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2022年時点最新【2021年EC流通総額ランキング】国内20・海外25のECモール・カート・アプリの流通総額から見る市場トレンド

2022年時点最新【2021年EC流通総額ランキング】国内20・海外25のECモール・カート・アプリの流通総額から見る市場トレンド

トレンド
2022/11/04

【2021年EC流通総額ランキング】国内20・海外25のECモール・カート・アプリの流通総額から見る市場トレンド

 

毎年2月~6月にかけて、世界中のEC業界の各主力プレイヤーが前年の流通総額や売上高を公開している。今年も6月に公開された中国大手アリババグループの発表で、世界の大手ECモール・カート・アプリなどの2021年の流通総額の数値データが出揃った。今回も国内外の各主力プレイヤーの値を中心に紹介していき、それぞれの市場のトレンドを見ていく。今回は昨年と比較して国内で2サービス、海外で1サービス調査対象を広げた。一方で、海外でこれまで分かっていた3サービスのデータが不明となっている。

 

 

注)この記事には、同じ内容の2023年最新版、EC流通総額ランキングが既に公開されています。

2023年時点最新【2022年EC流通総額ランキング】国内21・海外25のECモール・カート・アプリの流通総額から見る市場トレンド
【2022年EC流通総額ランキング】国内21・海外25のECモール・カート・アプリの流通総額から見る市場トレンド 毎年2月~6月にかけて、世界中のEC業界の各主力プレイヤーが前年の流通総額や売上高を公開している。今年も5月中旬に公開された中国大手アリババグループの...

 

 

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目次
▼国内20サービスの流通総額ランキング
▼海外25サービスの流通総額ランキング
▼国内20・海外25サービスの全流通総額ランキング
▼世界のマーケットプレイス(C2C)12サービスの流通総額ランキング
▼世界のECモール16サービスの流通総額ランキング
▼越境ECモール7サービスの流通総額ランキング
▼世界のカート・PKG10サービスの流通総額ランキング

 

国内20のECモール・カート・アプリの流通総額ランキング

 

まずは、国内の20の主力モール・カートサービス及びパッケージ、フリマアプリなどの2021年(1月~12月)の流通総額を見ていく。

※ダウンロードファイルに高解像度の上記グラフ画像も含まれます。

 

2021年国内20のEC流通総額ランキングから見るトレンド

2021年はコロナ禍の影響によるデジタルシフトのブームもひと段落しつつある流れの中で、各社の流通総額は堅調に推移し、2年連続で国内の全てのプラットフォームがプラス成長となった。また、その大部分が依然として2桁成長を続けており、eコマースを中心としたデジタルでの取引が伸びている流れは引き続き続いているようだ。ただ、成長率は前年に比べるとほぼ全てのサービスで下がっている。また、各サービスの競争も熾烈になっており、それぞれのジャンルでのNO1サービスは力強いものの、2位、3位のサービスは伸び率がそれほど大きくなく、厳しい競争にさらされていることが鮮明になっている。

最上位は2021年も引き続き、Amazonとなり、2位楽天市場との差は拡大している。

また、2位3位の楽天、Yahoo!ショッピングであるが、毎年のように集計対象となるグループ内のサービスが追加・変更されており、「ショッピング」と言う枠の中だけでの値が年々見えにくくなっている。

C2Cサービスで初の1兆円突破が目前と目されていたメルカリの勢いにも少し陰りが見えており、集計対象に議論の余地はあるものの、依然としてヤフオクの後塵を拝している状況だ。

 

それでは、国内の主力プレーヤーの流通総額をそれぞれ見ていこう。公表されているサービスも多いが、残念ながら公表されていないサービスもある。ここでは公表データだけでなく、eccLabによる推測値も掲載し、流通総額が多い順に紹介していく。

 

Amazon 流通総額:5兆4,567億円(推測)

