EC業界ニュース・まとめ・コラム「eコマースコンバージョンラボ」

イギリス大手アパレルECの「ASOS」、ARフィッティングツール「See My Fit」をトライアルスタート

イギリス大手アパレルECの「ASOS」、ARフィッティングツール「See My Fit」をトライアルスタート

トレンド
2020/01/30

英国発ファッションオンライン小売業ASOSは、商品が、さまざまなサイズや体形にどのようにフィットするかを表示するAR(拡張現実)ツール「See My Fit」のトライアルを開始した。欧州においては、ASOSが、AR技術を試行した最初の小売業者となる。

 

「See My Fit」は、以前にASOSと提携してイスラエル発のバーチャル試着アプリを提供したZeekitが開発。Zeekitは、ユーザーにそっくりのモデルを使用し、オンライン上でファッションアイテムを着せ替えられるといったサービスを提供している。2018年、同社は、バーチャルフィッティング技術の導入をASOSに提案。その技術によって、オンラインファッション小売業者は、各商品を着用したさまざまなサイズのモデルを表示できるようになり、それらの写真を全て撮影する必要はなくなるのだ。Zeekitの技術は、モデルを、バーチャルにドレスアップさせることを可能にする。

 

「ASOSは、告知や派手な宣伝をすることなく、Zeekitのモデルシミュレーションを商品ページに追加した。そして、その効果は非常にエキサイティングだ!」と、Zeekitのブログ記事で述べられている。その後、ASOSは、ZeekitのARツール「See My Fit」のトライアルをアナウンスしており、今回のツールは、基本的に2018年に使用された技術の改良版だという。

 

1つのドレスにつき、サイズや体形別の16タイプのモデルによる着用画像を表示

ASOSのリリースでは、次のように述べられている。「『See My Fit』の目指すところは、顧客がより多くの情報に基づいて、購入選択をできるようにすることである。新ツールは、顧客に、それぞれによく似たサイズや体形のモデルで商品がどのように見えるのかを分かりやすく表示する。そして、ASOSは、この技術を試行した欧州初の小売業者である」。

顧客は、今回トライアルの対象となっている800着のドレスの「See My Fit」のボタンをクリックすることで、16タイプのモデルがそのドレスを試着した様子を見ることができる。

 

「画像は実際の写真のように見える」

ドレスを着用しているモデルの写真はAR技術でつくられたものだが、ASOSの表示する画像は、実際の写真のように見える。

「『See My Fit』は、それぞれの衣服のサイズや形、フィット感を考慮し、現実的な方法で、表示するモデルにデジタルマッピングさせるのだ。」

 

積極的に新技術を導入するASOS

ASOSは、これまでも同社のオンラインファッションストアにおいて、革新技術をテストしてきた。同社は2018年に、オススメサイズを提案するツールFit Assistantを導入。そのツールでは、マシンラーニング(機械学習)を使用して、各顧客に適した推奨サイズを提示する。さらに、昨年6月には、Virtual Catwalk(バーチャルキャットウォーク)を試行した。これは、商品を着たモデルが、顧客のいる自宅の部屋の中を歩いているように見せることができるARツールである。

 

 

 

※当記事は欧州メディア「Ecommerce News europe」の1/16公開の記事を翻訳・補足したものです。