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欧州のAmazonで販売を行うマーチャントの多くは、Amazonと愛憎関係にある調査結果

欧州のAmazonで販売を行うマーチャントの多くは、Amazonと愛憎関係にある調査結果

トレンド
2021/05/14

ドイツのAmazonマーチャントの10事業者のうち8事業者近くは、Amazonマーケットプレイスをパートナーとは見なしていない。しかし、Amazonを通じて売上高の平均51.2%を生みだしているのも事実である。ドイツeコマース協会BVOHは、Amazonに対し、マーチャントとの関係改善を呼びかけている。

 

欧州のAmazonで販売を行うマーチャントの多くは、米国の巨大マーケットプレイスである同社と愛憎関係にあるようだ。Amazonでの販売は、多くの収益をもたらす一方で(これが欧州におけるAmazonセラー買収企業の増加原因となった)、同社との良好な関係を保つことは容易ではない。

 

Amazonとの協力関係に関するインサイト

ドイツeコマース協会Bundesverband Onlinehandel e.V.(BVOH)は、マーチャントとAmazonの関係に関する調査結果をまとめたレポートを提示した。同レポートでは、Amazonとの協力関係、およびBuy Box(ショッピングカート)、フルフィルメントby Amazon(FBA)、Prime by Seller、Amazon Pay、マーチャントサポートなど、さまざまなAmazonサービスの利用に関するインサイトが得られる。

 

マーチャントの78%は、Amazonとのパートナーシップ構築が困難との認識

主な調査結果の1つは、すべてのトピックにおいて、マーチャントがAmazonのサポートについて非常に不満を持っているということだ。78%のマーチャントは、Amazonとのパートナーシップを築くことは難しいと認識している。しかし、同時に、彼らは、は平均して売上高の半分を、Amazon経由で獲得している。「これは、マーチャントがAmazonでのビジネスに依存していることを明確に示している」と、BVOH は記している。

 

「マーチャントがAmazonでのビジネスに依存していることを明確に示している」

 

BVOH の会長であるOliver Prothmann氏は、「平均11人の従業員を抱えるマーチャントは、Amazonで商品を販売することを前提に運営計画を立てている」とコメントしている。「もし、Amazonが記事の削除、価格間違いエラーのブロック、販売制限、金銭保留からアカウントブロックまでの措置によって販売を妨げる場合には、Amazonから明確な理由を聞き出し、Amazonの従業員とともに解決策を見出さなければならない」。

 

また、調査ではAmazon経由での販売自体が非常に困難であることが示されている。たとえば、いわゆるBuy Boxを取得するには、販売価格はAmazonマーチャントからのオファー価格よりも22.3%安くなければならないという。また、マーチャントの44%は、ブランド製品の販売が禁止されていると回答しており、マーチャントの78%は、Amazonがこのような販売制限を課していると主張している。

 

80%がAmazonで商品削除を経験

また、マーチャントの10社のうち8社は、すでにAmazonでの商品削除を経験している。「また、新品や偽物の代わりにテスター、サンプル、中古品を販売したとする告発においては、ほとんどの場合、不当なものだった」と回答している。

 

「多くの告発は不当なものだった」

 

「Amazonは、自身に価格決定権があると考えている」

BVOHによると、いわゆる低価格/高価格エラーによって、Amazonはマーチャントに圧力をかけ、オファーに一定の価格を提示させているという。「Amazonは、独占禁止法に違反して、マーチャントが価格設定する自由を妨害している。たとえば、マーチャントの販売価格を決定する購入条件、コスト構造、在庫状況などを理解せずに、Amazonは販売価格を決定できると考えている。小売業者の自由に対するAmazonによるこのさらなる侵害は止めなければならない」。

 

4社に1社がAmazonによるアカウント停止

そして、基本的に、マーチャントにとって最大の脅威となるのが、Amazonアカウントの停止である。回答者のおよそ4人に1人が、過去12か月間にAmazonによってアカウントが停止されたと回答している。また、衝撃的なのは、アカウント停止を受けたマーチャントの3分の2以上が、それを停止当日に初めて知り、Amazonからの事前の警告がなかったことだ。

 

「これらの、また、他の多くの調査結果は、Amazonが法的に準拠した方法をとっていないことを示している」と、BVOVは述べている。「Amazonは、ドイツ連邦カルテル庁との合意およびEU Platform-to-business Regulation(P2B規則)も遵守していない」。

 

「Amazonは法に準拠した方法をとっていない」

 

BVOHは事態の改善を求めている

協会は、Amazonがマーチャントとの関係を改善し、明確なコミュニケーションによって強力関係を一新することを望んでいる。「さらに、マーチャントが実際に失敗を犯した時のみに問題に対処する必要が生じるようにすべてのアルゴリズムを改訂するべきである。第三に、BVOHは、Amazonに対し、同社プラットフォームでの法的に準拠した行動が可能な環境を確保しなければならず、Amazonがこれを保証しない場合は、同社が責任を負うことを要求している(汚染者負担の原則)」。

 

Amazonによるコメント

Amazonは、ドイツ大手経済新聞Handelsblatt に、販売パートナーも成功してこそ、Amazonが成功したといえる、と語った。「そのため、サービス向上のため、常にフィードバックに耳を傾けている。したがって、これらのインサイトも考慮に入れ、今回の件に関して、BVOHにも連絡し同じ内容を伝えたい」と、Amazonの広報担当者は述べている。また、当担当者は、BVOHによる調査はAmazonのすべてを表すものではないことも強調。「この調査結果は、当社ビジネスの信頼できる正確な全体像を描くものではない」とし、マーチャントがフィードバックを提供できるAmazon独自のプロセスをについて言及した。「そして、そのフィードバックはBVOHの調査結果とは矛盾している」。

 

 

※当記事は欧州メディア「Ecommerce News Europe」の4/19公開の記事を翻訳・補足したものです。