Amazon.comが公開している年次報告書の66ページによると、2021年の日本国内における総売上高は230億7,100万ドル。2021年の平均為替レートを108.8円(三菱UFJリサーチ&コンサルティング調べ)とした場合(以降、米ドルに対しては全てこの値を使用)、日本円にして2兆5,101億円となった。前年2020年の同データは約2兆1,652億円(204億6,100万ドルで為替レートを105.82円とした場合)だったため、売上高は米ドルベースで前年比12.76%増となっている。Amazonの売上高については、日本国内でAmazonが売主となるものと、第三者が売主になるものの手数料10%程度が合計された値となっており、その割合は未公表だ。しかし、eccLabでは2018年のマーケットプレイス割合を50%、2019年の割合を55%、2020年の割合60%、2021年の割合を60%と推定。このことから、2021年の流通総額は5兆4,567億円、前年比15.9%増と推測する。

 

楽天市場 流通総額:5兆118億円(トラベル等含む)

楽天投資家向け発表によると、国内EC事業の2021年の流通総額は前年比10.4%増5兆118億円となった。この値は楽天市場だけでなく、トラベルなどの宿泊流通、GORAによるゴルフ流通、ビジネス、楽天24、楽天デリバリー、ラクマ、楽天西友ネットスーパーなどの値を含んだものとなっている。また、ブックスネットワーク、クロスボーダートレーディング、Kobo(国内)を追加。を国内EC流通総額へ追加したことで数値が遡及修正されているため、昨年の流通総額が昨年公表時の4兆4,510億円から4兆5,396億円に修正されている。

 

Yahoo!ショッピング 流通総額:1兆6,525億円(PayPayモール等含む)

Yahoo!JAPANを経営するZホールディングス株式会社決算説明会資料によると、2021年のYahoo!ショッピング関連事業の国内流通総額は前年比16.5%増1兆6,525億円となった。2021年3月にLINEと経営統合したこともあって2021年第1四半期から報告セグメントが変更されており、この流通総額にはYahoo!ショッピング以外にもPayPayモール、ZOZOTOWN、LOHACO、チャーム、LINEショッピング、LINE FRIENDS、LINEギフト、MySmartStore、Yahoo!マート by ASKULが含まれる。増加要因は超PayPay祭、夏のPayPay祭などの販促施策やグループアセット活用によるものとされている。なお、eccLabの集計は2021年1月~12月の値となるため、Zホールディングス公式発表の2021年度通期の値とは異なる。

 

ヤフオク! 流通総額:9,168億円(ZOZOUSED等含む)

同じくZホールディングス株式会社決算説明会資料によると、2021年のヤフオク!の国内流通総額は9,168億円となった。2020年は8,303億円だったため、前年比10.4%増となった。この流通総額にはヤフオク!以外にもPayPayフリマ、ZOZOUSEDが含まれる。ヤフオク!の流通総額は2018年以降減少~横ばい状態が続いていたが、2021年になり対象の変更もあったこともあり増加傾向に転じているが、後述するメルカリとのC2Cサービスの国内首位争いを意識した数字の操作の印象も否めない。なお、eccLabの集計は2021年1月~12月の値となるため、Zホールディングス公式発表の2021年度通期の値とは異なる。

 

メルカリ 流通総額:8,470億円

フリマアプリのメルカリ決算説明会資料によると、国内の2021年のメルカリの流通総額は8,470億円となった。2020年の国内の流通総額が7,121億円のため、前年比18.9%増となる。昨年までのような30%台の勢いではなくなったものの、依然として20%台近い成長率を維持している。

 

ecbeing 流通総額:8,000億円(推測)

ecbeingはこれまで流通総額を公表していなかったが、今回公式サイトにて2019年以降の流通総額が公開された。公式サイトの記事によると2019年の流通総額は4,742億円、2020年の流通総額は6,392億円であった。同記事において2021年の流通総額は推測8,000億円とされており、依然として国内シェア率も高いためeccLabではこの数値をほぼ達成できていると推定。このことから、2021年のecbeingの流通総額は8,000億円前年比25.2%増と推測する。

 

ZOZOTOWN 流通総額:4,907億円

ZOZOTOWNを運営する株式会社ZOZO決算報告資料によると、2021年のZOZOTOWNの流通総額は4,907億円であった。2020年の流通総額が3,955億円のため、前年比24.1%増となる。ZOZOTOWNはここ3年間10%台の成長に留まっていたが、今回20%台の成長率を記録した。

 

EC-CUBE 流通総額:2,940億円(推測)

