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若年層の78%は迅速な配送を、高年層の66%は無料配送を求めている

若年層の78%は迅速な配送を、高年層の66%は無料配送を求めている

トレンド
2020/12/14

世界最大級のマルチチャネルコマースプラットフォーム「Shopify」を展開する日本法人Shopify Japan株式会社は、「Future of Commerce」を公開し、Shopifyで集計したデータから見る事業者(マーチャント)と消費者のインサイトを分析した「日本の消費者の購買傾向」と、急速に進化するコマース業界の未来を示す、2021年に向けた「5つのコマーストレンド予測」を発表した。その一部を紹介する。

 

2020年は小売業界が10年分の進化を遂げた年となった。この1年で、起業家がビジネスを始め、運営し、成長させる方法が恒久的に変わり、消費者の買い物の仕方や支払い方法も変化したことで、今まさに、コマースの新時代が始まろうとしている。

コマースとは商取引以上のもので、ビジネスと顧客との関係を深めるやり取りを意味する。だからこそ、来たるべきコマースの未来の全容を把握するため、Shopifyは世界中に100万人以上いるShopify事業者(マーチャント)のデータを集約し、さらに世界各国の消費者にアンケート調査を実施した。

 

予測1:Eコマースの伸びに伴い、若い消費者層がビジネス環境を変えていく。

 

消費者は実店舗での買い物スタイルに戻ることを躊躇している。

若い消費者層においてオンライン購入へのシフトが最も多く見られ、このことはブランドのビジネスの方法を変化させる。

 

新型コロナウイルスの感染が拡大して以来、日本の消費者の42%が年初と比較してオンラインでより頻繁に買い物するようになった。74%の消費者が新型コロナウイルス感染拡大以降、オンラインで1回は買い物をしたと答え、また、2%の消費者が新型コロナウイルス発生後にEコマースを使い始めたと回答している。

若年層(18〜34歳)がこの傾向を牽引し、この層の59%が「年初と比較してオンラインでより頻繁に買い物するようになった」と回答した。この割合は他の層を引き離している。35~54歳の中年層は40%で、55歳以上の高年層は34%だった。

したがって、若年層がEコマースの伸びを支え、ブランドによるビジネスの方法を変化させるといえる。

 

日本ではオンライン購買体験における最も重要な要素として「無料配送」が60%と支持されている。次いで「配達日に関する明確な情報」が38%、「迅速な返品対応」が33%となっている。

高年層の消費者(66%)は若年層(49%)に比べ「無料配送」がより良い購買体験を作ると回答している。

また、60%の消費者は「今の自分に最も大切なのはスピーディーな配送」と回答している。

若年層(78%)の消費者は、この選択肢に対して他の年齢層よりも多くの割合で同意。(中年層では59%、高年層では51%)

したがって、スピーディーな無料配送はオンライン購買体験の向上において重要であるといえる。

 

 

予測2:実店舗での小売販売は転換期を迎え、地域のビジネスに新たな機会が生まれる。

 

変化に強い小売店は、お客様のニーズに応えるためのテクノロジーやエクスペリエンスを追求する傾向に。

消費者との距離が近いという点は事業者(マーチャント)にとって大きなメリットとなるため、新たな受取方法と配達方法を提供するストアは急速に増えている。

 

54%の消費者が「地域のビジネスから購入することは経済を助けるためにできること」と考えており、39%の消費者が「支援するため地域に根差したビシネスを探している」と回答している。

若年層は高年層に比べ「より地域のビジネスから購入することが経済を助ける」と考えており(61%vs.50%)、また「支援するために地域に根差したビシネスを探している」という点に同意している(若年層51%vs.中年層37%および高年層35%)。

 

しかし、28%の日本の消費者が「新型コロナウイルス感染拡大以降の6ヶ月間で地域の事業者から商品を購入した」と回答している。

若年層では26%が「新型コロナウイルスの感染が拡大して以降の6ヶ月間で地元の事業者から商品を購入した」と回答している。

他国でも日本と同じような調査結果が出ており、例えばスペインでは77%の消費者が「地域のビジネスから購入することは経済を助けるためにできること」という記述に同意しているが、実際に感染拡大以降に購入した人の割合は35%だった。

