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NFTを活用したブランド施策においてマーケターはどのような戦略をとるべきか

NFTを活用したブランド施策においてマーケターはどのような戦略をとるべきか

マーケティング
2022/02/24

フランスのアパレルブランドBalmainと着せ替え人形Barbieのコラボ商品のオークションプロジェクトをサポートするMintNFT(ブロックチェーンおよびバックエンドソリューションを提供する米国のNFT BaaS企業)のJames Sun氏が、マーケターに向けてその戦略について語る。

 

マーケターは、キャンペーンを立ち上げる際に、非代替性トークン(NFT)のような新しいテクノロジーを実装することの価値を理解している。特に若い世代のオーディエンスを引き込むには重要だ。しかし、未知の領域に乗り出すにはリスクもある。自分たちが何をしているのか知る必要がある。そしてNFTの戦略はまだよく知られていない。

 

2021年、ブロックチェーン技術を使ったNFTに一気に火が付き、Taco BellBurger Kingのような大手ファストチェーンブランドにインスピレーションを与えた

 

「2022年、マーケターはブロックチェーン技術とNFTをどう使うか」の記事はこちら

 

高級アパレルブランドのBalmainは、米国の玩具メーカーMattelの主力商品であるBarbieと提携し、ウェアの新ラインのプロモーションとして、Balmain x BarbieのNFTのオークションを行った。

 

このNFTを支える技術パートナーでありロサンゼルスに本社を置くMintNFTの創業者兼CEOであるJames Sun氏は、最近、これらのデジタルコレクションに参入しようとするマーケター向けに自身のプレイブックを語った。

 

Sun氏は、IntelやDeloitteなどの企業で、ソフトウェアエンジニアリング、CRM(顧客関係管理)の実装、データ駆動マーケティングの経験を積んでいる。同氏は、NFTブランド施策を行う際に、すべてのマーケターが展開すべき4つの戦略について説明している。

 

Sun氏によると、マーケターは、目標をかため適切なクリエイティブを開発し、NFTの投下に適したテクノロジーを選定しなければならない。また、NFTの寿命について、より長期的な計画を立て、事前に準備する必要もある。

 

ブランドのNFTキャンペーンの目標を決める

「マーケターは、最初に目標について考えなければならない」とSun氏。「NFTで収益を上げたいのか。新規のオーディエンスにおける市場認知度を上げたいのか」。

 

NFT戦略の目標は、ブランドが顧客について知っていることと結び付ついていなければならない。また、マーケターは、リーチしようとするオーディエンスを正確に把握し、サービスを提供しようとする顧客に適したテクノロジーを採用しなければならない

 

例えば、米国に本社を置くオンラインゲーミングプラットフォームおよびゲーム作成システムのRobloxのようなゲーム環境と連動したキャンペーンを実行する場合、顧客がそのゲーム環境までついてきてくれる可能性もあるが、一部または大半のオーディエンスを失うことになるかもしれない。

 

マーケターは、このオーディエンスとのエンゲージメントと体験を、例えば、新しいテクノロジーを導入することで「クールな要素」を消費者に印象付けられるといった、NFTから得られると想定する目標と比較検討しなければならない。

 

NFTに関連するメッセージの作成と視覚化

「次に、そのキャンペーンのブランディングとメッセージをどのようなものにするかということである」とSun氏は問う。「NFTはもともと視覚的なので、どのようなキャンペーンにするべきだろうか」。

 

NFTは新しいロゴや新しく発売する製品を紹介するのに役立つ、とSun氏は語る。

 

Balmain x Barbie Limited Editionの場合、NFTによって、最新のファッションと象徴的なおもちゃシリーズの視覚的要素が取り込まれた。特にNFTに登場するキャラクターと、顧客が実際に購入できるアイテムのウェアラインのモデルの両方にピンクのアイテムを使用することで、遊び心のあるキャンペーンを実現した。

 

今回の提携は、このキャンペーンメッセージにおいて重要な要素であり、BalmainやMattelのように2つのブランドだけである必要はない。マーケターは、キャンペーンに別の側面を持たせるために、非営利団体や個人芸術家と協力することも検討することができる。例えば、2021年にサンフランシスコの水族館Aquarium of the Bayは、海の生物や環境保護に関心のある入札者を惹きつけるNFTを始めた。

 

適切な技術パートナーを選ぶ

今はまだNFTの普及が十分ではないため、マーケターは、顧客が使いやすいブロックチェーンパートナーを選ばなければならない。

 

「アート界や暗号通貨でのNFTの普及が進んだとき、大手ブランドの興味深い活用例があった」とSun氏は説明した。「大手ブランドは、大衆にリーチする能力があり、NFTは所有権という非常に興味深い属性がある。所有権をどう定義しようとも、本人の名前とウォレットは、そのブロックチェーンに永久に付属する」。

 

同氏はさらに「今のインターネットのほとんどは、それを提供していない。それゆえに、NFTはブランドにとってクールなツールとなっている」と付け加えた。

 

それを念頭に置いて、マーケターはブランドにとって使いやすいパートナーを選ばなければならない。

 

「ブランドが非常に使いやすく、ブランドの顧客にとっても使いやすく、関わりやすいプラットフォームを見つけるべきだ」とSun氏は語った。

 

NFTの開始後のことを決める

NFTを開始した後どう行動するか、事前に綿密な計画を練っておくこと。

 

「NFTを利用する顧客にとって、どうなるかを決めておく必要がある」とSun氏。「ロイヤルティプログラムのためか。メタバースでプレイするためなのか」。

 

次のエンゲージメントは別のNFTかもしれないし、バーチャルな環境で続ける可能性もある。

 

「(シューティングゲームの)Fortniteをプレイする時、この技術を利用して面白いユーティリティを追加することができる」とSun氏は提案した。例えば、NFTの所有者は、ゲーム内で特別な力を発揮することができる。一例としては、プレイヤーが飛べるようになることなどが考えられる。

 

「NFTは始まったばかりであるため、新規参入して成功したブランドもあれば、うまくいかなかったブランドもある」とSun氏は述べた。「NFTの全体像をみること、そして、クリエイティブが確定する前に、ローンチ後にNFTとブランドが何をするのかを考えてほしい」。

 

同氏はさらに「アーティストや他のブランドとコラボレーションするNFTキャンペーンを展開することで、消費者のエンゲージメントをより高め、より惹きつけることができる可能性がある。彼らに、ブランドに対する当事者意識をもたせ、こういったファンをブランドのより成熟した顧客へと変えることができる」と続けた。

 

※当記事は米国メディア「MarTech」の2/4公開の記事を翻訳・補足したものです。