アメリカに本社を置くデジタルソリューション企業Searchmetricsの調査で、Googleの検索結果上位20位にランクインするウェブサイトのほとんどが、優れたページエクスペリエンスを提供するための最低限の必要要件をクリアしていないことがわかった。
これらの必要要件は、6月中旬に正式に導入されるGoogleのCore Web Vitals(UX重要指標)のアップデート版に規定されている。
Searchmetricsは、米国、英国、ドイツのGoogle検索結果の上位20に表示される200万以上のウェブページを分析。その結果、同社がテストしたアメリカの検索結果で表示されたモバイルサイトの90%、パソコン用サイトの96%が、「優れたウェブサイトのパフォーマンスとユーザビリティ」であることを示すCore Web Vitals指標を満たしておらず、6月以降の検索結果表示に悪影響を及ぼす可能性があると言う。
Googleは、Core Web Vitalsの導入によって、ページ上のコンテンツの読み込み時間、インタラクティブ性(訪問者のボタンやリンクをクリックするなどの最初の操作に対して反応するまでの時間)、視覚的な安定性(レイアウトやコンテンツが変動しないか)という3つの分野で、実際のウェブユーザーのエクスペリエンスを評価し、改善していくことを目指している。これらの指標は、優れたエクスペリエンスを提供しているウェブページのGoogle検索エンジンによる検索結果表示ランキングを上げるため、同社の検索アルゴリズムに組み込まれる。
また、今回の調査によって、いくつかの例外があることも示されている。
Google傘下のYouTubeでは、読み込み時間やインタラクティブ性など、Core Web Vitalsにおけるパフォーマンスが低いにもかかわらず、検索結果上位にランクインすることがある。YouTubeでは、個々のネガティブなユーザビリティ問題をブランド認知度の高さで補うことができる可能性がある。
現在、Wikipediaは、ほぼすべての指標において、Core Web Vitalsのパフォーマンス基準を満たしている、もしくは上回っており、ウェブコミュニティでの良い手本と言える。ウィキペディアの高スコアには、ウェブデザイン軽量化へのアプローチと、ページ上で動き回りネガティブなエクスペリエンスを生み出す広告などの動的コンテンツを多用していないことが関連している。
※当記事は英国メディア「Mobile Marketing Magazine」の4/22公開の記事を翻訳・補足したものです。