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SEOの現実的予測によって、クライアント企業をどのように評価していくことが出来るのか

SEOの現実的予測によって、クライアント企業をどのように評価していくことが出来るのか

マーケティング
2021/06/17

なぜ、現実的な予測手法を使うことで、競争力を高めることができるのか?

 

SEOエージェンシーは新たな問い合わせを受けるたびに、SEO成長の観点から、その問い合わせ元企業が持つ可能性を主張する必要がある。それは、リソース集約型の不確実なプロセスである。そして、多くの変数を念頭に置く必要がある。

 

  • 問い合わせ元企業のデジタルビジネスの状況と可能性
  • 問い合わせ元企業がマーケティング活動で達成したいこと
  • 問い合わせ元企業の利用可能な社内リソース
  • エージェンシーの利益となり、問い合わせ元企業を満足させる適正価格

 

エージェンシーチームは、問い合わせ元企業のSEO目標の実行可能性を評価するために必要なすべてのインプットを処理し、それがエージェンシーのDNAに合っているかどうかを評価する。

SEOエージェンシーのGo Upの創業者兼CEOのEdward Coram James氏はまた、次のように述べている。「メールのリクエストから、その送信者について多くのことがわかる。例えば、価格の問い合わせをしても、電話で話すことを拒否する人もいる」。

このような状況をみれば、その関係がどのように展開するか、効率的なコミュニケーションの価値があるかないかを明確に判断できるだろう。

時には、「ノー」と言うべきであることは、明らかだ。

James氏は、それ以外の場合、価値観やビジョンが衝突していなければ、わかりやすい評価プロセスと、「正直であり続ける」ための信頼できるベンチマークが必要だと述べている。

そこでは、現実的予測手法が競争力の源となる。

 

予測手法を使って問い合わせ元企業を評価する理由は?

自分が仕事をしたいと思うビジネスやプロジェクトのタイプが決まったら、あとは数字を出せばいい。

「ビジネスの観点から、当社の持続可能性と評判を考慮し、本当に良い仕事ができると思えるクライアントを選ぶことは非常に重要である」とJames氏。

そのためには、主に2つのことを評価する必要がある。

 

  • 問い合わせ元企業のSEO目標と、その現実性
  • 予算とROIの観点から、SEOキャンペーンが問い合わせ元企業にとってどのようなものになるのか

 

スタートとなるピッチングキャンペーンを作成し、ターゲットとなるキーワードとそれらに影響を与える変数を分析する際に予測ツールを使用することは、上記2点の評価に有効である。

 

検索ボリュームや季節性、前年比傾向、SERP(検索結果表示ページ)の特徴、平均CTR(クリック率)曲線、デバイスミックスなどを考慮し、問い合わせ元企業が特定のランクを獲得した場合のトラフィックの推移を確認することができる。

 

さらに、エージェンシーがクライアントのノンブランド・オーガニック・トラフィックに与える直接的な影響と、それがビジネス成果(セッション、コンバージョン、さらにはeコマースリードの追加収益)にどのようにつながるかを関連付けることも可能となる。

 

 

「X、Y、Zで、トップ10やトップ5に入ることができ、実際に問い合わせが大幅に増加すれば、ファーストチャンスのきっかけとなる。また、クライアントの分析データを確認すれば、コンバージョン率を評価することができる」とJames氏。

 

このようにして、最初のオーガニックのインバウンドリード数の増加可能性予測を行う。

 

これらの数字を突き詰めていくと、「実行不可能」な結果に結びつくこともある。

例えば、3年後に目指す目標に到達するために毎月2万ドルから3万ドル程度の投資が必要なビジネスであれば、売り込むべきシナリオではない。

しかし、いい数字を生み出すシナリオであれば、評価プロセスを継続すべきである。

 

予測に基づいたビジネスケース構築

チームを調整する方法

この段階で予測を行うことは、問い合わせ元企業の成長可能性を評価するのに役立つだけでなく、代理店社内キャリブレーション(調整)の重要なステップにもなる。

Go Upでは、これを「実行可能性テスト」と呼んでいる。このテストには、予測と、技術的問題やSEO機会、そして、戦略チームが行う予備的監査などの重要要素の精査の両方が含まれる。

戦略チームが評価した内容が予測シナリオに沿ったものであり、そのクライアントに売り込むべき高いROIがある場合、エージェンシーは社内見解を一致させた強固な提案をすることが可能となる。

特定の問い合わせに獲得すべき価値があるかを判断し、そのプロセスをコントロールするためには、戦略チームは、最初の予測分析の結果を意識せず、次のことに集中すべきである。

 

  • 問い合わせ元企業のウェブサイトの問題点、ドメイン・オーソリティなど
  • キーワード機会と、問い合わせ元企業のビジビリティにおける「マーケットシェア」について
  • SEOキャンペーンを成功させるために必要な主なリソース:テクニカルSEO、PR、UX(ユーザー体験)、CRO(コンバージョン率最適化)など
  • 予算とSEO可能性

 

結局のところ、適切な機会を見極めるためには、以下を考えることが不可欠である。

 

  • クライアントが得られる収益はどれくらいか?
  • その目標を達成するためには、どのくらいの期間、どのくらいのリソースが必要なのか?
  • 合意した期間内にすべてのリソースを費やした場合、クライアントはROIをプラスにできるか?

