2013 Japan IT WEEK 春 通販ソリューション展
5月8日〜10日の3日間、東京ビックサイトに於いてITの専門展“2013 Japan IT WEEK 春”が開催されました。(リンク先は既に来年度の案内に変わっています。)
同イベントは、昨年は94,805人が来場、1,273社が出展した国内見本市です。
今年は初めての開催となる“通販ソリューション展”や“Web&モバイルマーケティングEXPO”など、11のIT専門展が併催され、盛況のうちに幕を閉じました。
会場に足を運べなかった方のために、出展ブースの中からいくつか気になったところをピックアップして紹介します。
出展企業ピックアップ
音声認識サービス
まずは、至るところで目にしたのが音声認識サービス。
スマートフォンでは徐々に浸透してきている音声認識ですが、それをECで商品検索する際にも取り入れようというシステムです。
スマートフォンやPCの利用に不慣れなユーザーをメインのターゲットとし、利便性の向上から通常のユーザーへの利用の拡大を図りたい各社。
ドイツから昨年日本に上陸したばかりの、マルチチャネル・コマース製品を開発・販売するハイブリスでは、音声認識を活用したインターフェースのサンプルを出展。
まだまだ機能的には荒削りな部分もあるものの、これからのECの市場を考慮し、ITに弱い高齢層を取り入れていきたいとのことでした。
印刷業界大手の大日本印刷は、ネットスーパー向けの音声認識サービスを紹介。
こちらはネットスーパーに特化しているというだけあって、通常の音声認識より高精度な識別を可能としていることがウリ。
まだまだ完璧な精度での音声認識技術の登場には時間がかかることが予想される中、業界に特化することにより精度を高めていくことができることを示している事例でした。
チャット
WebサイトやECサイトでのお客様との直接的なやり取りに、中国などではチャットの活用が盛んになってきています。
また、最近では社内のやり取りにチャットを取り入れている会社も多いようで、業務へのチャットの導入が日々進んでいます。
そして、日本のECサイトにもその波は押し寄せて来ています。
今回は、アジアを中心に80,000以上のWebサイトで導入されているオンライン接客ツール、ゾピムが日本初上陸を記念して出展。
訪問者の現在の動きを把握することでアクセス解析をしたり、一定の条件にはまったユーザーに自動で表示を変えることや、閲覧中のユーザーに質問がないかアプローチするなど、さまざまなサービスが用意されています。
“オンライン接客”というキャッチフレーズを使っているだけあり、もはやチャットだけでなく、ユーザー動向をリアルタイムで解析した自動提案システムに近いものとなっています。
コミニュケーションの取りづらいネットショッピングも、このようなリアルタイムな接客を行えばより売上アップが見込めるでしょう。
こちらは、フォー・フュージョンが国内唯一の正規リセラーとして取り扱っています。
逆O2O
実店舗の露出を有効に活用し、ECを効果的に活用していきたいという方にぜひお勧めしたいと感じたのが、スマートフォン用注文アプリ“エクスオーダー”。
一見、単なるQRコードに見えるのですが、サイトに誘導するだけの従来のQRコードではありません。
専用のQRコードをチラシに貼ってユーザーに撮影してもらうだけで、専用のECサイトに誘導し、そこでワンタップで決済から購入まで進むことができます。
自社ECサイトがなくても、エクスオーダーの提供するプラットフォームに誘導されるため、出品のハードルが非常に低くすみます。
担当者の話によると、今後はさまざまな企業との提携が予定されているようです。
写真撮影
会場内では、写真撮影の画期的なサービスも発見しました。
株式会社アポロクリエイトが展開する3D写真撮影機、フォトシミリです。
“ウェブショッピングは3Dの時代”というキャッチフレーズ通り、人物からジュエリーまであらゆる大きさの商材の3D撮影が可能。
3Dでの撮影を簡単に実現するだけでなく、そこからアプリケーションを使って非常に簡単に商品紹介用の360度回転画像の作成が行える3D撮影のトータルソリューションです。
回転盤の上にモデルが乗った状態で撮影を開始し、わずか数分で360度回転するイメージデータを作成する実演では、多くの人が足を止めていました。
最後に、ECとは関係ないサービスですが、株式会社セラクが展開するAndroidを使った面白い商品を見つけました。
例えば、鏡にAndroidを組み込んだ“スマート洗面台”。
洗面台がクラウドにつながっていて、身支度をしながら必要な情報を収集できるという近未来的な商品です。
また、農作物の安全が問われる昨今、自分で野菜を育てる方も増えて来ていますが、そこに目を付けたのがAndriodを使って野菜の育成に必要な条件を管理できる“スマート植物工場”です。
外出先から植物の状態をチェックしたり、SNSで家庭菜園の様子を情報共有するなど、Androidのユニークな活用を提案した商品です。
そこまで無理してモバイル端末ではないものにAndroidを組み込まなくても、と思いつつも、その気合いの入った商品企画力に脱帽です。
ともに今後商品化されていくとのことで、実現が楽しみですね。
従来の商品に加え、今後注目が集まるであろうサービスにも多く出会えた今回の展示会。
次回“2013 Japan IT WEEK 秋”は10月23日〜25日、幕張メッセでの開催を予定しています