オープンソースECパッケージEC-CUBEを運営する株式会社イーシーキューブは、2019年8月時点での年間流通総額が2,100億円であると公表しているが、現時点で公表されている最新の値はこれのみとなる。公式サイト上での2020年振り返り記事、及び社外リリース等から、2020年はコロナ禍による巣ごもり需要の増加が1.5倍程度見られることが読み取れることから、2020年のEC-CUBEの流通総額は前年比40%増の、2,940億円と推測したが、2021年においても同じ数字で推移していると推測し、前年比増減なし2,940億円と推測する。

 

au PAY マーケット 流通総額:2,757億円(推測)

auコマース&ライフ株式会社とKDDI株式会社が共同で運営するau PAY マーケット(旧:au Wowma)は、流通総額を公表していない。しかし、インタビュー記事に「au PAY マーケットの2021年における流通額は前年比19%増」との記載があることから、eccLabでは2021年のau PAY マーケットの流通総額を前年比19%増2,757億円と推測する。

 

MakeShop 流通総額:2,749億円

MakeShop発表によると2021年のMakeShopの流通額は過去最高の2,749億円。2020年の流通総額は2,343億円のため、前年比17.3%増となった。10年連続で国内のカートASPジャンルの中での流通総額No.1となっており、この背景についてMakeShopは「消費行動のデジタルシフトが加速し、EC需要の高まりが一時的な変化にとどまらず成長を続けたこと」とコメントしている。

 

カラーミーショップ 流通総額:2,070億円

記事によると、今年で17周年を迎えるカラーミーショップの2021年の流通総額は2,070億円、2020年の流通総額が1,936億円だったため、前年比6.9%増となっている。2020年は32.7%と大きく成長したが、今年はやや鈍化している。

 

Qoo10 流通総額:2,004億円(推測)

Qoo10は、ここ数年で大きく運営母体が変わっていることもあり、流通総額は断片的な情報を組み合わせて推測するしかない状況が続いている。eccLabでは今回もQoo10の流通総額の推測を行う。2019年は「前年比30%増のペースで流通総額を拡大している」という記事の記述をもとに、1,209億円と推測。2020年は「取引高は20%の中盤から後半の伸び率だった」という記事の記述から1,542億円と推測。大規模セールの「メガ割」が好調でターゲットである10~30代女性の認知も高まっていることから、2021年のQoo10の流通総額は2,004億円前年比30%増と推測する。

 

futureshop 流通総額:1,827億円

国内大手ショッピングカートfutureshopを運営する株式会社フューチャーショップのオウンドメディア「E-Commerce Magazine」の記事によると、2021年のfutureshopの流通総額は1,827億円。2020年の流通総額は1,550億円のため、前年比17.9%増となる。2021年は巣ごもり需要もあって「日用品・雑貨・インテリア」と「食品・スイーツ」カテゴリの導入店舗が増加し、稼働店舗数は2021年11月時点で2,900店舗を突破したという。

 

ラクマ 流通総額:1,811億円(推測)

ラクマの流通総額は昨年に引き続き公表されていないが、競合のメルカリよりも勢いは大きくないと予想されることから、前年比5%増と予測し、2020年の流通総額推測値1,725億円から推算し、2021年のラクマの流通総額は1,811億円と推測する。

 

BASE 流通総額:1,137億円

インスタントECを提供するBASE決算説明会資料によると、2021年のBASEの流通総額は1,137億円。2020年の流通総額が953億円だったため、前年比19.3%増となる。BASEは昨年121.8%と驚異的に伸びており、それよりは落ちたものの、今回も20%台近い堅実な成長を見せている。

 

リピスト 流通総額:900億円(推測)

株式会社PRECSが運営する定期購入に特化したECカートリピストの公式サイトによると、リピストの年間流通総額は900億円であるという。年度の記載はないもののここ数年で順調に導入数を伸ばしているため、eccLabでは2021年全体の流通総額もほぼ同程度であると推定。このことから、2021年のリピストの流通総額は900億円前年比10%増と推測する。

 

おちゃのこネット 流通総額:482億円(推測)

