今年は、Google広告予算の無駄をなくし、キャンペーンの収益性向上を始めてみては
Google広告予算の無駄をなくし、キャンペーンの収益性向上を始めることを、今年の決意としてはどうだろう。
Googleは、広告商品の自動化や複雑化をさらに推進する傾向にある。それは、日々のキャンペーン管理に役立つが、キャンペーンの分かりやすさを犠牲にし、コントロールを難しくしている。
マーケターは、キャンペーンや戦略をコントロールし続けなければならない。Googleによる最適化は、常に広告主の利益にとって最善であるとは限らず、また、ブランドのコンテキストを把握しているわけでもない。一つの解決策としては、Google広告キャンペーンを監査するためのサードパーティーのツールを使用する場合がある。これは、広告主が最終決定を担いながら、自社キャンペーンにおいてインサイトを得るのに役立つ。
2021年に成功するためには、より多くのデータの統合、Googleの自動最適化のコントロール維持、激化する競争との闘い…など、新しいことに取り組む必要がある。だが、そのための時間はもうないのだ。2021年に注力すべき5つの新年の決意を見てみよう。
1.SKAGsは廃れ、インテントが流行
Googleはキャンペーン内の一貫性を重視する。キーワードのパフォーマンスが類似していればいるほど、キャンペーンのパフォーマンスが全体的に向上する。これは、数年前に人気となった悪名高い単一キーワード広告グループ戦略(SKAGs)の背後にある論理的根拠だ。正直なところ、それは手に負えないほどの事態であった。幸いにも、Googleは最近、マッチタイプ(検索キーワードに対して広告掲載範囲を決定するための設定)の更新、類似パターンなど、SKAGsの関連性をなくす、いくつかのアップデートを導入した。
では、一貫性は重要だが、SKAGsは行き過ぎているとしたら、どうすればよいのだろうか?マーケティングでは重要なことであるが、常識的に捉える必要がある。この状況においては、ユーザーの意図がキーワードをグループ化するための指針となるべきだ。
ブランド名で検索したインターネットユーザーは、そのブランドサイトで、一旦コンバージョンし購入する可能性が高くなる。第一に、最高のCPA(アクション当たりのコスト/ Cost Per Action)とROAS(広告の費用対効果 / Return On Advertising Spend)を実現するために、ブランドに関連するすべてのキーワードをグループ化する必要がある。第二に、「価格」や「割引」などをメンションするキーワードは、購入意思の強いシグナルである。「仕様」、「サイズ」や「保証」などのフレーズは入札する上では重要だが、CTR(クリック率)やCR(コンバージョン率)は下がるため、入札額は下げておくべきだ。成果を挙げたいのであれば、改善が必要な分野と、新たなビジネスを見つけることができる分野を可視化・定量化するべきである。秘訣は、アカウントを適切に構成することにある。
2. キャンペーンを整理し、無駄な広告費をなくす
何十ものキャンペーン、何百もの広告コピーの用語、そして何万ものキーワードがある中で、それぞれに目を光らせることはあまりにも膨大な仕事となるかもしれない。だが、それは成功の鍵となる。Google広告への投資の中でパフォーマンスの低い支出は、品質スコアが低いか、コンバージョン率が十分でない分野を示している。長期的に、ニュース用語やコピーを毎日追加するうちに、物事を管理するのに時間がかかるようになる。数年後には、管理しきれなくなるかもしれない。
無駄な費用を削減するためには、「品質スコア」と「検索クエリレポート」の2つのレポートを掘り下げて、広告のトリガーとなる検索キーワードを分析する必要がある。
3.強みの倍増
多くの場合、広告主は売上を伸ばすために新たなキーワードを購入しなければならないと考える。
これは真実ではあるが、少なくとも、自社が最も収益性の高いキーワードで(もちろんブランドトラフィック以上に)最大の市場シェアを確保することも同じくらい重要なことなのだ!
機会を失わないようにする最善の方法は、Google広告SERP(ユーザーが検索エンジンで検索を行った際に表示される検索結果画面)でのインプレッションシェアをモニターすることだ。
インプレッションの損失は、入札することを選択したキーワードに関連する検索での機会損失を表す。トップ10のキャンペーンに注目して競合他社の市場シェアを確認し、自社が表示されていない場合は注意深くモニターする必要がある。
4.目立たせる
キャンペーンにおいて、コピーとビジュアルの果たす役割は、ますます重要となっている。ユーザーは、毎日6,000以上の広告に触れるため、彼らの注目を集めるチャンスを得るためには目立つ必要がある。
クリエイティブの品質が、Facebook広告キャンペーンのパフォーマンスに与える最大で80%に及び、Google広告でも同様の傾向が見られる。
また、ビジュアルの重要性は、Google広告ネットワークでも高まりつつある。
広告やクリエイティブを最適化する秘訣は、統計の持つ力を受け入れることだ。どのクリエイティブが最もうまくいくかを確実に知るすべはないが、今は最良であると推測したものを簡単にテストすることができる。マジックナンバーは3から5の間にある。常に広告グループ内の少なくとも3つ以上5つ以下の広告でテストを行おう。
5.もっと多くではなく、もっと賢く
Googleは、ユーザー中心のアプローチによって、さらにFacebookに追いつきつつある。支出は、キーワードやプレースメントレベルだけでなく、ユーザープロファイルも考慮に入れて配分する必要がある。
データは、ユーザーがいつ、どこでオンライン状態にあるのかという宣言的(declarative)情報、そしてGoogleアナリティクスの共有データや過去の検索クエリから推測されたデータ(すなわち、ユーザーが野球の試合のスコアを検索した場合、そのユーザーはスポーツファンである)などから収集される。ユーザープロファイルを考慮に入れるには、最も価値のあるオーディエンスや基準に合わせて入札単価を調整することだ。
キャンペーンに向けて、オーディエンスのディメンション(社会的デモグラフィック、時間帯・曜日、地理、デバイスなど)を統合することが重要だ。
ボーナスヒント:特に、グローバルレベルで見て、違いが重要であるトップキャンペーンで確認することを忘れないこと。
良い決意を持って一年を始めることは素晴らしいことだが、それは最初の一歩に過ぎない。最高レベルのGoogle広告アカウントを一年中保持するための鍵は、着実な仕事のペースを維持することだ。
※当記事は米国メディア「Marketing Land」の1/5公開の記事を翻訳・補足したものです。