中」レベルの登録者のファネルに戻ってくるように導くことだ。

 

もし、リーダーがメールのベストプラクティスを無視して、新規登録者と総登録者数を基準にKPI(重要業績評価指標)や目標を設定しているのなら、それに反対して、エンゲージメントのないユーザーを自分たちの方へ導くよう主張するべきである。

 

ここで注目すべき指標は、エンゲージメントがほとんどないユーザーをどれだけ「中」または「高」レベルのセグメントに転換できるかということだ。

 

これらの自動化を利用するためにマーケターができること

ブランドが上記を実施していないことにいつも驚かされるが、これはよくあることだ。では、ブランドの足かせになっているのは何なのか。それは、要するに、データと技術力、そして「潜在的な効果は労力に見合わない」という考えである。

 

これらの自動化を十分活用できていないブランドの共通点の一つは、ESP(メールサービスプロバイダ)のデータ設定が不十分であることだ。時々、以下のようなことがある。

 

・同じデータ型にマッピングされた複数のフィールドがある。

・正しいデータを全く収集できていない。

・データマッピングが整理されていない。

 

また、効果的なメール自動化の予備段階として、データハイジーン(データの正確性や安全性を高め、維持すること)のプロジェクトに取り組む必要がある。この作業が社内でできなくても、サポートしてくれるパートナーはたくさんある。

 

もう一つの共通点は、ブランドのサイトとESPが統合されていないことだ。これにはITリソースが必要だが、カート放棄対策を設定するだけで、すぐROIに結果が出るだろう。

 

上記の自動化のうち、3つは最小限のAPI(アプリケーション・プログラミング・インターフェイス)作業で済む。極めて重要なウェルカムメール対策は、API経由で簡単に設定できる。誕生日と再エンゲージメントの対策はESPから直接実行可能で、新しい記録をウェブサイトからESPにトリガーする以外のAPIは必要ない。

 

MarTechからのお勧め

上記で説明したすべての方法を実行できるかは、結局のところ優れたESPを持っているかどうかで決まる。例えば、Salesforce Marketing CloudSalesforce社:本社米国が提供するマーケティングオートメーションツール)などでも良いし、社内のITリソースが限られている場合は、Klaviyo(米国に本社を置き、メールおよびSMSマーケティング自動化プラットフォームを提供)などでも良い。

 

Klaviyoは、Shopifyとの連携に優れているだけでなく、マーケターが簡単にテストを開始できる、すぐに使用できるオプションが数多くある(とはいえ、貴社に多くのリソースとデータがあり、またShopifyを利用しないなら、Salesforceとオーストリアのオムニチャネル顧客エンゲージメントプラットフォームのEmarsysは、それぞれ機能の幅が広く、より適しているといえる)。

 

始めるに当たって

これらの各自動化は、完全に開発されたシーケンスとそれに合わせた成長が目標だが、ステップ1を実行しなければステップ10に到達することはできない。それに向けて、データの整理状況を徹底的に検討し、ESPの基本的な機能を使えるようにしておくのは、非常に有意義な時間の使い方だ。

 

上記6つのステージごとに1~2通のメールを自動化すれば、あなたのメール戦略は多くの有名ブランドに先駆けることができるだろう。

 

※当記事は米国メディア「MarTech」の5/8公開の記事を翻訳・補足したものです。