おちゃのこネットの流通総額は公表されていないが、日本ネット経済新聞の記事に「おちゃのこネットの2021年度の流通総額は前年15%増の482億円」との記載があることから、eccLabでは2021年全体の流通総額もほぼ同程度であると推定。2021年のおちゃのこネットの流通総額は、482億円と推測する。2020年までの流通総額に関する情報がないため、前年比は不明である。

 

Commerble EC PaaS 流通総額:375億円(推測)

柔軟性に優れたクラウドプラットフォームCommerble EC PaaSを運営する株式会社Commerbleプレスリリースから推測すると、2021年においても堅調に成長していることが見込まれるため、2021年のCommerble EC PaaSの流通総額は前年比50%増の、375億円と推測する。

 

Creema 流通総額:157.2億円

ハンドメイドサイトCreema(クリーマ)を運営する株式会社クリーマ決算説明会資料によると、2021年のCreemaの流通総額は157.2億円。2020年の流通総額が139.8億円のため、前年比12.5%増となった。Creemaはトレンド特集やキャンペーン施策のほか、継続的なユーザーインターフェースの向上やクリエイターの利便性向上施策にも積極的に取り組んでいるという。

 

minne 流通総額:151.5億円

ハンドメイドサイトminne(ミンネ)を運営するGMOペパボ株式会社決算説明会資料のp48によると、2021年のminneの流通総額は151.5億円。2020年の流通総額が149.1億円のため、前年比1.6%増となった。流通総額はほぼ横ばい状態となったが、作家・ブランド数、作品数、アプリDL数はいずれも増加している。

 

推測困難なその他のサービス

カートASPサービスのショップサーブはデータの公表がここ数年行われておらず、2016年は比較的推測が行いやすい状況であったが、その後は情報公開がないため推測不能。インスタントECサービスSTORESは「毎年、前年比2倍以上のペースで流通額が増加している」という2019年の記事はあるものの、以降も数字が全く公開されていないため、引き続き推測不能としている。

 

 

海外25のECモール・カートの流通総額ランキング

 

続いては、海外の25の主力モール・カートサービスなどの2021年(1月~12月)の流通総額を見ていく。こちらも公表データだけでなく、eコマースコンバージョンラボ編集部による推測値も掲載し、流通総額が多い順に紹介していく。

 

Taobao(淘宝网/タオバオ) 流通総額:65兆2,007億円(2021年4月から2022年3月までの値・推測)

Alibabaグループは前回から事業全体や売上高メインの情報公開となり、Taobao単体の流通総額が掲載されていないため、これまでの数値と最新資料を合わせた推測を行う。また、例年4月から3月までの数値しか公開されていないことから、同期間での推測となる。まず、同グループの記事において、「2021年の中国国内での流通総額は8兆元(約152兆円)近い」との言及があった。さらに2021年10-12期より事業セグメントの開示方法が刷新されているため、上記の数値はTaobaoとTmallの合計ではなく、eコマース以外も含むものとなっている。しかしながら、同グループのGMVの大半は依然としてTaobaoとTmallが占めていること、通期実績資料において「2022会計年度通期のTaobaoとTmallのオンライン物販流通総額(GMV)は未払い注文を除き前年度比1桁台前半の成長を記録した」と記載されていること、2021年4月に独占禁止法違反で罰金を課され成長が鈍化していることなどを踏まえ、eccLabでは前年比2%増程度と推測。ここから逆算し、Taobaoの2021年度の流通総額はおよそ3兆8,972億人民元、2021年の平均為替レートを16.73円(三菱UFJリサーチ&コンサルティング調べ)とした場合(以降、中国元に対しては全てこの値を使用)、日本円換算で65兆2,007億円と推測する。

 

Tmall(天猫) 流通総額:63兆2,766億円(2021年4月から2022年3月までの値・推測)

Taobaoと同じ根拠、更にここ数年TaobaoよりもTmallの方が成長率が若干高いことから、中国大手ショッピングモールTmall(天猫)の成長率は前年比3%増程度と推測。ここから逆算し、Tmallの2021年度の流通総額は3兆7,822億人民元、日本円換算で63兆2,766億円と推測する。

 

Amazonグローバル 流通総額:60兆7,521億円(推測)