したがって、人々は地域のビジネスを支援したいと考えているものの、実際に購入した割合は少ないといえる。

 

予測3:消費者は個人経営のストアで買い物をしたいと考えている。

 

個人経営のビジネスを応援したいという消費者の気持ちは高まっている一方、まだ購買行動には完全に反映されていない。

スピーディーな無料配送、会話型コマース、購入可能なSNSなどの機能は、個人経営の小売店が利便性や信頼性を確保するのに役立つ。

 

68%の消費者が新型コロナウイルスの感染拡大以降「実店舗」で買い物をしており、62%の消費者が「この先6ヶ月で実店舗の買い物を続けるだろう」と回答している。

高年層の消費者は実店舗で買い物をした割合が若年層より高く(76%vs.49%)、この先6ヶ月で実店舗の買い物を続けるだろうと答えた割合も若年層より高くなっている(70%vs.45%)。

49%の消費者がコロナ禍の6ヶ月間で、「買い物が混雑する時間を避けた」と答え、46%が「この先6ヶ月も同様に行動するだろう」と回答している。

パンデミック中に実店舗で買い物をした割合は、国によって異なる結果が出ている。ドイツでは日本と同様に80%の高齢者が実店舗で買い物をしたが、インドでは52%に留まった。

したがって、高齢層は実店舗で買い物をする割合が若年層よりも高いといえる。

 

予測4:より多くの消費者が消費行動を通じて意思表示をする。

 

消費者のほとんどが地域のビジネスを支援していく。

 

26%の消費者が、サステナブルやグリーン商品に対して「買い物するときに好意的にとらえる」と回答している。

特に若年層の消費者が同意する割合が高く(42%)、中年層(35〜54歳)は24%、高年層(55歳以上)は19%となっている。

26%の消費者が購入のたびに寄付を行う小売業に対し好反応を示している。

特に若年層において好意的にとらえる傾向があり(42%)、中年層(22%)と高年層(21%)では同じような結果が出ている。

したがって、若年層の方がサステナブルに配慮した商品を選んで購入する傾向にあるといえる。

 

「サステナブルやグリーン商品に対して買い物するときに好意的にとらえる」と回答した日本人は全体で26%だったが、この数字は他国と比較すると大幅に少ない数字となっている。最も同意した国の消費者はイタリアで67%、続いてスペインで60%となっており、日本以外で最も低い割合であったニュージーランドでも40%は同意している。

 

予測5:現代の金融ソリューションは、ビジネスおよび消費者の銀行取引、金融取引、および融資のあり方を変える。

 

従来の金融機関は、起業家やスモールビジネスが直面する現状に共感を示していない。

デジタルユーザーエクスペリエンスの質は、事業者(マーチャント)にとって、特にビジネスを始めたばかりの場合に重要な要素である。

業歴の長いビジネスが、ビジネス経費の支払いにオンライン決済サービスを使っている。

従来の銀行以外から融資を求めるビジネスが増えている。

世界は急速に変化しており、コマースもそれに合わせて恒久的な変化を続けている。

 

ここまで、日本の消費者の購買傾向を見ながら、5つのコマーストレンド予測を見てきた。

 

Shopifyは、わずか1年足らずの間に、事業者(マーチャント)と消費者が驚愕の速さでニューノーマルに適応している様子を目の当たりにしてきた。小売業は変化に強いのである。世界中で見られる傾向を共有することで、多くのビジネスがこの先何年にもわたって変化に対応し続けられることを願っているとのこと。

その理由は、世界はより多くの起業家と個人経営のビジネスを求めているからである。彼らこそ地域コミュニティの担い手である。経済成長を牽引するのも、起業家と個人経営のビジネスである。彼らのために、Shopifyは「すべての人のためにコマースをより良くする」を使命として掲げ、日々努めているとのこと。