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デジタル・エクスペリエンス・プラットフォーム(DXP)成功のための4つの構成要素

デジタル・エクスペリエンス・プラットフォーム(DXP)成功のための4つの構成要素

マーケティング
2023/01/04

DXPは全体的なクロスプラットフォームのシームレス化を約束するものだが、組織は導入前に長期的な投資の準備をする必要がある。

 

テクノロジーは、マーケティングをちょっとした黒魔術から戦略的なビジネス成長のためのツールへと変化させたが、その反動がないとはいえない。さらに消費者は、ブランドが自分の好み、興味、好き嫌いを記憶するだけでなく、それらを予測することも期待している。

 

オムニチャネルが苦戦すれば、オーケストレーションと管理は非常に難しくなる。企業は、サイロ化されたユーザーエクスペリエンスを排除し、社内ではより効率的に、社外ではより効果的に物事を進める、統一されたシームレスなアプローチを必要としている。

 

マーケティングの専門家は現在、多くの役割を担っている。私たちは、マーケター、オペレーション担当者、テクノロジスト、データアナリスト、レベニューオフィサー、エクスペリエンス担当者、コンセンサスビルダー、外交官など、さまざまな役割を担う必要がある。米国の調査会社Gartnerの「2022年CMO支出調査」で明らかとなったように、私たちは、より少人数で多くの仕事をこなさなければならないのだ。

 

マーケティング予算が増加している一方で (半数以上がデジタルチャネルに投資)、同調査によると、61%は戦略を実行するための社内能力が欠如していると報告されている。その一部は、技術予算ないしはその制約によるものだ。リソース (人、資金、時間) の不足が課題となっている。

 

しかし、クロスチャネルで相互に接続されたすべての未確定要素を管理することは、特に多くのチャネルで作業し、それらすべての異種テクノロジーを分析しようとする場合に、圧倒される可能性がある。

 

eコマース、キャンペーン管理、デジタル資産管理(DAM)、顧客関係管理(CRM)、顧客データプラットフォーム(CDP)、パーソナライゼーションツールをどのようにオーケストレーションすればよいだろうか?

 

そこで、統一システムであるデジタルエクスペリエンスプラットフォーム(DXP)が、マーケティング業務をより効率的かつ効果的にするのに役立つことになる。DXPは、時間とコストを削減するだけでなく、その過程でマーケティング業務を最適化するために、多くの働きをしてくれる。

 

DXPとは?

今日の顧客は、ベースラインとしてシームレスなエクスペリエンスを期待しているため、DXP は非常に魅力的に聞こえるだろう。簡単にいえば、DXPは、リッチコンテンツから顧客関係、マーケティングオートメーション、さらには社内ワークフローまで、すべてのツールとテクノロジーを一元管理する統合的な方法を約束するものだ。

 

優れたカスタマーエクスペリエンスを提供するために追跡する必要のあるツール、指標、システムが非常に多いため、すべてを統合するシステムは、うますぎる話のように思えるかもしれない。

 

しかし、DXP を適切に使用する準備ができていれば、以下の点で非常に強力なツールになり得るのだ。

 

  • すべてのチャネルとプラットフォームでコンテンツを更新する。
  • 複数のタッチポイントでCRMデータを取り込み、入力する。
  • 一貫性のあるパーソナライズされたエクスペリエンスを、顧客や社内関係者に提供できるよう支援する。

 

DXPは包括的なクロスプラットフォームのシームレス性を約束するものだが、準備が必要である

すべてのツールとテクノロジーを一か所で管理する統合的な方法は魅力的だが、準備が必要となる。あなたの会社は、このダイナミックな変化に対応し、長期的な投資を行う準備ができているだろうか?

 

多くの企業は、シームレスなエクスペリエンスを顧客に提供することを優先するために懸命に取り組んでいる。しかし、社内的には、全体的なシームレス性を優先していないため、混乱状態に陥っている。モジュラー型でありながら、デジタルエクスペリエンスの点と点をつなぐ (そしてギャップを埋める)、統合された一貫性のあるソリューションを作ることが重要となる。

 

これには考え方の転換が必要だ。組織は、ビジネスとステークホルダーが必要とするものをより適切に予測するために、包括的かつ統合されたアプローチと強力なシナリオプランニングを採用する必要がある。

 

成功のための4つの重要な構成要素

「準備」には多くの意味があるが、私の経験上、それは以下の4つに集約される。

 

 

1. 社内と社外のアラインメント(調整)

DXP は、全社的な優先順位、タスク、機能が明確である場合に、最も効果的に機能する。すべてのステークホルダーが、以下の点で足並みをそろえる必要がある。

 

