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B2Bビジネスの慣例に起因する不連携はどのように発生し、どのように対処していくべきか

B2Bビジネスの慣例に起因する不連携はどのように発生し、どのように対処していくべきか

BtoB EC
2022/10/19

B2Bビジネスで連携できていないことによって、顧客との関係を制限し、収益に影響を与え、市場開拓(GTM)チームの生産性を阻害することがないようにしよう。

 

B2Bビジネスでの不連携の影響が大きくなることによって、顧客との関係が制限され、収益結果に影響が生じ、市場開拓(GTM)チームの生産性を阻害している。こうした不連携が長引けば長引くほど、顧客機会の喪失、リソースの浪費、接続されたデジタルファーストの世界での競争力の欠如など、組織はより多くの悪影響を受けることになる。

 

さまざまな不連携があるが、B2Bの活力を奪う3つの不連携を特定し、これに焦点を当てた。

 

不連携その1:断片的なマーケティング、営業、顧客戦術vs.統合的なGTM戦略

GTM戦略(新製品をリリースする際に計画するアクションプラン。Go-To-Market戦略)は、以下のような理由によって失敗することがある。

  • 市場や顧客とのミスアライメント(ずれ)
  • 経営陣に所有権がない
  • サイロ化された部門ごとのアプローチ

 

このような不連携の問題は、あらゆる組織、地域、チーム、ビジネスユニットが、独自の方法で市場参入を行う場合に、より複雑化する。各市場(や顧客)に合わせて調整することは不可欠だが、中核となるフレームワークを整備し、経営陣がすべての事業部門を通じて推進することが必要だ。

 

不連携その2:社内重視の営業・マーケティングプロセスvs.バイヤー主導のジャーニ

確かに、注目すべきプロセスはただ一つ、「顧客プロセス」である。しかし現実には、我々は、営業・マーケティング戦略やアプローチ、組織を、顧客が求めるビジネスのやり方に合わせるだけでなく、統合するために懸命に取り組んでいる。つかみどころのないバイヤーと顧客のジャーニーをマスターすることが、効果的な収益と顧客創出の鍵となるのだ。

 

不連携その3:サイロ化された人材やプロセス、データ、テクノロジーvs.全社的な統合

自動化が進み、我々はこれまで以上にテクノロジーに投資している。平均的な企業は、270種類のテクノロジーとデータを契約している。これは、複雑なことだ。自己決定型の企業バイヤーの意向を踏まえ、今こそ、棚卸しを行い、テクノロジーを合理化し、GTMとカスタマージャーニーについて人材やプロセス、テクノロジーを強化すべき時である。

 

B2Bの不連携に対処するための4つのヒント

上記の3つの不連携は、収益を上げ、顧客との関係を深め、効率的で収益性の高い経営とは切っても切り離せない。これら3つのビジネス上の必須課題は互いに絡み合っているため、我々はこれら3つの課題を連携する取り組みとして対応している。この記事は、実用的なアドバイスと同じくらい治療やインスピレーションを与えるものだが、これらの不連携を無視した場合のビジネスコストがデータとして示されている。

  • チームやプロセス、データの不連携による生産性の低下は、米国企業にとって年間1兆8,000億ドルのコストになると推定されている。
  • 悪い顧客体験は、米国企業に年間750億ドルの損失をもたらしている。
  • 55%の組織がサイロ化し、社内外にミスアライメント(ずれ)を生じさせている。

 

バイヤーとつながり、そのつながりを確立するために、B2Bの活力を奪う3つの不連携に対処する場所と方法について説明しよう。

 

1. GTM戦略の継続的な見直し、更新、最適化

まず、ターゲットとなる市場の動きと顧客の購買に焦点を当て、GTM戦略全体を評価するところから始めよう。CXO(最高責任者)が主導する、このオールウェイズ・オンのGTMの業務は、マーケティングや営業、戦略チームが担うものではない。むしろ、部門の枠を超えた専門チームを作り、カスタマーインテリジェンスを継続的に収集し、以下の点に反映させるべく運用しよう。

  • 提供する製品
  • 優先すべき市場セグメント
  • 販売に最適なチャネル

 

定期的にGTM 戦略の構成要素について取り上げ、企業文化やチームの働き方、考え方の一部となるようにしよう。取り組むべき重要な論点として、以下のものがある。

  • 担当する顧客にとって、悩みや機会を生み出している、市場の大きな変化やトレンド、推進力は何だろうか?
  • 理想の顧客のビジネスは今後12〜18ヶ月でどのようなものになり、あなたのソリューションや会社はどのような役割を果たすことができるだろうか?
  • 顧客やパートナーのエコシステムと連携を深め、ともに構築し、すべての関係者により大きな価値を生み出すにはどうすればよいだろうか?
  • 自社のポジションやソリューションの価値、解決するユースケースへのフォーカスをシンプルかつ明確に伝えるにはどうすればよいだろうか?

