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ECサイトのアクセス解析レポートを作成・理解するための、「指標の分解」の考え方

ECサイトのアクセス解析レポートを作成・理解するための、「指標の分解」の考え方

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2020/11/05

ECサイトのアクセス解析レポートを作成・理解するための、「指標の分解」の考え方

 

ECサイトを改善していくうえで欠かせないアクセス解析。しかし、分かりやすいレポートを作成する際や、レポートをしっかり読み解いて理解する際に、見落としている点が無いか不安になったことは無いだろうか。今回は、ECサイトのアクセス解析レポートを作成・理解する際に、要点を外さず、本質を読み解くための「指標の分解」という方法を紹介する。

 

※この記事は、デジタルマーケティングラボおよびECサイトのアクセス解析レポート「DeeBoard for EC」を展開するディーテラー社から情報提供を得て作成した記事である。DeeBoard for ECのサービス資料はこちらからダウンロード下さい。

 

アクセス解析のステップ1「指標の理解」

 

指標とは「PV」や「セッション」、「ユニークユーザー数(UU)」などの数値のことを指し、アクセス解析を行う際、この数値の大小や変動からサイトの動向を読み取ることになる。指標の定義を正しく理解することが、アクセス解析の最初のステップだ。

 

基本的なアクセス解析指標

  • PV(ページビュー)
    特定のWebページが表示された回数を示す。そのページがどのくらい閲覧されているかを知ることができる、最もベーシックな指標のひとつである。
  • ユニークユーザー(Unique User、UU)
    特定の集計期間におけるサイトの訪問数から同一ユーザーの重複を除いた数値で、実際のユーザー数を大まかに把握することができる。「Webサイトが閲覧された回数」ではなく「閲覧したユーザー」単位でカウントしていることが、PVと異なる点である。
  • 直帰率(Bounce Rate)
    入口となる最初の1ページだけを閲覧してサイトから離脱してしまったユーザーの割合を示す。直帰率の高いページは、ユーザーに対して有益な情報を提供できていない場合が多い。入口ページの直帰率が改善されれば、1人あたりのPVが増加し、それによりサイト全体のPVが増加する可能性がある。
  • セッション(訪問数)
    ユーザーがWebサイトを訪問してから離脱するまでの流れを1としてカウントするのが、セッションの基本的な考え方である。原則としてPVよりも少なく、UUよりも多くなる。Googleアナリティクスでは同一ユーザーでも30分以上操作しなかった場合は新規セッションとしてカウントされるなど、アクセス解析ソフトによって細かい定義が異なる。
  • 平均セッション時間
    セッションあたりの滞在時間を平均化した数値で、ユーザーがサイトに滞在した平均時間と言い換えることができる。Googleアナリティクスにおいては「当該ページの閲覧開始時刻」と「次に閲覧したページの閲覧開始時刻の差」で計算されるため、最後のページは滞在時間が計測されず、滞在時間が0と表示される点に留意すべきだろう。
  • ユーザーあたりセッション
    特定の期間内で「1ユーザーが平均何回サイトに訪れたか」を示す。ユーザーがサイトを訪問する頻度を表し、サイトの更新頻度に比例する場合が多い。セッション数÷ユーザー数で算出されるため、「セッション/ユーザー」と表記されることもある。
  • セッションあたりPV
    「1回の訪問で平均何ページ閲覧されたか」を示す。ユーザーがどのくらいサイトを回遊しているかを表し、サイトの質や見やすさ、使いやすさなどをはかることができる。PV数÷ユーザー数で算出されるため、「PV/セッション」と表記されることもある。

 

ECサイトのアクセス解析指標

  • 収益
    売上金額のこと。この数値には、商品の金額以外にも、送料や税金などを計算に含める調整額が設定されている場合がある。
  • 注文数
    購入された回数、厳密に言うと決済が実行された数のこと。Googleアナリティクスでは「トランザクション数」と表示される。ECサイトにおけるコンバージョンという認識で問題ないだろう。
  • 平均注文額
    1回の注文(1トランザクション)あたりの平均収益のこと。
  • 数量
    購入された商品の合計数のこと。次で述べる「商品数/注文数」とは定義が異なる。
  • 商品数/注文数
    1回の注文あたりの商品種類数を平均化したもの。この数値が大きいほど1回の注文で多くの種類の商品が購入されたことになるが、同一商品が複数購入された場合は1カウントとなる点に注意。例えば、1回の注文で「リンゴ2個、バナナ2個」が購入された場合、商品/注文数は「2」、数量は「4」と表示される。
  • 注文率
    セッションのうち、注文に至った割合のこと。Googleアナリティクスでは「eコマースのコンバージョン率」と表記される。文字通り、ECサイトのコンバージョン率にあたる。
  • カート追加数
    商品がカートに追加された回数のこと。Googleアナリティクスでは「商品がカートに追加された回数」と表記される。
    1回のカート追加時の商品の数量は考慮されない。
  • 商品注文数
    商品が購入された回数(=注文数、決済数)のこと。Googleアナリティクスでは「商品の決済回数」と表記される。こちらもカート追加数と同様、1回の注文時の商品の数量は考慮されない。
  • カゴ落ち率
    商品がカートに追加されたにも関わらず、購入に至らなかった割合のこと。この数値が高い場合、次のような対策が考えられる。特に1~3の項目は、カゴ落ち率に影響を及ぼす上位の要因である。
    1)送料や手数料の見直し
    2)アカウント作成なしでも決済可能にする
    3)購入完了までのプロセスを簡略化する
    4)決済手段の拡充(ペイメントサービスの導入など)
    5)合計金額を分かりやすく提示する
    6)クレジットカード情報を入力するに足る信頼性の訴求

