スウェーデンのファッション小売業者のH&Mは、オンライン返品の有料化を検討している。返品の有料化することで、増加する企業コストの削減に繋げることができる。H&Mはノルウェーと英国で返品ポリシーの変更をテストしている。
H&MのCEOであるHelena Helmersson氏は、米国に本社を置く金融テクノロジー企業Bloombergに、このニュースを語った。先日、ライバルのファッションブランドZara(本社:スペイン)が、英国、アイルランド、ベルギー、オランダで有料返品を導入した。
ノルウェーと英国での返品手数料
H&Mは、今後数日以内にノルウェーと英国でオンライン返品の有料化をテストする予定だ。「当社が取り得る対策の一つとしてテストを行うものだ」と、H&MのCEOであるHelena Helmersson氏。「すべては顧客がどう反応するかにかかっている」とのこと。
H&Mはコストを削減したい
オンライン返品を有料化する取り組みは、企業のコストカットに繋がる可能性がある。株価の急落とインフレによる原材料費や輸送費の増加により、企業コストが膨らんでいる。さらに景気の不透明感により、個人消費も低下している。
「インフレの影響もあり、企業コストは増加している」
インフレについて、Helmersson氏は「まだ不確実な部分はかなり残っているが、ピークを迎え、ゆっくりとだが確実に横ばいになっているように見える」と語る。しかし、為替の影響がまだ残っている、と同氏は付け加える。「今後、私たちに影響を及ぼす最大の要因は米ドルだ」とのこと。
「導入には時間がかかるだろう」
先日、ファストファッション競合のZaraは、ヨーロッパの複数の国で有料返品を導入した。H&Mでも今後、同じことが行われるだろう。しかしHelmersson氏は、米国のニュースチャンネルCNNに「導入にはしばらく時間がかかるだろう」と語った。
「タイムリミットは決めていない」
「厳密なタイムリミットは決めていない。しかし、繰り返しになるが、テストの評価を見て、これが最も有効な対策であるかを確認していくつもりだ」。
※当記事は欧州メディア「Ecommerce News」の10/3公開の記事を翻訳・補足したものです。