株式会社フューチャーショップは注文件数や購入単価の変化、新規顧客利用状況を2020年・2021年1月〜3月、各月の注文件数が100件以上の店舗の中から500店舗を無作為に抽出し、調査した。
1. 注文件数の変化
対象店舗の注文件数はスマートフォン経由、PC経由ともに受注件数は各月増加している。また、昨年同時期の状況を振り返ると、2020年2月中旬頃から在宅を推奨する呼びかけが多く見られるようになり、その呼びかけ以降、2020年は外出の機会が大幅に減少した。その為、昨対比では1月が最も高く、3月に向かうにつれ減少傾向になっている。そして、外出を控えることで実店舗での買い物からネットショッピング等、ECの利用機会増加に繋がったと考えられる。
2. 購入単価の変化
PC経由がスマートフォン経由よりも購入単価が2割程度高く、月毎に比較した場合、単価はほぼ変化していないものの、3月は昨対比で他月より高い結果となった。一般的に、既存顧客の購入単価は新規顧客よりもやや高い傾向が見られ、在宅推奨の呼びかけを受けた昨年3月はEC新規顧客が増加、しかし、今年3月は既存顧客の購入が増加したため、単価自体は他の月と変わらないものの昨対比では高い数字が出たと予想される。
3. 新規顧客利用状況
調査方法は、新たに会員登録した顧客の利用を新規利用とみなし、各店舗の平均増加率を月ごとに調査した。なお、会員機能を利用していない・大量の店舗既存会員がEC新規会員として登録されるため、期間中、futureshop omni-channel開始により実店舗の会員をECにも登録された店舗は除外されている。結果は「1.注文件数の変化」をなぞるように、1月が高く、3月に向かうにつれ増加率が低下しており、原因は昨年3月から徐々に新規EC利用が増加していた為だと思われる。
4. 決済手段の変化
利用された決済方法を「クレジットカード」「ID・QR決済(Amazon Pay、楽天ペイ(オンライン決済)、Apple Pay、PayPay)」「現金・その他決済(店頭払いや後払い、銀行振込やコンビニ払いなど)」の3つに分け、各月の総注文件数を1とした。結果、クレジットカード利用の割合は変わらず、ID・QR決済利用が増加し、現金利用が減少した。
また、決済方法を3つとも提供している店舗に限定して調査した結果が上記グラフで、2020年は現金から他の決済方法に移行しており、ID・QR決済の利用率が現金より大きく上回っていることが読み取れる。また、キャッシュレス利用が全体の約3/4を占め、その中でもID・QR決済利用が3割を超える結果となり、EC利用でもID・QR決済の利便性や各サービスのプロモーションに応じた利用がさらに浸透しているように見受けられた。
今回の調査で、注文件数や注文単価はコロナによる外出自粛の影響で増加傾向にあり、また、決済手段はキャッシュレス化が進み、ID・QR決済が浸透しつつあることが分かった。