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AmazonとWalmartで売りを作るための商品ページに必要な要素

AmazonとWalmartで売りを作るための商品ページに必要な要素

トレンド
2019/04/25

特定の商品ページの要素に対して、それぞれの小売ECサイトが、独自に有効な改善アプローチをとることで、競合他社よりも優れたページとすることができるのだろうか。ECサイト事業者ごとのサイトエクスペリエンスや、もともと持っている消費者基盤などを考慮した場合、どの要素やトレンドが適用可能だろうか。

プロダクト関連ソフトウェア会社Salsifyが発表した最新レポートには、Amazonと、日本ではそこまで影響力のない米国スーパーマーケットチェーンWalmart.comにおいて、同カテゴリの商品コンテンツを直接比較している。

 

今回の調査では具体的に、Amazonの「おもちゃとゲーム」カテゴリの71,000以上、およびWalmartの「おもちゃ」カテゴリの9,000点以上の商品ページのコンテンツが分析された。それぞれの商品は、販売ランクの上位10%に入る“売れ行きの良い商品”、下位10%に入る“売れ行きの悪い商品”といった、売上ランクに基づいて測定されている。

今回の分析では1つのカテゴリだけを対象としているが、2つの小売サイトにおける多くの類似点だけでなく、売り行きの良い商品のコンテンツの構成要素の重要な違いも明らかにしている。

 

それでは、何が違うのか?

 

エンハンスドコンテンツの普及

調査では、AmazonとWalmart双方の売れ行きの良い商品ページでは、売れ行きの悪い製品と比較して、充実した商品紹介コンテンツ(エンハンスドコンテンツ)が全価格帯において提供されているという顕著な傾向がみられた。しかし、Walmartの調査対象商品全体でエンハンスドコンテンツを掲載している商品が全体に占める割合はAmazonより著しく高く、それは売れ行きの悪い商品にも及んでいる。

 

ベストセラー商品の平均レビュー数

エンハンスドコンテンツがあるかどうかと同様に、ベストセラー商品のレビュー数は売れ行きが悪い商品よりもはるかに多かった。しかしAmazonとWalmartでは、レビューの件数が大きく異なる。Amazonのほとんどの商品カテゴリと同様、Amazonの「おもちゃ」カテゴリのベストセラー商品は、価格に関係なく平均して数百件のレビューを獲得している。ところが、Walmartのベストセラー商品の平均レビュー数はわずか18.4〜178.4件の間であった。

 

 

上記のどちらの統計も、両社におけるベストセラー商品を生み出すためのテーブルステークス(ビジネスを行う上で最低限必要なこと)の構成要素の違いを明らかにしている。Walmart上のビシネスでは、ユーザーにエンハンスドコンテンツを活用した充実したマルチメディアコンテンツを提供しない場合、販売商品は非常に不利な状況におかれるだろう。Walmartの消費者は充実した紹介コンテンツが提供されている商品をより頻繁に購入する傾向にあるが、多くの競合他社もそのようなコンテンツを提供している。同様に、Amazonでの販売商品が十数件程度のレビューしかない場合、競合他社よりも優位に立つことはできない。Amazonの買い物客は、さらに多くのユーザーによって検証された商品を購入する傾向にあるからである。

 

それでは、共通点は何か?

 

商品画像点数

米国の平均的消費者が1つの商品紹介コンテンツに期待する画像点数は、6点である。そして、AmazonかWalmartかに関係なく、商品の価格帯が上昇するにつれて画像点数がコンバーションにおけるパフォーマンスに大きな影響を与えることが今回の最新分析によって示された。調査対象の全価格帯においても、売れ筋商品の紹介ページの平均画像数は売れ行きの悪い商品を大幅に上回っている。

 

星評価は大きな要因ではない

AmazonとWalmartの双方のサイトでは、調査対象以外の商品カテゴリも含め、「レビュー数が増えると販売数も増加する」という非常に明らかな相関関係がある。一方、ベストセラー商品と売れ行きが悪い商品の星評価の違いに関しては、無視できる程度のものである。AmazonとWalmartでのベストセラー商品の平均星評価は対象の全価格帯において4.2から4.4の間。一方、売れ行きの悪い商品は星評価が3.8から4.2であり、全ての価格帯においてベストセラー商品と売れ行きの悪い商品との平均星評価の差異が0.4を超えることはなかった。

 

結論

商品販売計画の観点からみた場合、ブランドはAmazonとWalmartを安易にひとまとめにしてしまいがちである。しかし今回の調査結果は、AmazonとWalmartにはいくつかの共通した高水準トレンドが存在することを示した。一方、特定の商品ページ要素に対しては、AmazonとWalmartそれぞれにおいて独自のアプローチをとることにより、競合他社よりかなり優位に立つことが可能となることもわかる。マーケティング担当者はこの点に常に留意する必要があるだろう。それは、さらに多数の小売業者がサイトエクスペリエンスとバックエンド技術の向上のための投資を繰り返し続けており、それがAmazonとWalmartの多大な成功につながっているからである。

 

※当記事は、米国メディア「Marketing Land」の4/16公開の記事を翻訳・補足したものです。