マルチチャネルコマースプラットフォーム「Shopify」を展開する日本法人Shopify Japan株式会社は、11月27日から30日までに開催された「ブラックフライデー・サイバーマンデー(BFCM)」セールのレポートを発表し、全世界と日本のデータを公開した。その一部を紹介する。
全世界のBFCMのデータを見ていこう。
Shopify事業者(マーチャント)の総流通総額が51億ドル(約5,340億円)以上となり、前年比76%増を達成した。
2019年比50%増の4,400万人以上の消費者がShopifyを利用した独立系ブランドや消費者直販ブランドから購入していた。
BFCM期間中の1件あたりの平均購入額は89.20ドル(約9,300円)だった。国別では日本(106.40ドル; 約11,090円)とオーストラリア(105.50ドル)で平均購入額が最も高く、カナダ(103.00ドル)、米国(92.80ドル)などを上回った。
最も流通総額の高かった都市は、ニューヨーク、ロサンゼルス、ロンドンで、国別ではアメリカ、イギリス、カナダが上位を占めた。
日本(347%増)を筆頭にイタリア(211%増)、ドイツ(189%増)、イギリス(122%増)では、前年と比べて売上が3桁の成長を記録した。
商品カテゴリーでは、アパレルとアクセサリーの売上が最も高く、健康や美容、ホームやガーデニングが続いて高かった。
続いて、日本のBFCMのデータを見ていこう。
日本で最も売上の多かった地域は東京都となり、大阪府、静岡県が続いた。
全世界のデータでも触れたように、日本のカート平均価格は11,090円だった。前年の平均10,227円から増加し、全世界の89.20ドル(約9,300円)を超えた。
最も流通総額の多かった時間帯は日本時間19時だった。
日本の消費者がShopify事業者(マーチャント)から購入した割合は260%増だった。
日本でのサイト平均滞在時間は約25分だった。
Shopify事業者(マーチャント)のBFCM期間中の売上は、開始わずか2日間で前年の4日間の合計である29億ドル(約3,000億円)を突破し、中小企業や自営業の小売業界の回復力を示している。特に、1件あたりの平均購入額をみると、日本の消費者はBFCM発祥の地である米国の92.80ドル(約9,700円)を大きく上回り、106.40ドル(約11,090円)と世界1位の消費額を叩き出している。また、前年に比べ、日本のShopify事業者(マーチャント)の売上高は347%増であり、日本の消費者がShopifyを利用する事業者(オンラインストア)から購入する割合も260%増加した。これは、消費者が購入を通じて国内の事業者を応援していることがうかがえる。
ShopifyのPresidentであるハーリー・フィンケルシュティンは次のように述べた。
「今年は小売業界にとって世界的に変革の年となりました。ShopifyのBFCM期間中の記録的な売上は、我々のプラットフォームに出店しD2Cで販売する多くの小売業の底力の表れです。小売の主戦場が実店舗からオンラインにシフトする中で、新型コロナウイルス感染症は奇しくも我々が長らく待ち望んだ変革を加速させました。このマルチチャネルでの購買現象は、小売業が目指すべき将来的な目標あり、我々にとってこれ以上喜ばしいことはありません。」
また、Shopify Japanのカントリーマネージャーであるマーク・ワングは次のように述べた。
「Shopifyが日本に拠点を開いて約3年が経過しましたが、年々ブラックフライデー・サイバーマンデーが浸透し、大きな盛り上がりを見せていることに驚きを感じています。今回の真のチャンピオンは、日本にて本セールイベントおよびムーブメントに参加している多くのShopify事業者(マーチャント)です。日本の消費者による1件あたりの平均購入額が世界平均を上回っていることは、日本の事業者の回復力を示しており、非常に喜ばしく思います。この消費行動がいち早い回復につながる兆しだと考えています。」
このように2020年のBFCMは世界中を見ても日本のShopifyマーチャントの躍進が光った年となった。これは新型コロナウイルス感染症拡大におけるステイホームが増え、オンライン支出が多くなったのも理由のひとつとして考えられるが、日本でブラックフライデーおよびサイバーマンデーに対する知名度が上昇し、世の中に浸透したことが理由として挙げられる。