  • 何をするのか。
  • 誰のためか。
  • なぜそれを行うのか。
  • どのように行うのか(内部監査)。
    •  DXPアプリとツールセットを構築する前に、現在あるものを正確に評価しよう。次に、既に使用しているもの、その機能および現在の使用目的をマップ化しよう。
  • いつやるのか。
  • 成功とはどのようなものか。
  • 役割と責任。

 

賛同とアラインメントには、データに裏打ちされた戦略が必要であることを覚えておこう。

 

2. ユーザー中心の考え方

常に「どうすればオーディエンスがいる場所で、関連性があり、理解しやすい方法でオーディエンスに出会うことができるのか?」と自問しよう。これは、以下の点に対する共感に帰着する。

 

  • オーディエンス、従業員、パートナー、ステークホルダーなど。
  • 彼らのニーズ、痛み、心配事。

 

ジャーニーの中で彼らに出会い、適切なコンテンツを適切な人に適切なタイミングで適切な場所で提供するのだ。

 

DXPは大規模で複雑なシステムだ。統合と自動化の仕組みに惑わされがちになる。新しい機能を追加するたびに、サービスを提供しようとしている人々と、彼らのニーズが何であるかを覚えておく必要がある。

 

システムにはまり込んだり、それを見失ったりしないようにしよう。それはインタラクションのすべての段階において重要である。最高のユーザーエクスペリエンスとは、自分が経験していることにさえ気づいていないものなのだ。

 

3. 一貫したブランド体験

アラインメントを達成し、DXP のマップを作成したら、すべてのタッチポイントでブランドエクスペリエンスを統一することが論理的な次のステップとなる。ブランドの一貫性は、収益を大幅に増加させることができるため、非常に重要だ。

なぜ一貫性が必要となるのだろうか?

  • ロイヤリティと認知度を高める。
  • ブランディングはあなたのビジネスに対するクライアントからの信頼を高める。

 

ブランドはビジネスにおいて最も価値のあるアセット(資産)だが、完全に所有できるものではない。顧客もまた、あなたのビジネスに対する評価に関与している。一貫したエクスペリエンスとは、見た目や雰囲気、声やトーンだけではない。

 

社外的には、タッチポイントとプラットフォーム全体で、すべての要素が同じ全体の一部であるように感じられるようにし、社内的には、ツールを使用して従業員がより効果的に仕事に取り組めるようにするのだ。

 

顧客が店内で何かを購入し、メールリストに登録し、メールを受け取り、それをクリックしてブログ記事を閲覧し、最終的に商品ページにたどり着いて、そこからあなたの Instagramアカウントにプッシュ通知を設定したとする。全体を通して、ビジュアルと言語は一貫していなければならない。チームがこれらの基準を簡単に維持できるようにするには、明確なルールが必要となる。

 

しかし、すべてのステークホルダーにとっての一貫したブランドエクスペリエンスの鍵は、そのアラインメントとユーザー中心の考え方にある。どのように表現し、どのように実行するか、あなたが行うすべてにおいて目標に忠実であることだ。

 

4. フィードバックの文化を創造する

DXPの統合により、プロセス全体にフィードバックの機会を簡単に構築できるようになった。しかし、フィードバックの文化をデザインすることは、たまたま起こるものではなく、意図的なものである。業務とパフォーマンスを改善するための明確なフィードバックプロセスを構築しよう。

間違いなく、時間をかけ、そしてすぐにでも。あなたは大幅な改善策を学ぶことになるだろう。社内のステークホルダーに、これらの取り組みとツールが日常の業務にどのように役立っているか、また何が改善できるかについて、フィードバックを提供するよう促そう。フィードバックを集めるだけでは十分ではないことを覚えておくこと。従業員の意見に基づきアクションを起こす必要がある。

 

DXPに投資する時期なのか?

顧客にシームレスな体験を提供することだけに投資し、社内ではあたふたと駆けずり回っているとする。その場合、自分自身やパートナー、従業員、さらには顧客にも不利益をもたらしていることになる。

 

いずれは、何かを見落とすことになるだろう。あなたとあなたの従業員は、今日の(他社にとっての)顧客でもあり、おそらくシームレス性を重視していることだろう。

 

以下のようなことはないだろうか?

 

  • 複数のプラットフォーム間でサイロ化されたデータは、顧客の行動を本当の意味で理解することを妨げている。
  • デジタルとフィジカルのチャネル全体の顧客体験は、パーソナライズされておらず、まとまりもない。
  • 意思決定はデータではなく、推測に基づいている。
  • 効率的かつ効果的にするために必要な技術スタックにかかるコストを正当化するのが困難である。
  • 新規顧客獲得コストが高すぎるため、顧客の維持とシェアの拡大に注力したいと考えている。

 

これらを聞いてうなずいているなら、あなたの会社はおそらくDXPに投資する準備ができているだろう。成功を祈る!

 

※当記事は米国メディア「MarTech」の12/16公開の記事を翻訳・補足したものです。