欧州のeコマース取引額は、2019年末までに6,210億ユーロ(約75.3兆円)まで成長すると予測されている。これは昨年の5,470億ユーロと比較して、13.6%の増加。この予測は、欧州のeコマースに関するEcommerce Foundationの最新レポートによるものであり、この調査によってスカンジナビア諸国がeコマースの指標ランキングにおいて、引き続き上位を占めていることが示された。例えば、デンマークは欧州で最もビジネスがしやすい国にランクイン。また、スウェーデンやデンマーク、フィンランドは、いずれも世界の物流パフォーマンス指標(貿易・物流の効率性について160ヶ国をランク付けした指標。Logistics Performance Index )のトップ10にランクインしている。
欧州のオンライン消費者のシェア
欧州各国のインターネットを使ってオンラインショッピングをする消費者の割合は、国によって異なる。スイスやイギリス、デンマークの昨年のシェアは85%超であった一方、ルーマニア、ウクライナなどの国では26%未満であった。
欧州のeコマースは13%の成長
すでに述べた通り、欧州における今年のBtoCのeコマース取引額は、6,210億ユーロに達すると予測されている。この予測通りとなれば、欧州のeコマースは13%以上の成長を続けることになる。Ecommerce Foundationによれば、欧州のeコマース取引の大半は西欧諸国に集中しているとのこと(66%)。一方で、欧州での(2018年における)eコマース全体の取引額5,470億ユーロのうち、東欧諸国での取引額は230億ユーロに過ぎなかった。
欧州のオンライン消費者の平均支出額
西ヨーロッパ諸国が、欧州におけるeコマース取引額の最大シェアを占めているが、消費者1人あたりのオンラインショッピングにおける支出額が最も高い地域は北欧諸国であり、その支出額は年間2,046ユーロである。欧州全体における昨年のオンラインショッピング平均支出額は1,346ユーロであったが、今年末には1,464ユーロに成長すると予測されている。
欧州のインターネット普及率
欧州のインターネット普及率は82.5%であり、なかでも北欧諸国と西欧諸国が最も高い普及率である(それぞれ93.3%と92.3%)。この”インターネット普及率”という点では、欧州各国間で依然として大きな差があり、たとえばアイスランドのインターネット普及率は99%である一方、ウクライナのそれはわずか64%である。
欧州の消費者の多くはオンラインショッピングを好むが、もちろん、お店を訪れて店員と話をして買い物をしたい、また、実際に商品を見たい、お店に愛着がある、習慣で同じお店に行く、などという消費者もいるだろう。コソボとモンテネグロの消費者はオンラインでの注文を敬遠しがちであるが、ポーランドでは、オンラインストアよりも実店舗の方を好むという消費者はわずか2%である。同様にオンラインより実店舗を好む消費者の比率は、デンマーク11%、オランダ11%、イギリス10%というデータもある。
※当記事は欧州メディア「Ecommerce News」の6/11公開の記事を翻訳・補足したものです。