 

2. 今日のバイヤーズジャーニーにおけるB2Bセラーの直販を認識し、対処する

我々は過去10年間、B2B営業チームの生産性の低下について調査を行い、それを目の当たりにしてきた。それは、なぜか?B2B のバイヤーが、自分たちのプロセスや、購入とビジネスのやり方をコントロールすることを望んでおり、それを期待しているからだ。

 

今日、B2B購買プロセスのうち、営業担当者に充てられた時間は17%のみである。バイヤーはデジタル化したが、営業はデジタル化されていない。セラー(や企業のリーダー)が、対面式のハイタッチな顧客体験を過大評価し、今日のバイヤーにとって重要なオンライン体験を過小評価していることは明らかだ。

 

これは営業担当者を排除すべしということではなく、戦略、役割、ニーズを見直すべきということだ。会社の全ての機能を取り込んだ統合的なアプローチを取ろう。

 

販売のギャップを解消するべく、マーケティングはより積極的な役割を果たそうとしている。しかし、バイヤーズジャーニーにおいてマーケティングがノイズであり、別のサイロである場合、マーケティング主導の顧客創出はうまくいかない。

 

リードを獲得するためのハニートラップとしてコンテンツを大量に作成し、それを営業に丸投げすることは問題の解決とはならない。また、単にアカウントベースのGTM戦略に切り替えて、特定のアカウントに対して営業やマーケティングを行うことも解決策ではない。このアカウントベースのアプローチは、往々にして、営業チームの顧客「ウィッシュリスト」となってしまい、営業とマーケティングは顧客ではなく、自社のタイミングに合わせて動いている。

 

我々が目にし始めているのは、自動化のためだけでなく、よりインテリジェントなエンゲージメントのためにテクノロジーとデータを活用する、デジタル・ヒューマン・チームである。人間とセルフサービスの最適な組み合わせを特定するために、役割が再定義され、部門横断的なチームが形成されつつあるのだ。

 

例えば、営業、マーケティング、カスタマーサクセス(顧客の成功体験に焦点を当てた営業活動)の専門家を集め、チャネル全体で顧客に起きていることを把握し、行動させるのだ。

 

もう一つの強力な要素は、人工知能(AI)やテクノロジー、バイヤー、アカウントインテリジェンスを活用し、バイヤーについてより深く知ると同時に、B2Bバイヤーが期待するコントロールを提供することだ。この統合された取り組みにより、すべての関係者が顧客とより積極的かつ話し合いのための会話を行うことができるようになる。

 

3. すべての顧客タッチポイントを評価し、バイヤーと顧客の体験とアクションを最適化する

刷新されたGTM戦略と、デジタル購入のための営業とマーケティングの最適化の一環として、次に注力すべきは、絶好の機会となるアカウントとバイヤーコミッティのジャーニーをマッピングすることだ。

 

「ジャーニー」というコンセプトは、あまりにも頻繁に使われ、決まり文句のようになっている。しかし、そのために気後れしてはいけない。自己決定型バイヤーとアカウントのジャーニーを理解し、それらを構築することが、前進するための最善の方法である。

 

理想的な顧客やターゲットアカウントが実際にどのように取り組みを開始し、ソリューションやベンダーの双方について意思決定を行っているのか、顧客の視点から研究し、分析しよう。まず、購買コミッティー全体を明らかにし、コミッティーメンバーの個人的・集団的なニーズ、悩み、機会を把握するために深掘りして分析するところから始めること。これらのニーズは、自社製品ではなく、自社のGTMの取り組みにおける最も重要な焦点となる。

 

ジャーニーに焦点を当てたアプローチが始まると、バイヤーやアカウントのインテリジェンス、パフォーマンスデータ、フィードバックループを利用して、どこにヒューマンタッチを展開し、どこにアウトリーチやプロセスの自動化を行うべきかを理解することができるようになる。いずれの場合でも、我々はすべてのコミュニケーション・タッチポイントに「人間らしさ」を吹き込むことを目指している。

 

勧誘電話やスパムメール、刺激のない製品情報よりも、共感や理解、感情的な知性が当然と求められる。そのため、我々のチームは、バイヤーやアカウントのジャーニーを促進する、クリエイティブで魅力的、かつ多感なコミュニケーションを開発できるようになるのだ。

 

4. カスタマージャーニーの統合により、組織、テクノロジー、データ、プロセスのサイロを解消する

GTMとカスタマージャーニーが整ったら、次は社内プロセス、チーム、データが、予測可能な成果を生み出すダイナミックな顧客体験に必要な情報を提供できるようにする必要がある。

 

最も効率的なアプローチは、一元管理された部門横断的なチームが、ジャーニーとシステム、プロセス、データモデルを重ね合わせ、ギャップと重複部分の両方を理解することである。また、顧客のジャーニーに沿ってインサイトを引き出し、バイヤーやアカウントのエンゲージメントを活性化するために、監視・統合する必要のある外部のバイヤーチャネルやリソースを理解することも必要となる。

 

社内のバイヤー、アカウント、顧客のサイロをなくすために、取り組むべき基本的な事項は以下の通りである。

  • GTMとカスタマージャーニーを実現するための部門横断的な組織設計とワークフロー
  • 手動タスクを自動化し、顧客を惹きつけ、インサイトを提供するためのテクノロジーとツール
  • インサイトとインテリジェンスをチームに提供するためデータモデルとダッシュボード

 

顧客とのより深いつながりを得るための連携

ビジネスと収益は、営業とマーケティングの連携や、顧客との連携が重要となるのではない。今や、これらの崇高な努力だけでは十分ではない。

 

むしろ、デジタルファーストの世界で競争するためには、GTM、アカウント、バイヤージャーニー、そして、それらを可能とするインフラストラクチャー戦略が連携して、最も切望される顧客の心やマインド、予算を獲得する必要がある。

 

この重要な3つの不連携に正面から取り組まなければ、チームとその可能性は大きく制限されることになるだろう。

 

※当記事は米国メディア「MarTech」の10/12公開の記事を翻訳・補足したものです。