食品流通市場のDX加速をミッションとする株式会社10Xは、新事業として、小売・流通事業者向けに開発不要でネットスーパーを立ち上げ可能なサービス「Stailer」を提供開始した。
昨今、新型コロナウイルス感染拡大の影響により、ネットスーパーの利用者数が増加している。また食品小売事業者では、拡大する需要に対応するため、DX(デジタル・トランスフォーメーション)の必要性が高まっている。一方で、日本のスーパーマーケット市場は13兆円の規模に対しネットスーパー導入店舗は3.7%、流通額規模は1%に留まり、BtoC-ECのEC化率6.2%と比較しても低水準にある。この背景には、店舗ごとに商品在庫・配送枠等を管理する複雑なシステム構成やそのレガシー化、小売・流通事業者におけるDX人材不足、これらの課題による事業環境変化への対応の遅れが挙げられる。
Stailerは、ネットスーパー事業の立ち上げ・運営を行う小売・流通事業者を対象とし、レガシーなシステムを置き換え、便利な顧客体験を実現するサービスである。長期的にネットスーパー事業を成長させるために必要なAPI、データベース、エンドユーザー向けのアプリ、分析ツールといったシステムをフルセットで提供する。
既にネットスーパーを運営中の事業者にとっては、既存のシステムの改修を必要とせずに利便性の高いスマートフォンアプリを提供することができ、ユーザー層の拡大や継続率の向上をサポートする。
また、新たにネットスーパーを展開される事業者にとっては、既存の商品データをStailerと連携するだけで、ラストマイル配送やドライブスルー受け取りに対応したネットスーパーの展開が可能である。同時に、必要なパートナー選定やシステム連携等も10Xがサポートし、スムーズな立ち上げが可能となる。
特徴として、以下の点が挙げられる。
1.開発不要でネットスーパーが開始できる
Stailerを導入することにより、事業者は新たな開発不要でネットスーパーアプリを提供することができるようになる。またStailerは常にアップデートされ、ユーザーニーズの変化に対しスピーディに対応しスーパーのDXをサポートする。
2.既存システムを置き換えるAPIとDB
店舗や配送センターごとに分散した商品等のデータベースをStailerが自動で1つのデータベースに統合する。またバックエンドをStailer APIにより置き換え、ECサイト/アプリ等のクライアントや、分析・CRMツール等で利用可能となり、ネットスーパーの事業運営を加速させる。
3.ネットスーパーに最適化されたモバイルアプリ
ネットスーパーに最適化されたUI/UXを備えるモバイルアプリを提供する。商品を探しやすい売場や、「注文履歴」や「マイリスト」機能により、時短で便利な買い物体験を提供する。また7,000件以上のレシピを元に、自動で毎日の献立が提案される「献立」機能も搭載。必要な食材はワンタップで購入でき、ユーザーの毎日の食のサポートと購入単価の向上を両立できる。
10Xは、今回の「Stailer」の提供と合わせて、DCM Ventures、ANRI、個人投資家を引受先とし、総額3億円の資金調達を実施した。今回調達した資金を元に、小売事業者へのStailer導入を推進していく。