Amazon.comが公開している年次報告書の23ページによると、2021年のグローバルにおける売上高は4,698億2,200万ドルで前年比21.7%増となった。この値はAWSなどのEC事業以外も含む。EC事業のみで見ると(年次報告書37ページ)、2,417億8,700万ドルで前年比12%増となっている。2021年の平均為替レートを108.8円(三菱UFJリサーチ&コンサルティング調べ)とした場合(以降、米国ドルに対しては全てこの値を使用)、日本円にして26兆3,064億円となる。この値も第三者が売主になるものが手数料10%程度しか計上されていないため、eccLabでは海外のマーケットプレイス割合は国内よりも多いことから昨年同様63%と推定。このことから、グローバルでの2021年の流通総額は60兆7,521億円前年比33.9%増と推測する。

また、2021年の売上高を地域別に見ると、アメリカが3,140億600万ドル、ドイツが373億2,600万ドル、イギリスが319億1,400万ドル、日本が230億7,100万ドル、その他の地域が635億500万ドルとなっており、昨年と同様、日本は世界で4番目の売上高を誇る規模になっている。また、本国米国の売上高は66.8%を占めている。

 

JD.com(京東商城/ジンドン) 流通総額:55兆1,584億円

中国大手ショッピングモール京東商城(JD.com)京東全球購(JD Worldwide)などを運営するJD.comの決算発表資料によると、2021年の流通総額は前年比26.2%増であった。今回から流通総額そのものの記載はなくなったが、2020年の流通総額が2兆6,125億人民元だったため、前年比から逆算し、JD.comの2021年の流通総額は3兆2,970億人民元、日本円換算で55兆1,584億円となる。

 

Pinduoduo(拼多多/ピンドゥドゥ) 流通総額:40兆8,379億円

中国の上海に本拠地を置く共同購入システムのeコマースプラットフォームPinduoduoの2021年の流通総額は、年次報告書によると2兆4,410億元、日本円で40兆8,379億円であった。昨年の流通総額が1兆6,676億元のため、前年比46.4%増となる。2015年の設立以来、低価格商品を売りとするPinduoduoは農村部を中心に爆発的に普及したが、2021年もその勢いは健在である。

 

Shopify 流通総額:19兆794億円

北米大手ショッピングカートサービスShopifyが発表した年次報告書によると、Shopifyの2021年の年間流通総額は1,753億6,200万ドルとなり、日本円にすると19兆794億円となった。昨年の流通総額が1,195億7,700万ドルなので、前年比46.7%増となる。

Shopifyブログのインパクトレポートによると、「Shopifyの加盟店は2021年に500万の雇用創出と4,440億ドル以上の経済効果に貢献した」とのこと。さらにパートナーエコシステムは前年比45%増の320億ドルの収益を生み出しており、これはShopifyの2021年の収益のほぼ7倍であるという。

 

eBay 流通総額:9兆5,053億円

米国eBay Inc. が発表した投資家向けリリースによると、eBayの2021年の流通総額は873億6,500万ドルで、日本円にして9兆5,053億円であった。昨年の流通総額が876億800万ドルのため、前年比0.3%減となっている。なお、今回より商品代金だけでなく送料と税金もGMVに含むようになり、完了した取引のみを計上するよう定義が変更されたため、数値が遡及修正されている。

 

Shopee 流通総額:6兆8,109億円

シンガポールに本拠地を置くSeaが運営する、東南アジア地域で急速に普及しているC2CモールのShopeeの2021年の流通総額は、Seaの決算発表によると626億ドルであった。これは日本円に換算すると6兆8,109億円となる。昨年の流通総額が354億ドルのため、前年比76.8%増となる。

 

VIP唯品会 流通総額:3兆2,038億円

VIP唯品会年次報告書によると、中国大手のECモールであるVIP唯品会の2021年の流通総額は1,915億人民元、日本円に換算すると3兆2,038億円となる。昨年の流通総額が1,650億人民元のため、前年比27.9%増となる。

 

Mercado Libre 流通総額:3兆846億円

アルゼンチンに本拠地を置き、中南米向けにECモールを展開するMercadoLibreの2021年の流通総額は、年次報告書によると283億5,090万ドルであった。これは日本円にすると3兆846億円となる。昨年の流通総額が209億2,680万ドルのため、前年比35.5%増となる。

