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未来の「感覚のインターネット」を予測するEricssonのレポート

未来の「感覚のインターネット」を予測するEricssonのレポート

トレンド
2019/12/17

消費者たちは、2030年までに、視覚、聴覚、味覚、嗅覚や触覚とインタラクティブに作用するコネクテッド テクノロジーによる数々の役立つサービスを利用することが、日常的に現実になると予想している。「感覚のインターネット」に関する消費者の期待は、エリクソン消費研究所(Ericsson ConsumerLab)最新消費者トレンド(Hot Consumer Trends)レポート第9版でも明らかになっている。

 

このレポートは、エリクソン消費研究所の世界的な調査活動に基づくものであり、主に、2019年10月に世界中の15都市(バンコク、デリー、ジャカルタ、ヨハネスブルグ、ロンドン、メキシコシティ、モスクワ、ニューヨーク、サンフランシスコ、サンパウロ、 上海、シンガポール、ストックホルム、シドニー及び東京)で行われた4万6000人のテクノロジーのアーリーアダプター(新たに現れた革新的商品やサービスなどを比較的早い段階で採用・受容する人々)を対象としたオンライン調査からのデータを利用している。

 

この調査から、感覚のインターネットは、人工知能(AI)、仮想現実(VR)、拡張現実(AR)、5Gや自動化などのテクノロジーによって実現されることが明らかになった。2030年までに、スクリーンベースのエクスペリエンスが、現実とほぼ一体化する多感覚なエクスペリエンスにますます近づくことが見込まれる。

 

感覚のインターネットの主たる牽引役には、没入型エンターテイメントとオンラインショッピング、気候変動危機とそれに対応した、気候への影響を最小限とするためのニーズが含まれる。

 

Ericsson Consumer & IndustryLabの責任者であり、レポートの共著者であるPernilla Jonsson博士は次のように述べている。「我々は、現在のスマートフォンベースのインターネット接続から、感覚がインターネットにつながることによってもたらされる没入型エクスペリエンスへの転換について論じた。このレポートは、拡張現実(AR)眼鏡を入口として、それが消費者にとってどんな意味を持ち得るかを探っている。我々は、人工知能、バーチャルリアリティ、拡張現実、5Gや自動化による感覚の接続性がもたらす日常生活への大きな変化を、すでに消費者がこれほど想定しているとは思っていなかった」。

 

Ericsson Consumer&IndustryLabの研究課題の責任者であり、レポートの共著者であるMichael Björn博士は、次のように付け加えている。「我々は、往々にして、未来を今日が直線状に発展したものだと想像する。しかし、我々は、すべての人間の感覚がデジタル化されている世界がどのような機会と課題をもたらすかを、もう考える必要があるのだ」。

 

「それはたとえば、気候変動と二酸化炭素排出量の削減に重要な役割を果たすかもしれない。多くの活動は、気候への影響を減らすために、デジタル化することができる。仕事に行き、休暇を取り、世界を旅することのすべてを自宅にいながら行うこともできる」。

 

「消費者は、産業界が、感覚のインターネットにおける個人のプライバシーに関する問題に適切に対応することを期待している。たとえば、自分たちの感覚が、商品やサービスの購入のために操作されるかもしれないという世間の懸念について。人々は、必要な保護や保証が整備されることを期待するだろう」。

 

2030年の最新消費者トレンド10選は以下の通り:

 

  1. 脳がユーザーインターフェイスになる

消費者の59%は、目的地を思い浮かべるだけで、仮想現実眼鏡で地図のルートを見ることができるようになると考えている。

  1. 声をまねる

67%は、マイクを使って他人の声をリアルにまね、家族をもだますことができるようになると考えている。

  1. 好みの味に

消費者の45%は、食べた物のフレーバーをデジタル的に引き立たせ、どんな食べ物も自分の好みの味にできるような口のためのデバイスが開発されると予想している。

  1. デジタルな香り

10人中約6人が、森林や田舎をデジタル的に訪れ、それらの場所での自然の香りを体験することができると予想している。

  1. 完全な手触り

10人中6人以上が、押しているデジタルアイコンやボタンの形や質感を伝える画面を備えたスマートフォンを予想している。

  1. 統合された現実

10人中7人が、2030年までに、バーチャルリアリティゲームの世界が物理的現実と区別がつかなくなると予測している。

  1. 真実であることの検証

「フェイクニュース」はなくなるだろう。回答者の半数は、2030年までに詳細な事実確認機能を備えたニュースレポートサービスが人気になると回答している。

  1. ポストプライバシー時代の消費者

回答者の半数は、「プライバシーが保証されなくなった時代の消費者」であり、データ駆動型の世界の恩恵を安全に享受できるよう、プライバシーの問題が完全に解決されることを期待している。

  1. コネクテッド サスティナビリティ

10人中6人の回答者は、感覚型サービスのインターネットは、社会をさらに環境面でサスティナブルなものにするだろうと考えている。

  1. 驚くべきサービス

消費者の45%は、ショッピングの時に五感すべてを使用できるデジタルモールを期待している。

 

 

※当記事は英国メディア「Mobile Marketing Magazine」の12/10公開の記事を翻訳・補足したものです。