 

毎月5,000ドルの予算で、1年後には200万ドルを生み出すことができると言えるなら、双方のROIは問題ない。

 

 

逆に、問い合わせ元企業のSEO目標が非現実的であり、それを社内調査で証明できる場合は、問い合わせ元企業にその事実を認識させることができる。そして、新たな目標を設定するか、もしくは、ケースバイケースであるが、現時点ではSEOがその問い合わせ元企業のビジネスに適したマーケティングアプローチではないことを説明することができる。

 

James 氏は、次のように述べている。「予測を行う際には、全体設定を100%とした上で、現実的だと思われるパイを確認する。それは、30%のパイかもしれない。そして、かなり保守的に検討し、そのパイを15%に切り分ける。そうすれば、15%が生み出す収益を測定することができ、それをアウトプットや必要な予算と比較することが可能となる」。

 

予測と実行可能性テストの両方を行うことで、キャンペーンの可能性の強固度を評価しつつ、エージェンシーの関係者全員に責任を持たせることができる。それが、このプロセスが、問い合わせ元企業との自信をもったコミュニケーションを生み出し、何が有効で何が機能しないかを明確にすることができる理由である。

 

SEO機会をアピールする方法

これまで見てきたように、SEO機会を把握することは、それ自体が戦略的なエクササイズである。

問い合わせ元企業の検索状況、最適化可能な特定の検索キーワードとそのトラフィック、競合他社との比較などを明確に理解し、予測シナリオを頭の片隅に置いておけば、問い合わせ元企業の成長可能性を明確に伝えることができる。

 

 

提案する戦略の根拠となるデータ範囲を提示し、見出されたビジネスチャンスにどのように変換されるかを説明することで、透明性と明確なコミュニケーションを実現できる。

 

「ある金融機関が新しいプラットフォームを立ち上げた際、私たちにコンタクトしてきた。そして、1年以内に300件の有料会員を獲得できれば、このキャンペーンは確実に成功と言えると述べた」とJames氏。

 

この目標の実行可能性を評価し機会を特定するために、エージェンシーは、非常にトランザクショナルなものやショートテール・キーワードなどを削除し、同業種の企業からのリサーチに基づいて、ロングテールのキーワードセットを中心とした社内予測の実行を設計した。

 

James氏は、次のように説明している。

「私たちは、非常に利益がありそうに見えるものをすべて取り除いた後に、残ったものを分析した。最終的に、魅力的な価値提案ができたのだろうか?私たちは、それらの異なるロングテール・キーワードすべての検索ボリュームを結びつけ、キャンペーン開始から10ヶ月間におけるROIを提供できると考えた。また、姉妹サイトのコンバージョン率に基づいて、コンバージョン率の予測を行った。もし、コンバージョン率を20%向上させ、70%のキーワードで検索結果1ページ目表示という目標を達成した場合、登録者数300人を達成できるかどうかを検討した。答えは、イエスだった。そして、私たちはクライアントに対し、こう言った。「これらはKPIではないが、ここにビジネスモデルがあるべきだと考えている」。

 

 

最終的に、この金融サービスのクライアントは、当初の目標よりも高い成長を遂げたが、予測手法を社内で活用することにより、スタートから成長可能性を明確化できた。

 

それでも、これは、Go Upにとっては、最初の技術的改善を行った後にKPIを設定することを明確にした瞬間でもある。

「文字通り、ウェブサイトのタイトルタグを変更するだけで、Googleがその変更をどのように解釈するか、そして、それがクライアントにとってどの程度の影響を及ぼすかについて、迅速に指標を得ることができる」とJames 氏は述べている。

 

このような期待値を設定することで、エージェンシーは、自信を持って業務提携の3〜4カ月目に予測シナリオを提供し、堅固なKPIを設定することができるのだ。

 

「最初の変更が完了したら、このキーワードは3位以内、このキーワードは5位以内にランキングできるなどと示すことができる。そして予測に戻って、適切なKPIを設定する。多くの場合、それらの目標達成に応じて私たちのフィーは変わる。クライアントには、月々の管理フィーの10%を留保してもらうよう依頼する。そして、12ヵ月後にKPIを達成できなかった場合、私たちはその10%を放棄する。しかし、達成できた場合には、その10%分の請求書を送付している」。

 

プロのアドバイス: ピッチング段階で予測シナリオを提示するにせよ、社内の羅針盤として使うにせよ、再予測の重要性も忘れてはいけない。四半期ごとのビジネスレビューは、クライアントの動向を把握し、過去数ヶ月間に見出した新しいSEOの機会を提示する良いチャンスである。

 

 

まとめ

SEOエージェンシーによるクライアント評価は、コラボレーションを成功させるために考慮すべきすべての要素のバランスを取りながら、多くの作業とリソースを必要とする。

その問い合わせ元企業が、期待でき、エージェンシーの文化に適している場合は、問い合わせ元企業のSEOの目的と機会の実行可能性を評価することになる。

 

Go Upは、SEOmonitorの予測モジュールを使用することにより、簡単にクライアントのROIに十分な価値があるかどうかを社内で評価し、すべての関係者に責任を持たせることができる。

結果的に、予測を用いてビジネスケースを構築することで、以下のことが可能となる:

 

  • 問い合わせ元企業の「市場シェア」とその成長機会を把握する
  • どこでエージェンシーが効果を生むことができるか、そして、それがどのようにビジネス成果に結びつくかを理解する
  • ROIの一貫性を評価し、キャンペーンの潜在的なパフォーマンスについて正直に指摘する

 

SEOmonitorの方法論では、これらのことをすべて実行しながら、適切な予算設定の指標となる追加的なトラフィック、コンバージョン、Google広告の等価コストのモデル化を行い、エージェンシーが生み出すことのできる付加的なビジネス価値を紹介することができる。

 

この予測モジュールは、SEOmonitorがエージェンシー向けに開発した、より関連性の高いクライアントを獲得、管理、維持するためのソリューションの1つである。

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※当記事は米国メディア「Martech」の6/8公開の記事を翻訳・補足したものです。