 

GoTo(旧:Tokopedia) 流通総額:3兆4億円

インドネシアのスーパーアプリ「GoTo」を提供するGoTo Groupは、2021年5月にTokopediaGoJekが経営統合し設立された企業だ。年次報告書によると、2021年におけるGoTo Groupの流通総額は462兆ルピアであった。2021年の平均為替レートを0.0065円(三菱UFJリサーチ&コンサルティング調べ)とした場合(以降、インドネシアルピアに対しては全てこの値を使用)、日本円に換算して3兆4億円であった。昨年の流通総額が330兆ルピアのため、前年比39.8%増となる。また、今回より流通総額が正式に公表されるようになったため、eccLabでも数値を遡及修正している。

これまでアリババやソフトバンクグループなど多くの企業が出資を続けてきたGoTo Groupは、2022年4月にインドネシア証券取引所に上場を果たした。公式サイトによると年間取引ユーザーは5500万人、配車のドライバーは250万人となっており、インドネシアの家庭の約2/3がGoToを利用しているという。

 

Flipkart 流通総額:2兆5,024億円(2021年4月から2022年3月までの値)

2018年にWalmartに買収されたインド最大手のECサイトでありインドのAmazonとも言われるFlipkartの2021年度の流通総額は、記事によると230億ドルと推測され、日本円で2兆5,024億円となった。昨年の流通総額が150億ドルのため、前年比53.3%増となる。なお、この数値にはFlipkartが2014年に買収したミントラのシェアが30億ドル含まれている。Flipkartは年度ごとの値のみ公開されており、2021年全体の値の推測が困難なため、2021年4月から2022年3月までの値で掲載している。

これについて経営コンサルティング会社カーニーのパートナーであるArpit Mathurは「新型コロナウィルスの影響もあるが、それでもブレイクアウトの年になるだろう」と述べている。同資料によると、ライバルのAmazon Indiaは年間で約115億ドルのGMVを記録しているという。

 

Lazada 流通総額:2兆2,848億円(推測)

シンガポールに拠点を置き、東南アジア各国で展開するアリババ傘下のモールLazadaの流通総額は、記事によると2021年9月までの12か月間で210億ドルであった。他に情報が存在せずこれ以降の数値の更新もみられないため、eccLabでは2021年全体での流通総額もほぼ同等であると推定。このことから、Lazadaの2021年の流通総額は2兆2,848億円と推測する。昨年の流通総額が45億ドルのため、単純に比較すれば前年比366.7%増となるが、昨年はマーケットプレイスのみの数値であり、今回はグループ全体の数値と思われる点に留意されたい。

 

Zalando 流通総額:1兆8,422億円

ドイツに本拠地を置くオンラインアパレルサイトZalando発表によると、Zalandoの2021年の流通総額は143億4,840万ユーロとなり、2021年の平均為替レートを128.39円(三菱UFJリサーチ&コンサルティング調べ)とした場合、日本円に換算すると1兆8,422億円となった。昨年の流通総額が107億ユーロだったため、前年比34.2%増となる。

 

Coupang 流通総額:1兆5,150億円

2010年に韓国で誕生した大手ECモールCoupangの2021年度の流通総額は、記事によると16.1兆ウォン、2021年の平均為替レートを9.41円(三菱UFJリサーチ&コンサルティング調べ)とした場合、日本円換算で1兆5,150億円前年比61.0%増となった。Coupangは韓国におけるAmazonのようなECサイトで、最短翌日に届くロケット配送を特徴としており、2021年6月には日本にも進出。現在は東京23区内の一部で展開し、最短10分で届くなど、国内でも同様配送スピードの速さを売りにしている。

 

Etsy 流通総額:1兆4,679億円

米国ハンドメイドマーケットプレイスEtsy決算発表によると、Etsyの2021年の流通総額は134億9,183万ドルとなり、日本円にすると1兆4,679億円となった。昨年の流通総額が102億8,110万ドルのため、前年比31.2%増となる。

 

allegro 流通総額:1兆1,622億円

ポーランドを本拠地として欧州で展開するモールallegroの2021年の流通総額は、決算報告書の18ページによると426億170万ズロチ。2021年の平均為替レートを27.28円(三菱UFJリサーチ&コンサルティング調べ)とした場合、日本円にして1兆1,622億円となった。昨年の流通総額が351億1,090万ズロチのため、前年比21.3%増となる。

