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ニューノーマルにおけるブランド広告の5つのヒント

ニューノーマルにおけるブランド広告の5つのヒント

トレンド
2020/06/09

新型コロナウィルス感染症のパンデミックによって、ブランドは、どのメッセージが最も効果的で、どのメッセージが利益よりも悪影響を及ぼしうるかを疑問視するようになった。現状との関連性を維持しようとしている競争の激しい環境において、ブランドはどうやって信頼され、他社より傑出することができるだろうか?そして最も重要なことは、危機を利用していると見なされないよう、どのようにメッセージのバランスを取るかということである。

 

米国のマーケティング調査会社Dynataの最新レポート”Global Consumer Trends COVID-19:Advertising in the New Normal”(「新型コロナウィルス感染症下のグローバルな消費者動向:ニューノーマルにおける広告」)の第一章では、ブランドがどのようなメッセージを使用するべきか、様々なメッセージがどのように受け取られているか、また、ブランドロイヤルティを向上または低下させる可能性のあるメッセージとアクションについて詳しく取り上げている。

 

ヒントその1:オーディエンスにインセンティブを提供する

当然のことながら消費者は、無料配達などのインセンティブを提供する広告を好み、こうした広告を「魅力的に感じる」と回答した人は、そうでない人より49%多い。このメッセージは英国、スペイン、オーストラリアで特に効果が高く、各国の回答者の59%、57%、54%が、それぞれインセンティブ提供メッセージを魅力的であると感じている。

テイクアウト、着席形式のレストランからビール会社、酒屋や薬局まで、さまざまなブランドやサービスすべてが、インセンティブをオプションとした広告を行い、フィットネスセンターや教育サービス提供会社などは、無料のクラスやトレーニングリソースをオンラインで提供している。消費者にインセンティブを提供することは、その内容にかかわらず、個人の財政状態が継続的に懸念されている時期におけるブランド利用の促進に役立つのだ。

 

ヒントその2:復興活動への自社ブランドの貢献を伝える

Dynataの調査によると、消費者はパンデミック禍のブランドの復興活動と、コミュニティに対しどのようにブランドが貢献しているかを知りたがっている。これは、2番目に影響力のあるメッセージであり、このメッセージを「魅力的である」と回答した人は、そうでない人より30%多い。個人防護具の寄付、医療従事者への食事や寄付の支援、そして、個人防護具やその他の必需品の製造のために製造ラインを転換することは、パンデミック禍の消費者の気持ちを強く捉えるだろう。危機におけるブランドの対応ストーリーを伝えることは、好印象を与えるのだ。

 

ヒントその3:つながりが鍵となる – 自社ブランドが消費者にとって必要である理由を確実に伝える

パンデミックが深刻化するにつれ、消費者の消費行動は変化している。必要性がないと思われるメッセージを送信するブランドは、つながりを失う可能性が高くなるだろう。ブランドにとって、自社と現状との関連性を伝えることがこれほど重要であったことは、これまでになかった。Dynataの調査によると、消費者の36%は、ブランドの提供内容がニューノーマルの生活にどのように関連しているかを伝えている広告に対し、より魅力的であると感じているという。

 

なお、パンデミックを無視し、いつも通りにビジネスを継続するブランドキャンペーンは、消費者に好意的に見られておらず、24%は「魅力的ではない」と感じている。

 

ヒントその4:「我々は皆、一緒にいる」というメッセージが一部の国で人気

多くの広告は、パンデミックの間、離れている人々の距離を縮めるか、または人々が「団結している」ことを視覚的に見せるかして、仲間意識とコミュニティの共通のテーマを表現してきた。

一方、Dynataの調査によると「我々は、皆、団結している」というメッセージが魅力的とされるのは、地域的なものであることが分かった。このメッセージを魅力的であると感じる回答者は、そうでないと感じる回答者より、すべての国において平均約15%多く、スペインでは特に効果があり27%多かった。しかしオランダでは、メッセージに魅力がないと感じる人の方が魅力的であると思う人より7%多いという結果に。この調査対象の他の国では、このメッセージを魅力的であると感じる回答者の方が、そうでないと感じる回答者より13%多かった。いつもそうするべきであるように、マーケターは、メッセージが適切なやり方で伝わるよう、オーディエンスを地域的に検討することが重要である。

 

ヒントその5:無神経にならないようにバランスを取りつつ、消費者にコロナ前の生活を思い出させる

ブランドメッセージングでは、パンデミックの話題を避けた方が安全だと思うかもしれないが、それは間違いであることをデータは示唆している。パンデミックを認める広告を、そうでない広告よりも好むという消費者の方が23%多かった。同時に、パンデミック前を思い出させる広告を好むと話している消費者の方が15%も多かったのだ。特にブランドが金銭的利益のためにパンデミックを利用しようとしていると考える消費者が、そうでない消費者より32%多いことを考えると、マーケターは、無神経になりすぎず、人々により楽しい時間を思い出させることとの適切なバランスを取っていく必要がある。

 

このトピックの詳細については、Dynataの新型コロナウィルス感染症インサイトのページにアクセスし、”Walking the Fine Line: Brand Messaging During the Crisis”(「紙一重を行く:危機におけるブランドメッセージング」)のレポートをダウンロード可能。

 

調査方法

調査は、米国、英国、フランス、ドイツ、オランダ、スペイン、オーストラリアの7ヶ国で実施された。フィールドワークは、2020年4月28日から5月8日の間に行われた。米国では2,416件、他各国ではそれぞれ約1,200件が収集され、合計で9,699件の調査結果が回収された。

 

参加者は、Dynata独自のオンライン調査パネルアセットから選出。サンプルは、割当管理が行われ、各国の年齢、性別、教育レベル、そしてほとんどの市場では収入と支持政党に基づく各国の人口を反映するように重みづけされた。インタビューは、オンラインで実施。最年少の割当は18歳-24歳である。このサンプルサイズでは、95%の信頼水準での誤差範囲が、米国では約+/-2.0、他の調査国ではそれぞれ+/-2.8であった。

 

※当記事は英国メディア「Mobile Marketing Magazine」の5/29公開の記事を翻訳・補足したものです。