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今注目の、ビジネスプロセス自動化のための5つのデジタルテクノロジー

今注目の、ビジネスプロセス自動化のための5つのデジタルテクノロジー

トレンド
2023/03/02

 

最新のオートメーション・テクノロジーで、ビジネスオペレーションの未来に踏み出そう。

 

景気が悪化すると、事業主はコスト削減策に注力するのが一般的だ。つまり、経費を削減し、採用を遅らせる。しかし、単に出費を抑えるだけでは、景気後退時にビジネスで成功するには不十分だ。景気回復時にトップに立つ企業は、新たな成長方法も見出しているものだ。

では、どうすれば経済の混乱の中で競争優位性を得ることができるだろうか?

 

合理化されたプロセス、一貫したパフォーマンス、信頼性の高いテクノロジーがカギとなる。ビジネスの自動化はこれらの取り組みを支援する。それは、Zapier(ノーコードでワークフローの自動化を実現するWEBアプリケーションを提供:米国)が実施した調査の対象となった企業のうち、74%が自動化のためのテクノロジーソリューションを使用することがパンデミックの際に役立ったと報告したことからも明らかである。また、23%の企業は期待以上の収益を上げることができたという。

 

ここでは、最新のテクノロジーでビジネスワークフローを変革する5つの方法を紹介する。

 

1. AIの導入

ChatGPT(自然な文章を生成する人工知能)の盛り上がりや、GoogleのBard(会話型AIサービス)導入により、今年の流行語のように見えるAIは、企業にとって有益なテクノロジーである。AIを活用した自動化を追加することで、企業はさまざまなビジネスユニット内のプロセスを強化できるのだ。

 

たとえば、マーケティングやセールスでは、AIを活用してマーケティング戦略をパーソナライズし、カスタムコンテンツを作成することができる。ITとエンジニアリング分野においては、AIはコードの作成とレビューのプロセスを合理化できる。また、リスクと法務に関しては、膨大な法務データベースをふるいにかけることで、複雑な質問に対して迅速かつ正確な回答を提供することができる。

 

AIがビジネスの自動化に与える影響の一例として、銀行ソフトウェア企業nCino事例がある。同社はAIを使ってローンの組成とコンプライアンスに関連するプロセスを自動化した。これにより、同社はクライアントからデータを安全に収集し、オンボーディング(顧客定着のために行う商品やサービスについての説明など)を迅速に行えるようになった。また、nCinoは融資を受ける時間を短縮することで、競合他社に対する優位性を獲得した。パンデミック時には、それは重大な問題であった。

 

2. クラウド効率の最大化

クラウドコンピューティング(WEB上でコンピューティング・リソースを配信すること)のコストは、多くの企業にとって管理しにくいものである。これは、クラウドリソースの正確な使用状況をモニタリングできないことが主な理由だ。実際、54%の企業が、リソースの無駄遣いの主な原因は可視化されていないことにあると主張している(ビジネスモニタリング企業 Anodot 調べ)。しかし、クラウドの自動化という選択肢もある。実際、最高情報責任者の75%は、自動化によって利益が向上し、ビジネスがより俊敏になり、顧客体験が高まったと認めている(営業コンサルティングファームMcKinsey & Companyのレポートより)。

 

クラウドの自動化は、ITチームに強力なツールを提供し、クラウドリソースを効率的に作成および管理できるようにするもの。これにより、リソースの利用が最適化され、手動ワークフローによるセキュリティリスクを最小限に抑えることができる。自動化は、人間の専門知識に置き換えることはできないが、運用の効率化という意味では“ゲームチェンジャー(変革をもたらすもの)”といえる。

 

3. ユーザーエクスペリエンスの合理化

今日のビジネスの世界では、ユーザーエクスペリエンスは、企業のプロセスを形成し、企業と顧客とのやり取りにおいて重要な役割を果たしている。シームレスなフロントエンドエクスペリエンスは、カスタマージャーニーに大きな違いをもたらすことができる。優れたエクスペリエンスほど、顧客が戻ってくる可能性が高くなる。

 

そして、記憶に残る魅力的な体験を提供するという点では、3Dウェブが主導権を握っている。Shopifyによると、3Dコンテンツの導入には、顧客エンゲージメントを急上昇させる力があり、その結果、コンバージョン率が94%上昇するという。この変革の背景には、テクノロジーには、WebGLUnityPlay CanvasPixiJS といったテクノロジーの存在がある。これにより、企業はこれまで以上に簡単にオンラインプレゼンスに最先端のタッチを加えることができるようになったのだ。

 

4. サイバーレジリエンスの構築

企業が成長し、テクノロジーが複雑になるにつれて、セキュリティとコンプライアンスを手動で管理することが難しくなっている。これにより、セキュリティの問題への対応に時間を要したり、リソースの設定方法にミスが生じたり、ポリシーの一貫性をなくしてしまう可能性がある。

 

セキュリティの自動化は、セキュリティ管理を容易にする。これによって、日常業務が容易になり、企業がテクノロジーを使用する方法に初めからセキュリティを取り入れることができるようになる。実際、最もサイバーレジリエンスが高い企業の70%がセキュリティの自動化を採用している。

 

組織のサイバーセキュリティを強化するためのセキュリティ自動化ツールは、3つのカテゴリーに分類される。ロボティック・プロセス・オートメーション(RPA)は、ソフトウェア・ロボットを使ってルーティン作業を自動化する。SOAR(セキュリティのオーケストレーションと自動化によるレスポンス、Security Orchestration, Automation and Response)は、脅威を一元的に把握し、対応を自動化する。XDR(サイバー攻撃や不正アクセスなど脅威に対する包括的な防御を提供するアプローチ、Extended Detection and Response)は、セキュリティデータを統合し、脅威の可視性と対応を向上させる。

 

今日の急速に変化するビジネス環境では、企業は障害に立ち向かい、それを克服するためのアジリティ(俊敏性)を備える必要がある。テクノロジーは、安定性と効率性をもたらす膨大な数の自動化・最適化ソリューションを提供し、ビジネスを軌道に乗せるための強力な基盤と効率的なエンジンとして機能する。

 

ただし、テクノロジーの導入に対する画一的なアプローチは解決策とはいえない。自社固有のニーズを評価し、ビジネス目標に合ったテクノロジーソリューションを導入することが重要だ。そうすることで、テクノロジーの力を十分に活用し、長期的な成功を収めることができるのだ。

 

 

※当記事は米国メディア「Entrepreneur」2/21公開の記事を翻訳・補足したものです。