 

Bukalapak 流通総額:7,969億円

CtoCモールを筆頭にBtoBやBtoCなども展開するインドネシアの企業Bukalapakの2020年の流通総額は、公式ブログの記事によると122兆6,000億ルピア、日本円で7,969億円であった。公式ブログでは2020年の流通総額を公表していないが、同記事に「2021年度の流通総額は前年同期と比較して44%増加」と記載されていることから、eccLabでは2021年の数値を逆算し85億1,389万ルピアとし、前年比44%増としている。

 

中国の越境ECモール・アプリ

データ分析会社、易観分析が公開している四半期ごとの分析データによると、2021年越境EC輸入小売市場の流通総額は4,837億4,000万元、昨年の流通総額が4,453億2,000万元のため前年比8.6%増となっている。記載されている市場規模とシェア率からサービスごとの市場規模を算出すると、Tmall 国際はおよそ1,808億5.700万元(3兆257億円)、網易Kaolaはおよそ1,239億3,800万元(2兆735億円)、JD.Worldwideはおよそ847億6,300万元(1兆4,181億円)、VIP唯品会(国際)はおよそ429億1,100万元(7,179億円)、亜馬遜海外購(Amazon)はおよそ179億2,200万元(2,998億円)、小紅書(RED)はおよそ123億100万元(2,058億円)、蘇寧国際はおよそ72億2,500万元(1,209億円)となった。Amazonは2019年7月に中国のマーケットプレイス事業から撤退し越境EC事業のみ継続しているが、シェアは平均3.7%ほどであり、昨年と比較して0.9ポイント減少している。また、聚美扱速免税店豊趣海淘は今回ランク外となっており、推測困難である。

なお、この中国の越境ECモール・アプリの流通総額の算出方法は前回から変更しており、今回は2021年第4四半期のシェア率のデータが存在しないため、2022年第1四半期のシェア率からの推測で代用している。そのため、グラフ内の昨対比については参考程度に考えて欲しい。

 

推測困難なその他のサービス

中国大手のECモールである蘇寧易購は経営状況が急激に悪化し、2021年分の流通総額の発表が一切行われなかった。インドの大手ECサイトでありソフトバンクやアリババが出資していることでも知られるSnapdeal、韓国最大のショッピングモールGmarket、トルコを本拠地として中東地域に展開するモールのTrendyoln11、同地域に展開するeBayが親会社となっているマーケットプレイスのGittiGidiyor、Amazonが親会社となっているアラブ世界最大のECモールSouq、アリババグループでグローバルに越境ECプラットフォームを展開するAliExpressは、いずれも流通総額を公表しておらず、推測するための情報も存在していない。

 

 

国内20・海外25の各主力プレイヤーの流通総額ランキングから見る市場トレンド

 

国内20サービス、海外25サービスの流通総額を紹介してきたが、ここで全てのサービスを流通総額順に並べてみる。

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当調査を開始した2016年以降、他を大きく凌駕していた、中国のTaobao、Tmallの2つのサービスではあるが、2021年は成長が一気に減速したようだ。一方で、3位のAmazonグローバルは依然として成長率が高く、この上位3サービスが60兆円の大台を越える結果となった。Amazonグローバルは完全に中国の2サービスを視界に捉えたと言っても良いだろう。

上位7サービスに順位の変動はなく、4位のJD.com、5位のPinduoduoも中国のサービスとなっており、こちらは成長率が高い状態が続いており、中国国内でアリババグループの寡占傾向が弱まってきたと読み取ることが出来そうだ。

10兆円の大台をクリアしたのは6位のShopifyまで。7位のebayは、2021年も前年比減となるなど、伸びと減少を繰り返している状況だ。東南アジアのShopeeは非常に成長率も高く、2022年には10兆円をクリアしそうな勢いだ。また、その他の東南アジア系のサービスであるGoTo、Flipkart、Lazadaも非常に勢いが良く、市場全体が好調であることが伺える。