 

 

アクセス解析のステップ2「指標の分解」

 

指標を正しく分解することができれば、サイトの課題が特定しやすくなる。課題が特定した後に、課題をクリアする施策を起案するフェーズに進む。。

 

まず、PVを分解する

サイトの健康状態を示すKPIとしてPV数がよく用いられるが、これはあくまでも総合指標であり、盲目的にPVだけを追うのは禁物である。具体的な問題点を特定しなければ、改善策を講じることもできない。そこで、量と質のどちらに問題があるかを見極めるため、次のように分解して考える。

PV=【量】セッション×【質】セッションあたりPV

 

【質】セッションあたりPVに問題がある場合

1回の訪問で平均何ページ閲覧されたかを示すこの数値が低い場合は、サイトの質に問題があり、ユーザーがサイト内を回遊しにくい状況であることがうかがえる。このケースでは、ユーザーが最初に訪問するLP(ランディングページ)を見直し、ナビゲーションの改善や、ユーザーが興味を持ちそうな関連コンテンツへの導線を加えるなどの改善策が考えられる。

 

【量】セッションに問題がある場合

大まかな量を表すセッション数だが、この状態ではそもそものユーザー数が少ないのか、ユーザーの訪問頻度が少ないのかを特定できない。さらに分解して考えることで、より具体的な示唆が得ることが可能になる。

セッション=【量】ユーザー×【質】ユーザーあたりセッション

 

指標を分解できるとこまで分解していくことで、どの指標に課題設定すべきかが浮き彫りになる。上記では、ユーザーはさらに分解できるが、ユーザーあたりセッションはこれ以上分解できないため、ここに課題があれば、「再訪問を促すためのコンテンツを制作」などの施策が考えられる。

このように、アクセス解析では指標を分解して、改善ポイントがどこにあるかを特定することが重要なのだ。

 

 

アクセス解析はレポート自動化で作業ゼロに

 

覚えるべき用語が多く、最初のうちは戸惑うこともあるが、アクセス解析に慣れてくると、見るべき指標やディメンション(分析の切り口)、集計期間などがパターン化されていることに気付くはずだ。こうなると、Googleアナリティクスの管理画面に毎回アクセスして「アカウントを選択」→「プロパティとビュー選択」→「レポート画面表示」→「レポートの種類選択」→「指標とディメンションと期間の設定」という手順を踏むことが煩わしく思えてくる。ECサイト運営には必須のアクセス解析だが、この手順だけで数分かかる場合もあるため、効率の悪さが問題となりやすいのだ。

そのため、自分が見る指標やディメンション、期間などが固まってきたら、アクセス解析レポートを自動化すべきだ。

 

アクセス解析レポートの自動化はGoogleデータポータルがおすすめ

Googleアナリティクスのレポートの自動化は、Googleデータポータルを用いるのがおすすめである。Googleアナリティクスから取得したデータを自由に加工できることメリットがある。複数のアクセス解析ツールを利用していると、集計仕様の違いにより各ツールで数字がずれてしまう点が問題となるが、GoogleデータポータルであればGoogleアナリティクスの数字と一致するため、担当者間の認識を合わせることが容易になるのだ。

 

 

ECサイトのアクセス解析の自動化が可能な「DeeBoard for EC」

 

ディーテラー株式会社が提供する「DeeBoard for EC」は、“誰でも普通に使える”ことをコンセプトにした、ECサイト向けのアクセス解析サービス。アクセス解析のほか、商品別、性別、年齢別、デバイス別、曜日別、時間別、地域別の「売上分析」や「カゴ落ち率の分析」が可能で、操作の手間なく最低限のアクションで目的のアウトプットにたどり着けるのが特徴だ。

 

手頃な価格と充実した機能

月額10万円以上のサービスが多い中、DeeBoard for ECは月額2,000円で全機能が利用可能。Googleアナリティクスの初期設定サービスを無料で提供しており、カスタマイズも1万円から可能である。また、グラフィカルなレポートはECサマリ、EC売上分析、ユーザーと新規ユーザー、リピーターと質の指標など9種類で構成され、見やすさだけでなく示唆を得るための工夫がなされている。

 

サイトの健康状態が一目でわかる

使用頻度の高い指標やディメンション、期間があらかじめ設定されているため、ページを読み進めるだけでサイトの健康状態を把握できる点もメリットだ。各種グラフにより重要指標のシェアが一目でわかるほか、メディアやデバイスなどのディメンション別に集計結果を絞り込めるフィルタ機能が利用できる。1クリックでWebレポートにアクセス可能、定期レポートを曜日指定で送信できるなど、業務効率化の機能も十分だ。

 

アクセス解析のノウハウが凝縮したレポート

DeeBoard for ECはもともと、日々のアクセス解析において情報を見やすく整理する目的で作られた、自社用のアクセス解析レポートだったという。「指標とディメンションの理解」と「改善策を出すための因数分解」をベースに構成されたレポートには、アクセス解析で重要となる視点が組み込まれれ、最短距離でサイトの課題に気付けるよう設計されたDeeBoard for ECは、つい先日、ECカートASPのカラーミーショップとの連携が発表されたばかり。今後の展開にも注目したいところだ。

 

 

※この記事は、ECサイトのアクセス解析レポート「DeeBoard for EC」を展開するディーテラー社から情報提供を得て作成した記事である。

 

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