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新型コロナウイルスのパンデミックがマーケティングテクノロジーのリプレースに与えた影響

新型コロナウイルスのパンデミックがマーケティングテクノロジーのリプレースに与えた影響

マーケティング
2021/10/21

MarTech Replacement Surveyによると、マーケティングチームはテクノロジーリプレースに積極的だが、リソース不足のため既存スタッフが新ツールについて学ぶ必要があったという。

 

この数週間、企業のマーケティングチームが過去1年間に行った技術スタックの変更に注目してきた。そして、新型コロナウイルスのパンデミックによる混乱にもかかわらず、多くの企業がツールやプラットフォームのリプレースを実行していることがわかった。しかし、今回のMarTech Replacement Survey(ダウンロードはこちらから)は、パンデミックがこれらの新しいテクノロジーを管理するための人員配置に影響を与えたことを明らかにしている。

 

2019年の調査では、「テクノロジーリプレースに際し、新規のスタッフを雇用したか」という質問に43%以上の回答者が「新しくチームを雇用した」と答えた。「既存のスタッフを再訓練した」と回答したのは26%にすぎず、「両方のアプローチを併用した」と回答したのは24%だった。

 

しかし、最新の調査での回答は劇的に変化した。「既存のチームを再訓練する」という回答が55%に達し、新規にチームを雇用したのはたった18%であった。「新規雇用と再訓練を併用」したのは24%で、「外部エージェンシーに依頼」した企業は、2019年の8%から3%にダウンした。

 

人員配置に関する決定にパンデミックが関係しているかについては質問していないが、不透明な経済状況の中で、人材の流出や増員を避けていた時期であったことは想像に難くない。

 

アップグレードに関連して新規に雇用したか

出典:Mar Tech

 

リプレース事例:自社製のビデオプレーヤーを構築

米国のフルサービス広告マネジメントプラットフォームであるMediavineは、およそ8,000社のパブリッシャーのデジタル広告を管理している。2020年、パンデミックによるロックダウン中、旅行や日用消費財を含む多くのカテゴリーにおいて、パブリッシャー予算が削減され、広告主の多くが撤退した。

 

その一方で、オーディエンスのデジタルコンテンツ消費量は増加した。しかし、トイレットペーパーの在庫が無い時に、広告を出す意味があるだろうか。

 

「我々は、よりクリエイティブになり、パートナー企業の収益を増やすために何ができるかを考えた」と、Mediavineの営業および収益担当SVPであるPhil Bohn氏は語った。

 

Mediavineは、既存のすぐに利用できるソリューションを購入するよりも、自社のアウトストリームビデオプレーヤーの構築を決めた。アウトストリームビデオプレーヤーとは、パブリッシャーが、独自に動画コンテンツを制作することなく動画広告を配信できるようにするための技術である。

 

「2020年はエンジニアを40人以上雇用し、ほぼ倍に増やした。現在さらに15名を募集している」とBohn氏。

 

同氏は「パンデミック中の広告在庫の増加と需要の減少を受けて、インハウスの公共広告(PSA)プログラムを作成した」と付け加えた。特定の広告枠に広告が掲載されていない場合、パブリッシャーはPSAの配信を選択することができる。

 

リプレースに関する決定に新型コロナウイルスのパンデミックの影響があったか

出典:Mar Tech

 

約半分がパンデミックの影響を受けている

マーケティング・テクノロジーのリプレースに関する決定に新型コロナウイルスのパンデミックが影響しているかを尋ねたところ、回答者の意見は分かれ、「いいえ」が過半数(52%)をわずかに上回った。しかし、これは互角と言ってよいほどの僅差だ。

 

驚くべきことに、昨年から15か月続くコロナ禍での出来事によって、ブランドの多くがすでに取り掛かっていたデジタルトランスフォーメーションを大幅に加速する必要性が生じたというのが一般的な認識である。しかし、その期間、ブランドは、対面式のミーティングやデモンストレーションに参加しなくなった顧客や、地元の小売業者の実店舗へ行かなくなった顧客とエンゲージメントする新しく効果的な(そして共感を呼ぶ)方法を見つけなければならなかった。

 

マーケティングの自動化やeメールの配信など我々が見てきたリプレースは、パンデミックによる影響によるデジタルトランスフォーメーションのストーリーと一致しているように見える。しかし、それは単純すぎるかもしれない。コロナ禍以前に進められていた計画が、別の理由で実現されたというのが本当のところなのかもしれない。

 

リプレース事例:プロジェクトマネジメントの一元化

3年前に、Casey Bolduc氏がマサチューセッツ州の太陽光発電会社であるACE Solarに入社した当時、プロジェクトマネジメントは中枢ツールに結びついていなかった。

 

「多くの業界がスプレッドシートで管理されている」とBolduc氏は言う。「私の主なミッションの一つは、チームを率いて、合理化と自動化を図り、さらに効率を上げることだった。マーケティングだけでなく、オペレーション面においてもインテグレーションが実現できるように、柔軟性を持って統合を行った」。

 

Bolduc氏は、太陽光発電業界に特化したプロジェクト管理ソリューションのScoop Solar(カナダの再生可能エネルギー企業向けモバイルビジネスプラットフォーム)を選択した。

 

ワークフローとプロジェクトを単一のプラットフォームで管理することで、手作業でメールのやり取りをしたり、バラバラにデータを共有したりすることがなくなった。

 

ACE Solarは、ニューイングランド地方全域で商業施設や住宅用の太陽エネルギープロジェクトを実施している。どの州のプロジェクトかによって、請負業者や関係者が使用しなければならないフォームが異なるが、これらのフォームはすべて、Scoop Solarから簡単にアクセスできる。

 

統一されたワークフロー構築するということは、マーケティングが現場オペレーションと連携できるということだ。例えば、マーケティングチームが、新プロジェクトの写真他の見込み客に提示するために利用することができる。

 

「我々はすでに、リモートでの現地視察やアセスメントを行っている」とBolduc氏。さらに、「新型コロナウイルス渦では、無料のオンラインアポイントメントスケジュールソフトウェアCalendlyやビデオ会議ツールのGoogle Meetなどを利用することでより容易に実行できるようになった」と語った。

 

※当記事は米国メディア「MarTech」の10/11公開の記事を翻訳・補足したものです。