Taobao、Tmallと言う上位2サービスと、eBayの成長率は低調だったものの、その他の海外サービスは基本的には20%を越える成長を続けているようだ。

 

続いてサービス形態別に見てみよう。

 

世界のマーケットプレイス(C2C)型の流通総額ランキング

まずは、マーケットプレイス(C2C)型の流通総額を見ていく。

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マーケットプレイス型のサービスは、大きく成長したサービスと、成長が低迷しているサービスに2極化している。各国の市場環境などの影響が大きく一概に原因を特定することは難しそうだ。上位2サービスのTaobao、ebayは大きく低迷しており、3~6位のShopee、GoTo、coupang、Etsyは30%以上の成長を遂げている。

上位2サービスは前回までと変わらず、中国のTaobaoが圧倒し、次いで米国のebayとなっている。またここには掲載していないが、Amazonは流通総額の6割強がマーケットプレイス型によるものとされているため、額面通りに計算すると約37兆円となり、ebayを上回り2番目にランクされ、Taobaoの半分強の流通総額となる。今後は、東南アジア系のShopee、GoTo、bukalapak等は依然として成長率が高いまま継続していくことが期待されているが、日本や欧米の成熟市場においてはどのような成長率となるのか注視していく必要がありそうだ。

 

世界のECモールの流通総額ランキング

次にモール型サービスの流通総額を見ていく。

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2021年もECモールの流通総額は、調査開始の2016年から独走状態だったTmallの勢いが一気に落ちたことで、2~4位の各サービスとの差が一気に詰まってきた1年となった。Tmallと、2~4位のAmazonグローバル、JD.com、Pinduoduoまでの4サービスは、その成長率を考慮すると、今後数年でどのような勢力図に書き換わっていくのか全く予想がつかない。

それ以下の1兆円を越える流通総額となっているサービスは9サービスとなり、過去最多を記録している。

 

越境ECモールの流通総額ランキング

次に越境ECモールの流通総額を見ていく。今回も主に中国市場発のものだけとなる。

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Alibabaグループは、Tmall国際、Kaolaの上位2サービスを保有しており、で65%近くのシェアを持っており、その影響力の大きさは計り知れない状況だ。中国国内では、Amazonがこの越境EC事業のみを継続しており、他の国だと主力となっているMP事業などを行っていないことから、マイナス成長となっており、今後もこの傾向は続きそうだ。

 

世界のショッピングカート・PKGの流通総額ランキング

次にショッピングカートASPサービス、及びECパッケージ(PKG)の流通総額を見ていく。

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いわゆる自社サイトを展開する際に利用されるこれらのサービスは、依然としてShopifyの圧倒的寡占状態が続いており、成長率も図抜けている状態だ。Shopifyは日本以外の国で、徐々に広がっている、自社サイトを活用する流れをうまく捉えた形だ。このShopifyの急成長は、日本にも影響を及ぼしており、国内でも自社サイトを展開する際の第一選択肢と言える位置までサービスの認知が高まってきている。日本国内の流通総額は依然として非公開の為分からないが、既に国内首位の可能性すらありそうだとeccLab編集部では推測している。

 

 

2021年のECモール・カート・アプリの流通総額の総括

 

2021年は中国のTaobao、Tmallの大きな減速が一番の衝撃だったのではないだろうか。これまで圧倒的な流通総額と成長率でグローバルの市場を牽引してきたが、一気に数年後の勢力図がぼやけてきた状態だ。

ただ一方で、世界中で部分的にコロナ禍の影響が残る中のデータではあるが、依然としてそれ以外のサービスの成長率は堅調のようだ。

海外サービスは市場が複数の国に渡っており、成長率などは依然として成長の余地があるものの、国内サービスは市場はそれほど急激に今後も伸び続けることは難しいと考えることが妥当だろう。そのような中で、海外サービスと国内サービスを並べることで、世界の、そして日本のEC市場のトレンドについて多くの気付きを得て頂きたい。そして、今後のEC業界の市場トレンドの検討のインプットにしていって頂ければ幸いだ。

今後は、このトレンドがどのように変わっていくのか、また、中東や東南アジアなどまだまだ成長の余地が大きな国の流通総額がどこまで伸びていくのか、引き続き調査を行っていく。

 

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