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月商1,000万円未満のネットショップが使用するカートシステムのカスタマイズに課題

月商1,000万円未満のネットショップが使用するカートシステムのカスタマイズに課題

トレンド
2020/11/16

ネットショップコンサルティングのECマーケティング株式会社は、月商1,000万円未満/1,000万円以上のそれぞれのWeb担当者に対してアンケート調査を実施した。現在使用している「カートシステムの満足度」についての調査結果を紹介する。

 

コロナ禍の緊急事態宣言以降、飲食店や対面販売など、対面でのビジネスが低迷を迎えるなか、DX(デジタルトランスフォーメーション)の導入が必要不可欠になり、今までネットショップでの販売を強化していなかった企業や、これまで実施していなかった企業も、ネットショップ運営やその強化を検討せざるを得なくなってきた。

そこで今回、ネットショップの運営に関しての生の声を聴くために、Web担当者に対してアンケート調査を実施した。

 

まずは、今回アンケートに回答したネットショップについて概要を見ていく。

月商1,000万円未満、月商1,000万円以上のネットショップともに、「総合小売」が圧倒的に多く、次いで「アパレル」「健康食品・サプリ」となっている。

特徴的なのは、月商1,000万円未満のネットショップでは、「食材・食品」(4.5%)、「アクセサリー」(4.5%)がある程度存在するのに対して、月商1,000万円以上のネットショップではほとんどなかったことである。これは、月商1000万円未満のネットショップでは、食品やアクセサリーに特化したネットショップが多く、月商1,000万円以上のネットショップでは「総合小売」のなかで食品やアクセサリーを販売しているため、このような結果になったと考えられる。

反対に「家具・インテリア」に関しては、月商1,000万円以上のネットショップではある程度存在しているが、月商1,000万円未満でほとんどないという結果となった。

 

続いて、使用しているカートシステムを見ていく。

月商1,000万円未満のネットショップでは、「コマース21」が20.9%で一番多く、次いで「EC-CUBE」が13.6%、「ebisumart」が11.8%となった。月商1000万円以上のネットショップでは、「EC-CUBE」が27.5%で一番多く、次いで「ecbeing」が10.1%、「BASE」が10.1%となった。

月商1,000万円未満のネットショップでは、BASE、Shopify、STORESなど、無料や低価格で構築可能なカートシステムが意外と少なかったという印象がある。現段階では少なく、これから増えてくるといったところだろうか。

反対に、月商1,000万円以上のネットショップでは、スクラッチ開発がほとんどなく、オープンソースのEC-CUBEが一番多かったのは興味深いところである。

BASEやShopifyなど、低価格で高機能なカートシステムが日本でのシャアを増やしている現状から、今後は、流れが大きく変わってくるかもしれない。

 

次に、現在利用しているカートシステムの満足度を見ていく。

月商1,000万円未満のネットショップでは、「満足」が39.4%で一番多く、次いで「どちらかというと満足」が29.3%、「大変満足」が16.2%となった。月商1,000万円以上のネットショップでは、「大変満足」が42.3%で一番多く、次いで「どちらかというと満足」が28.9%、「満足」が20.6%となった。

満足度で言うと、月商1,000万円以上のネットショップのWeb担当者が満足度が高いと言う結果になった。月商1,000万円以上のネットショップでは、EC-CUBEの利用が一番多く、オープンソースゆえに多くのカスタマイズが可能な点で、満足度が高い傾向にあるかもしれない。

 

次に、カートシステムの具体的な満足な部分を見ていく。

月商1,000万円未満のネットショップでは、「コスパが良い」が60.6%で一番多く、次いで「今の売上規模に合っている」が38.4%、「管理画面が使いやすい」が35.4%となった。月商1,000万円以上のネットショップでは、「今の売上規模に合っている」が70.1%で一番多く、次いで「管理画面が使いやすい」が64.9%、「全体的に機能が充実している」が58.8%となった。

満足している部分を多く答えたのは、月商1,000万円以上のネットショップのWeb担当者で、月商1,000万円以上のネットショップでは、売上規模が大きく、多くの経験があるうえで課題点の多くを改善してきたことで満足な点が多いと考えられる。

 

反対に、カートシステムの不満な部分を見ていく。

月商1,000万円未満のネットショップでは、「コストが高い」が29.3%、「機能が複雑」が29.3%で一番多く、次いで「全体的に機能が不十分だと思うところがある」が17.2%、「カスタマイズしにくい」が17.2%となった。月商1,000万円以上のネットショップでは、「今の売上規模に合っていない」が44.3%で一番多く、次いで「全体的に機能が不十分だと思うところがある」が40.2%、「コストが高い」が39.2%となった。

月商1,000万円未満のネットショップ、月商1,000万円以上のネットショップともに、コストや機能面に満足な方も多いが、不満を持っている方も一定数いるという結果になった。

一番特徴的だったのは、月商1,000万円未満のネットショップのカスタマイズのところだった。満足な部分で「カスタマイズがしやすい」と答えた方が15.2%に対して、不満な部分で「カスタマイズがしにくい」と答えた方が17.2%と逆転していたところである。カートシステムにおいてよく耳にするカスタマイズがしにくいという声は、一定数あることがわかっていたが、月商1,000万円未満のネットショップのWeb担当者は、カスタマイズがしやすいと考えている方より、カスタマイズがしにくいと考えている方の方が多く、カートシステムにおいては、その点が課題の一つとしてあげられるのではないだろうか。

 

今回は、月商1,000万円未満のネットショップと月商1,000万円以上のネットショップでのカートシステムについての調査結果を見た。

月商1,000万円未満のネットショップと月商1000円以上のネットショップでは、使用しているカートシステムや満足度も大きく違うことが分かった。また、最近ではカートシステムのカスタマイズもある程度柔軟に行えるものも増えているが、依然として、Web担当者がカスタマイズに関して感じている課題が存在することも分かった。