ECサイト構築プラットフォームfutureshopを運営する株式会社フューチャーショップは「数字でよみ解く2020年のEコマース」を発表した。
1.注文件数の変化
調査対象は、2019~2020年の2年間継続して毎月60件以上注文があった800店舗を抽出し、2020年各月の昨対比を算出した。4月の緊急事態宣言が発令され、EC利用が前年比200%となり急増し、緊急事態宣言解除後に実店舗が再開するも継続して150%を超えている状態が続いていた。また、9月には140.86%と大きく落ち込んでしまったが、それは昨年度10月に実施した消費税増税と前月の買いだめの為と推測される。10月以降も140%を維持し続けているのは、スイーツ等の季節商品もECでの販売が増加している影響と考えられる。
2.月別EC利用状況
調査方法は2019年、2020年それぞれ1月の受注件数を100%として月別の受注状況を算出した。2019年での大きなポイントは、10月の増税による買い控えで減少したが、一方、9月は直前のセール等で増加していることだ。また、今まで新生活準備の3~4月、セールの6~7月、年末商戦の11~12月は毎年増加傾向にあったが、2020年においては3月以降これまでの傾向は関係なく増加が続いており、コロナが要因で新規EC利用者層が獲得できた為だと思われる。
3.新規会員数
月別の新規会員数を調査し、昨年同月比を算出した結果、3月以降はECの新規利用者数が増加し、例年の約1.7倍の新規利用がみられた。特に緊急事態宣言中の4月、5月は220%程になっている。一方、9月は8月から一気に急落しており、昨年、駆け込みで新規顧客が増えたためと推測される。
4.業界別売り上げ前年比
2020年売り上げが伸びた商材を店舗全体・継続利用店舗の2つに分け、各業種の流通額を前年と比較した。結果、1位は「車用品・バイク用品」221.40%、続いて「キッズ・ベビー・マタニティ」205.63%、「キッチン・日用品雑貨・文具」188.61%なった。「車用品・バイク用品」はコロナの影響で公共交通機関を避けるため車やバイクの利用者が増加したと考えられる。また、店舗全体で2位、継続利用店舗の1位だった「キッズ・ベビー・マタニティ」は在宅時間の増加で知育グッズを中心に購入が拡大したことが一因と考えられる。
今回の調査により、緊急事態宣言で新規会員数・EC利用が大幅に伸び、さらに緊急事態宣言解除後も引き続き増加傾向にあることが分かった。また、コロナで新規客層を獲得したことで2021年も利用増加が期待される。